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ミステリ感想-『スクランブル』若竹七海

2008年08月08日 | ミステリ感想
~あらすじ~
1980年、高校生だったあたしたち。
一人の少女があたしたちの通う名門女学校で殺された。
それから15年後、仲間の結婚式で再会したあたしたちは、迷宮入りした事件の謎に迫るのだが……。


~感想~
ものすごく評判がいいので期待したが、個人的には大ハズレ。
青春群像としてはいいが、ミステリとしての弱さがそのぶん際立つ。
だってこの事件、迷宮入りするわけがない。いくらなんでもこの真相をお宮入りさせてしまう警察は日本には存在しない。
また、読書を青春の一ページとして描写する小説(例:北村薫)にありがちな、イヤ~な感じの安っぽい衒学味(有名文学をネタにした寒い応酬、マイナー作品をさも読んでいて当然のように披瀝する、などなど)が目につき鼻につき、青春時代を振り返るどころではなかった。
文学青年なら楽しめるのかなあ……。


08.8.8
評価:★★ 4
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