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小金沢ライブラリー

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映画感想―『チェンジリング』

2010年04月03日 | 映画感想

~あらすじ~
1928年。ロサンゼルスの郊外で暮らすシングルマザーのクリスティン。だがある日突然、家で留守番をしていた9歳のウォルターが失踪。
誘拐か家出かわからないまま行方不明の状態が続き、そして五ヶ月後。警察から息子が発見されたとの朗報を聞き駆けつけると、そこにはウォルターだと名乗る息子とは似ても似つかない少年が待っていた。


~感想~
実話をもとにしたのはいいが、展開まで現実をトレースするようにゆったりと流れてしまい、長すぎる上映時間とあいまって、どうしてもだれてしまう。
実話だけに意外性や超展開を求めるのは酷で、事件後は予想の範疇を出ないストーリーが最後まで描かれ、結末にちょっといい話で締める頃には飽きが来てしまった。
こういう映画をあまり楽しめない自分は、やはり良い映画ファンではないのだろうなあ。


評価:★★ 4
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映画感想―『CUBE』

2010年04月02日 | 映画感想

~あらすじ~
謎めいた立方体の部屋へ閉じ込められた職業も性格も違う6人の男女が、死と隣り合わせの脱出劇を繰り広げる。


~感想~
パズル映画(?)の金字塔として知られる作品。
低予算ながらそれを全く感じさせない、考えられた構成で、飽きずに最後まで観られるだろう。
しかし噂ほどではないというか、トリックや知的ゲームの妙味といったものは薄く、後半からのあるキャラの暴走からパニック映画に転じる展開も難点で、投げっぱなしのラストもいまいち。期待しすぎて観てはいけなかった。


評価:★★★ 6
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映画感想―『007慰めの報酬』

2010年03月30日 | 映画感想

~あらすじ~
初めて愛した女・ヴェスパーを失ったジェームズ・ボンドは、事件の黒幕の存在を知る。
ハイチへと飛び、ボリビアの政府転覆と天然資源の支配を目論むグリーンに接触したボンドは復讐心を胸に秘めながら、グリーンの計画阻止に動くが……。


~感想~
前作のラストシーンからそのまま始まるという異例の構成で、伏線やストーリー展開、ボンドの心理の揺れ動きまでも、ほとんどが前作に任されているので、説明臭いシーンがほとんどなく、アクションにアクションをたたみかけるノンストップ・ムービーになっている。ひょっとして前・後編だったのか。
これが2作目となるダニエル・クレイグ演じる新ボンドは、スパイとして新米なだけあり、後先考えずに体力勝負で獲物を追うキャラだけに、この大胆な構成は正解だろう。
また、悪・即・斬と言わんばかりの出会った敵は皆殺しの、ぜんぜんスマートじゃないボンド像も新鮮で、007というブランドによりかからない、脚本の攻めの姿勢が楽しい限り。これはこの先もいいシリーズになるんじゃないだろうか。


評価:★★★ 6
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映画感想―『ナイトミュージアム2』

2010年03月28日 | 映画感想

~あらすじ~
ニューヨークの自然史博物館の元警備員のラリーに電話が入る。
ワシントンにある世界最大の博物館スミソニアンの倉庫に移送された展示物たちが、不思議な力をもつ“魔法の石板”により生き返ってしまったというのだ。
ラリーはあわててワシントンに飛んだが、古代エジプト王がよみがえると、ナポレオンやマフィアを従え世界征服に向けて大暴走!
ラリーは伝説の女性パイロット・アメリアやリンカーン、アインシュタインを味方につけ、仲間とともに立ち上がる。


~感想~
まず前作ありきで、いろいろな基本設定が説明されないため、前作から先に観なければいけないことは大前提。
ストーリーはディズニー映画らしい安定感で、大人から子供まで、年齢・国籍を問わず楽しめることは言うまでもない。
1を観ていて悪い思い出がないならば、観て損をしないことは保証できるだろう。


評価:★★☆ 5
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映画感想―『スラムドッグ$ミリオネア』

2010年03月26日 | 映画感想

~あらすじ~
運ではなく、運命だった。アジア最大のスラム街・ムンバイで育った少年ジャマールは、世界的人気番組「クイズ$ミリオネア」にて一夜にして億万長者のチャンスを掴む。
だが、無学な彼は不正の疑いをかけられ、警察に連行され、尋問を受けることになってしまう。
彼は一体どうやって答えを知りえたのか? そして、彼がミリオネアに挑戦した本当の理由とは?


~感想~
細けえことはいいんだよ、と言わんばかりに多少の粗は置き去りにして、最後まで突っ走る、いたって正しい娯楽映画。アカデミー賞は伊達ではない。
なぜ都合よく経験したことばかり出題されるのかとか、見え見えの死亡フラグとか、強引なハッピーエンドとか、スタッフロールの全員ダンスとかにいちいち目くじら立てるのは馬鹿のやること。
スラムに生きる少年の過酷な人生と、日本人にもなじみ深いミリオネアの場面とが交互に挿入される構成が、下手すると説教臭くなったり、地味で退屈になりがちなストーリーを盛り上げ、飽きさせない造りになっている。
アメリカ版みのもんたの怪演もすばらしく、万人に広く勧められる良作である。


評価:★★★☆ 7
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映画感想―『ターミネーター4』

2010年03月25日 | 映画感想

~あらすじ~
スカイネットの叛乱により崩壊した未来世界。抵抗軍の指導者であるジョン・コナーは、一人の少年を探していた。
彼の名はカイル・リース。過去に送り込まれジョンの父親となるはずの人物である。しかしカイルはスカイネットに襲われ、拉致されてしまう。抵抗軍に助けられた謎の男マーカスは、スカイネット侵入の手引きをするが……。


~感想~
あちこちで言われている通り、もうターミネーターでもなんでもない物語になってしまった。
3をほぼ無かったことにして作り直したのだが、3どころか2も1も顧みないような内容で、まず主人公からして、あの若くしてドラッグでもやってそうなうらぶれたジョン・コナーはどこに行ったと言いたくなるような、スーパーマン役までやったたくましいクリスチャン・ベール兄貴に配役が変更されているのががっかりの1つ目。
さらに物語を動かすのもジョンではなく、新キャラの謎めいた兄貴と戦闘機乗りの女であり、だったらジョンと嫁でいいじゃないかという疑問が始終つきまとってしまうのもがっかり。(ちなみに嫁はほとんどストーリーに絡まない)
ターミネーター要素を極限まで削ぎ落としておきながら、ラスボスは旧型だったはずの知事であるのも逆にがっかりで、ロボットと人間の世紀末戦争に知事がゲスト参戦といった雰囲気がただよってしまう。
ターミネーターの続編でなければ、それなりに楽しめたのだろうが、続編であることが足を引っ張ってしまった、総じて残念な作品である。


評価:★★☆ 5
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映画感想―『ザ・ロック』

2010年03月24日 | 映画感想

~あらすじ~
かつて脱獄不能とうたわれたアルカトラズ島に、テロリスト軍団が観光客を人質に立てこもった。
タイム・リミットは40時間。FBIは化学兵器のスペシャリストと、33年前アルカトラズ島を脱獄したという男を「ザ・ロック」と呼ばれる鉄壁の要塞へと送り込む。


~感想~
いま改めて見るとマイケル・ベイ作品以外の何者でもないなこれは。
ショーン・コネリーとニコラス・ケイジという、知的なサスペンスもこなせる名優2人を集めて、いちおう脱獄犯と天才技師というギミックを持たせておきながら、要するに「アルカトラズでコマンドー」になってしまうのがベイクオリティ。 しばらく時間をおくと、この映画と『アルティメット(鳥人アクション映画)』のストーリーが一緒になって区別がつかなくなるレベルで、「知的な駆け引きとか盛り込みたかったけどめんどくせーから全部ぶっ飛ばしちまえYeahhhhhh!」というベイの心の叫びが聞こえてくるようだ。
なんの間違いか20世紀を代表するアクション映画のひとつにかぞえられることすらあるが、単なるベイ映画なので取り扱いにはご注意を。


評価:★★★☆ 7
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映画感想―『ハリー・ポッターと謎のプリンス』

2010年03月23日 | 映画感想

~あらすじ~
シリーズ第6作目。魔法学校の6年生となったハリー・ポッターたちが、史上最悪の魔法使いと恐れられるヴォルデモートとの対決に備え、ヴォルデモートの過去と弱点に迫る一年間を描く。


~感想~
回を重ねるごとにつまらなくなっていくシリーズだが、これは退屈さではナンバーワンだろう。
広げた風呂敷をたたむことだけに懸命で、初期の頃のようなファンタジックな魅力や、魔法世界の楽しさはどこにも見当たらず、善と悪の単純な戦いに落ちてしまい、見どころが少ない。
物語が佳境になるにつれ主要キャラもばんばん死んでいき、雰囲気が暗くなるのも困ったもので、もうこのシリーズを、本来のターゲットであるはずの子供は純粋に楽しめないんじゃなかろうか。
またこのシリーズの副題はストーリー的にどうでもいいものが選ばれがちだが、今回の謎のプリンスは一見重要そうに見えて、実は炎のゴブレット並にどうでもいいものであったりする。
ここまで観てしまったからには最後まで付き合うが、もう期待は全く持てないな……。


評価:☆ 1
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映画感想―『放送禁止2 ある呪われた大家族』

2010年03月14日 | 映画感想

~あらすじ~
ごく普通の大家族に、怪我や事故が相次ぐという奇妙な出来事が起こる。謎めいた心霊写真がすべての原因と考えられるが……。


~感想~
前作の真相にたどりついた視聴者(笑)が思ったよりも少なかったため、難易度を落として制作した第二弾。
なんでも8割の視聴者(爆)が真相を見抜けるように作ったそうなのだが、もう馬鹿にしているとしか思えないほどわかりやすい仕様で、わかりやすいどころかラストシーンで不自然極まりないカットで真相そのものを明示しているのだが、これで8割とは視聴者(核爆)をなめすぎではなかろうか。
……と言ってみたものの、ここからは余談になるが、以前にmixiニュースで、いいともにも出演していた書道家の森先生がブログで、読者から投稿された習字に朱を入れるという企画をやっていたのだが、そこに悪戯で別の著名な書道家の作品を投稿したバカがおり、森先生は気づかずに朱を入れてダメ出ししてしまった……というものが紹介されたのだが、その記事に対するコメントのおよそ8割が「同じ書道家の作品を批判するなんて酷い」という全く的はずれなもので、一般層の読解力のなさに唖然とさせられたものだが、もしかしてこの作品の真相にたどりつけるのも(こんだけわかりやすくしているにも関わらず)本当に8割なのかもしれない、と思ったり。

あ、作品自体の感想としては、糞ほどわかりやす過ぎて、もうシリーズを追う意欲もなくしてしまったが、豊富な伏線と過剰な演出はなかなか面白かった。
ラストの答え合わせさえなければ、随分印象は変わったと思う。


評価:★★ 4
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映画感想―『放送禁止』

2010年03月13日 | 映画感想

~あらすじ~
幽霊が出ると噂の廃ビルに侵入した大学生4人だが、突然ひとりがいなくなったことに気づく。残された3人もひとりまたひとりと失踪し……。


~感想~
本作はフジテレビ深夜枠で、フェイク・ドキュメンタリーとして放送され、真相を明示しない破格の構成で話題を呼んだドラマである。
以前に紹介した『ノロイ』とは異なり、番組の最後にフィクションだと断っているものの、一般的な注意力を持たない視聴者から問い合わせが殺到したそうだが、問い合わせるまでもなく、演技も展開も見るからにドラマ的で、真相も期待していたような意外性はなく、普通に観ていれば普通に気づくようなレベルである。
ただし真相につながる伏線はなかなか豊富で、鑑賞後に検証サイトを調べると、改めて確かめたくなることだろう。1時間にも満たない短尺の作品なので、一見の価値はあるかも。


評価:★★☆ 5
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