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小金沢ライブラリー

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映画感想―『G.I.ジョー』

2010年03月11日 | 映画感想

~あらすじ~
あらゆる金属を食い尽くす化学物質ナノマイトが邪悪なテロ組織コブラに強奪された。その輸送任務に就いていた兵士のデュークは、最強の国際機密部隊“G.I.ジョー”に入隊して、コブラとの対決に臨む。


~感想~
これはアクション映画の傑作じゃないか?
世界初のフィギュアが原作の映画と聞いて危ぶんでいたが、自分とこの作品には愛があふれているアメリカ国民の手によるだけはあり、アクションにアクションをたたみかける、もうその手のファンしか眼中に無いような構成で、だれる場面がない。
CGはさすがに『トランスフォーマーリベンジ』と比べると若干落ちるものの、十分なクオリティを保ち、見せ方もうまい。
「東京」と明記されているのに明らかに中国の街角で、しかもみんな中国語で話す少林寺っぽい道場という確信犯的に誤った日本描写もあるのはご愛嬌だが、アクション映画好きは見逃してはいけない、隠れた傑作である。


評価:★★★★☆ 9
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映画感想―『トランスフォーマーリベンジ』

2010年03月10日 | 映画感想

~あらすじ~
前作から2年、大学生活を送るサムは「キューブ」の破片に触れたことから、奇妙なサインが見えるようになる。それは、古代ピラミッドに秘められた、ある恐るべき暗号を示していた。
一方その頃、絶滅したはずの邪悪なトランスフォーマー・ディセプティコンの生き残りが、無数の仲間を率いて世界各地に侵入を始めるのだった。


~感想~
前作はシリーズの開始ということもあり設定の描写に多くの分量を割き、トランスフォーマーも少数に絞ったため、前半はとにかくだれてしょうがなかったが、今作では「前回あれだけ説明したからもういいよね?」と言わんばかりに、冒頭から問答無用でトランスフォーマー同士が肉弾戦をくり広げる展開で、非常にテンポが良い。
もちろん途中でバカ一家(でも主人公)のどうでもいいドタバタ喜劇が挟まれるのはマイケル・ベイクオリティだが、ベイは自分の長所も短所もよく把握しているようで、シーン一つ一つを切り取って見れば、ツッコミ所が無数にあるのだが、ツッコむ暇を与えないくらいに次々と激しいアクションシーンが、新たなツッコミ所と肩を並べてやってくるので、息つく暇も与えない。
漫画界には同様の作風(?)として、ゆでたまごという御大がいるが、ゆで曰く「先々までストーリーを考えず、その時にこうなったら一番面白い展開を描く」そうだが、マイケル・ベイこそはまさに映画界のゆでたまごである。
ラジー賞の作品部門を受賞したが、それもベイとしては本望だろう。
深い描写なんぞは他人に任せ、外見だけやたらとかっこいい、IQの低い映画をこれからもベイには撮っていって欲しいものだ。


評価:★★★★ 8
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映画感想―『イレイザー』

2010年03月09日 | 映画感想

~あらすじ~
大手武器製造会社のOLリーは、政府と会社が癒着し最新兵器「レールガン」を密売する陰謀を知ってしまったことから、命を狙われるはめに。
重要証人の過去を消し去りながら、その命を護る政府特別情報局員“イレイザー”のクルーガーは、リーを護衛する任を受けるのだが……。


~感想~
ジャケ写と勝手なイメージからバカSFだと思っていたら、バカになるのは終盤だけで、意外に手堅い作りのよくできた映画だった。
「レールガン」というトンデモ要素を差っ引けばそもそもSFでもなく、若干のサスペンスと爽快なアクションに、アメリカンな笑いをちりばめた、まぎれもない娯楽作品である。ごめんよ知事。


評価:★★★★ 8
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映画感想―『ドラゴンボールEVOLUTION』

2010年02月19日 | 映画感想

~あらすじ~
2000年前(!?)ピッコロ大魔王とその弟子の大猿(!?)が世界を危機に陥れた。
しかし7人の勇者(!?)によって封印されたピッコロはよみがえり、再び地球破壊を目論む。
一方、気の修行に励む孫悟空はハイスクール(!?)での冴えない日常(!?)に悩んでいた(!?)。


~感想~
鑑賞後、「つまらない」とか「むかつく」とか「ぶっ殺す」といった負の感情ではなく「……」という虚無の感情にとらわれた。
いまさら断るまでもなくドラゴンボールの実写化としては一から十まで破綻しているのだが、そのくせ魔封波のエフェクトだとか、ピッコロに加担する女の名前がマイだとか、ヤムチャが砂漠の盗賊だとか、そういった原作に無駄に忠実な部分があるにはあるのが、無性に腹が立つ。
変なところをいちいち指摘すると『デビルマン』並に収拾がつかないので、印象深いシーンだけ抜き出すと、
メジャーな技・影鶴拳。煩悩だらけの悟空(たぶん筋斗雲乗れない)。チチはアジア系なのに悟空はアメリカン。気功波が直撃したけどノンダメージなブルマ。どう見ても50代の亀仙人。脈絡もなくくっつくヤムチャとブルマ。ナマステー。かめはめ波は回復呪文。渡辺vs田中。いきなり最終決戦。ちっちゃい大猿。如意棒どこいった。7つの試練をいつ乗り越えた。かめはめ波は体当たり属性。じいちゃんを生き返らせるという発想はない。看病される大魔王。
などなど悪い意味で盛りだくさんの内容かつ『デビルマン』より断然まともな造りなので、どうしても観たいという方を積極的に止めようとは思わない。
でも思ってるほど酷くはないよ、きっと。


評価:なし 0
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映画感想―『イーグル・アイ』

2010年02月10日 | 映画感想

~あらすじ~
ごく平凡な青年ジェリーが自宅のアパートに帰ると、そこには大量の銃器が置かれていた。そして携帯に女の声で「30秒後にFBIがやって来る。すぐに逃げろ」と謎の警告が。その言葉通り、FBIが現われ、訳もわからないまま拘束されるジェリー。一方、最愛の息子を人質にとられたレイチェルもまた、同じ声の主が命じる不可解な指示に従わされていた。


~感想~
観る前はもうちょっとサスペンスフルな映画を想像していたのだが、いざ始まってみるとなんでこの題材でこんなに無駄に派手なアクションがくり広げられてしまうのだろうと呆気にとられた。
SFとしては非常に使い古されたネタで新味はないのだが、必要以上に派手なアクションだけは観る価値があるかもしれない。


評価:★★☆ 5
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映画(DVD)感想―『SAW 2』

2010年02月08日 | 映画感想

~あらすじ~
刑事のエリックが遭遇した殺人事件。その残忍な手口から、犯人はあの猟奇的連続殺人犯ジグソウの仕業に違いないと思われた。エリックは犯人が現場に残したヒントを頼りにアジトを推測し急襲。そして、あっけなくジグソウの逮捕に成功する。だが、そこからジグソウが仕掛けた残忍な殺人ゲームが開始されるのだった……。


~感想~
破格の前作の後を受けての2としては及第点だろう。
なんでも前作とは別の無名の脚本家の作品を、続編として買い上げたそうだが、その脚本家にとっては手っ取り早く名を上げられ、監督としても安上がりに製作できて一石二鳥の手段だったと言える。
背景はこのくらいとしてストーリーはと言えば、さすがに前作ほどのキレはないが、どんでん返しよりも手堅い展開や綺麗なオチの付け方に重点を置き、期待はそれほど裏切らないものとなっている。
……もっとも前作のような知的ゲームの妙味は影を潜め、なにかと言うと「ファッキン」を頭に付けてしゃべる脳筋の連中が(「そのファッキンドアをファッキン鍵で開けなさいよ!」は笑った)いっこうに謎を解こうとせず無闇に特攻しては無駄死にしていく様は、かなりのファンを手放してしまったようだが……。


評価:★★★ 6
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映画感想―『ベッドタイム・ストーリー』

2010年01月21日 | 映画感想

~あらすじ~
独身中年のスキーターは、幼い甥と姪を寝かしつけるためにオリジナルのおとぎ話を語って聞かせる。もちろん主人公は自分自身。気に入った子供たちが話に割り込み、ストーリーを引っかき回すと、おとぎ話が不思議なかたちで現実に起こり始めた。


~感想~
実にディズニー映画らしい作品。荒唐無稽な設定をうまく活かし、童話ならばただ純粋で真面目なだけな性格に描くだろう主人公に、お調子者の軽い男を配し、きわめてテンポの良い物語に仕上げて見せた。
問答無用のハッピーエンドになるのは当然ながらも、ほとんど無敵の万能な魔法でたどり着けるのは夢の一歩手前まで、結局最後に夢をかなえるのは自分の力だという教育的な(?)配慮も示し、隙が見当たらない。
まさしく大人から子供まで万人が楽しめる娯楽作品である。


評価:★★★ 6
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映画感想―『ノロイ』

2010年01月15日 | 映画感想

~あらすじと感想~
ホラー映画に新機軸を取り入れた意欲作。
この作品はさる失踪したオカルトライターが残したビデオ映像を編集したものである――という体裁で、ノンフィクションを装っているのだが、それが非常に徹底しており、たとえばそのライターと著作の出版社のサイトを実際に用意し、ライターの日記には本編の内容に即した取材記録が書かれている、という念の入れよう。
キャストも劇団員や無名のアイドルなどで固め、実にそれ(うさんくさい心霊ビデオ)っぽい演出がなされている。しかも公開当時はフィクションであることは伏せられ、実録ビデオであるからエンディングではスタッフロールも流れず唐突に幕を閉じるという構成で、観客の度肝を抜いたという。
当時は、といったが現在でもこれはフィクションだとは誰も明言しておらず、オカルトライターらを演じた劇団員らがいまも存命であるといった傍証から「実話ではない」と推測されるだけに留まっており、あくまでも真相は隠されたままなのだ。いやはや面白い趣向を考えたものである。
ちなみにストーリーも閉村の因習を巧みに仕込んだ、実に雰囲気のあるもので、ときおり指摘されるとおりまるで「ひぐらしのなく頃に」のアナザーストーリーといったおもむきで、もし雛見沢ダムが建設されていたらこんな外伝が起こっていたやも……と思わせ、そういった側面からも楽しめるだろう。


評価:★★★☆ 7
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映画感想―『ドラゴン・キングダム』

2010年01月07日 | 映画感想

~あらすじ~
カンフーオタクの気弱な青年ジェイソンはギャングに脅され、なじみの質屋を襲撃する羽目に。そしてギャングの凶弾に倒れた老主人から、元の持ち主へ返すようにと金色の棒を託される。しかし、ジェイソンもギャングに追い詰められ、その棒を持ったままビルの屋上から転落してしまう。やがて目を覚ますと、彼は時空を越えて古代の中国に行き着いていた。


~感想~
ジャッキー・チェンとジェット・リーが初競演というだけでファンは必見。チェンは酔拳、リーは小林拳法という確信犯的にベッタベタな役柄で、ストーリーも数多くの武侠映画や神話を織り交ぜた、これまたベッタベタながらも、むしろそれでこそと思わせる豪華さ。二大スターを使うならば、ベッタベタでこそしかるべきなのだ。『リーグ・オブ・レジェンド』や『ヴァン・ヘルシング』など物語の枠を超えた競演はハリウッドでも近年ちらほら見受けられるが、元をたどればカンフー映画が源流だろう。
ぶっちゃけ、二人の競演以外の、ヘタレ主人公(しかもこいつカンフーオタクって設定なのに酔拳すら知らない)の成長とか孫悟空の妖術とか、それ以前にストーリーとかはどうでもよいのだが、たぶん大半の観客もそのへんは一切気にしないだろうから無問題。チェンとリーの直接対決もきちんと用意されているので、二人の活躍を眺められればそれでよし。
欲を言えば……全盛期とまではいかなくてもあと10年早く観たかった!


評価:★★★☆ 7
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映画感想―『ショーン・オブ・ザ・デッド』

2010年01月06日 | 映画感想

~あらすじ~
ロンドンに暮らすショーンは、親友のエドとパブに入り浸るばかりの冴えない毎日を送っていた。そんな彼に長年の恋人リズもついに愛想を尽かしてしまう。このままではいけないと自覚したショーンは、リズとよりを戻すため、これまでのだらしない生活を改めようと決意する。ところが、ショーンが恋人のことで頭がいっぱいになっている間に、街にはゾンビがあふれ、人々を次々と襲っていたのだった。


~感想~
あの『ホットファズ』の監督と主要キャストによるゾンビ映画。こちらも『ゾンビーノ』と同じくプロット自体はいたって普通のゾンビ映画なのだが、たった2つの要素を付け足すことで、誰も見たことのない映画に変貌している。
その要素とは「史上最弱のゾンビ」と「主人公がバカ」の2つである。
まずゾンビは非常に動きがとろく、相当接近しないと攻撃されないのは当然として、バットや傘はもちろん投げたレコードでもダメージが入る有様。そして主人公はといえば、そのレコードを投げる際に「それは大事なレコードだから投げるな!」とか「それは投げていい」と吟味してしまう能天気さ。
世界が滅亡の危機にひんしても「パブに逃げ込めば酒飲み放題」と遊ぶことしか考えず、QUEENの曲にあわせノリノリでゾンビをしばいたりと最高のバカさ加減。
『28日後…』シリーズでもつくづく思ったが、イギリス人はひょっとしてアメリカ人よりバカなんじゃなかろうかとの思いを強くした。


評価:★★☆ 5
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