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小金沢ライブラリー

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映画感想―『デッドコースター』

2010年05月16日 | 映画感想

~あらすじ~
ハイウェイで起きた突然の連鎖事故。トラックに積まれた巨木が崩れ落ちたのを機に、ハイウェイは一瞬にして地獄と化した。
しかし“予知夢”により事故を回避した8人も、死の運命に直面することとなる。


~感想~
『ファイナルデスティネーション』の続編。
せっかくいいオチを付けた前作を引き継いでしまったが、前作をそれなりにうまいこと踏まえて、新たな展開を作り出すことには成功している。
前作よりもピタゴラ装置をうまく活かしていて、来るぞ来るぞと思っていた場面であえて仕掛けを発動させず、気を抜いたところで罠を仕掛けるずらし方がうまく、どんなピタゴラ装置かという楽しみと、いつどのタイミングで死ぬのかという黒い面白さがあるのだ。
前作ほどきれいな着地ではないが、納得できるオチも備えて、続編としての役割を十分にこなした佳作である。


評価:★★★☆ 7
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映画感想―『ファイナルデスティネーション』

2010年05月15日 | 映画感想

~あらすじ~
自分が乗った飛行機が爆発する夢を見たアレックス。はたして夢の通り飛行機は爆発し乗客は全員死亡した。
それ以来、生き残った彼とクラスメイト6人の身に次々と理不尽な“死”が襲いかかる。


~感想~
「深夜に目が覚め、なんとなくテレビを点けたら最後まで観ちまったぜ」とうちの親父が興奮気味におすすめしてくれたこの映画、分類するならばホラーなのだが、何ホラーかと言われると実に説明しづらい作品である。
というのも、主人公たちが立ち向かうのは殺人鬼やモンスターではなく「運命」であり、小さな偶然が積もり積もって訪れる、必然的な死が敵なのだ。
この死を招く仕掛けが秀逸で、早い話がピタゴラスイッチさながらに、部屋中の小物が連鎖反応を起こして大事故を招くというもので、「次はどんなピタゴラ装置で死ぬんだろう」とだんだん楽しくなってくる。
オチもきれいに決まり、親父が興奮するのも納得の良作である。
……が、かなりグロい描写も多々あるので、人によっては要注意。


評価:★★★★ 8
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映画感想―『ウォッチメン』

2010年05月14日 | 映画感想

~あらすじ~
世界を揺るがす事件の陰には“監視者”がいた。ウォッチメンと呼ばれた彼らが今、次々と消されていく。
闇に隠された想像を絶する巨大な陰謀。真実の先に待ち受けるものとは。


~感想~
あらすじがわかりづらいので要約すると、アメコミヒーローが実在する世界で、ヒーローの活動停止が発令され、ヒーローたちの組織が解体されてから数年後、何者かにより元ヒーローが殺害された――というものである。
こう書くと痛快アクションものを想像しがちだが、全くそんなことはなくハードボイルド気味な世界観で、「もしヒーローが実在したら」というIFストーリーを現実に溶け込ませ、社会派気味で重厚気味な映画となっている。
「気味」と何度も念を押したのは、一口で言い表せない猥雑な雰囲気がただよい、別に見たくないヒーロー同士の濃厚な濡れ場だの、全裸の巨大ヒーローが破壊光線でベトコンを殺戮するわくわくベトナム戦争などの描写が、ちゃんと描けばヒーローの光と闇を描いたダークな作品に仕上がったはずの映画を、一気にB級作品にまで引き下げてしまっているのだ。
上映時間も3時間強と必要以上に長く、他ではそうそう観られない題材だけに興味は引くが、観る人を選ぶ惜しい作品である。


評価:★★ 4
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映画感想―『ハンコック』

2010年05月13日 | 映画感想

~あらすじ~
超人パワーで悪を退治するハンコック。不死身のスーパーヒーローの彼だが、コントロールのきかない超人パワーのせいで事件解決の度に街を破壊、いつしか嫌われ者になっていた。
しかし本人は全く反省する気もなく、酒臭い息を吐きながら市民に悪態をついている。
そんな時に出会ったPR会社で働くレイとその家族がハンコックを変えていく。


~感想~
やさぐれた風体で超人パワーを持て余し、人々に嫌われている飲んだくれのスーパーヒーローという、十二分においしい設定だけで満足できなかったのか、暴走した(?)脚本が中盤から期待しない方角へと向かってしまうのがなんとも惜しい作品。
酒ビン片手に普段着で空を飛ぶ冴えないヒーローという絵面、ふとしたはずみに得た協力者の手を借り更生の道へと進むというストーリーが面白かっただけに、ぶっ飛んだ話の転換がどうしても失策、蛇足に思えてならなかった。


評価:★☆ 3
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映画感想―『ハムナプトラ2』

2010年05月12日 | 映画感想

~あらすじ~
死者の都ハムナプトラから生還したリックとイヴリンはめでたく結婚し、ふたりの間に生まれた息子アレックスと共にエジプトを訪れた。
そこでアレックスは謎の黄金の腕輪を見つけたが、それをはめたまま何者かに誘拐されてしまう。


~感想~
前作から8年後、主人公とヒロインの間に子供も生まれた続編。
アヌビスの腕輪を軸に、たいへんわかりやすいストーリーが展開され、なにも考える必要なく観られる、いたって正しい娯楽作品。
展開の先の先まで予想でき、一つも裏切らない有様だが、こういうエンタテインメントはいつ観ても楽しいし、いくらあっても困るものではない。
あえて借りたり買ったりしてまで観る必要はないが、放送していれば観て損はするはずがない作品である。ロック様の扱いはあんまりだけど。


評価:★★☆ 5
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映画感想―『バックトゥザフューチャー』

2010年05月09日 | 映画感想

~あらすじ~
親友の科学者ドクの発明したタイムマシンで、30年前にタイムスリップしてしまった高校生のマーティ。
彼はそこで自分の両親になるはずのロレーンとジョージに出会う。だが、内気なジョージは彼女に告白できないまま、乱暴者のビフにこき使われる毎日。
しかも、ロレーンがマーティのほうに恋をしてしまい……。


~感想~ 映画好きを名乗っている癖に実は初見なのだが、あまりの面白さにぶったまげた。時間SFの魅力にあふれ、考えうる限りのアイデアを詰め込んだ大傑作――などとこんな超有名作をいまさら持ち上げてもしかたない。
面白い映画とはこういうものだ!ということを堪能させていただいた。
さすがwikiに「感想サイトなどでナンバーワンに挙げる者も多い」と思いっきり主観で書かれているのに「要出典」と付されないだけはある。
今まで観た映画の中でも余裕で五本の指に入る逸品でした。


評価:★★★★★ 10
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映画感想―『20世紀少年 第1章 終わりの始まり』

2010年05月08日 | 映画感想

~あらすじ~
1969年。少年ケンヂは、地球滅亡を企む悪の組織に立ち向かう正義のヒーローを夢見て、仲間たちと「よげんの書」を作り上げた。
そこに描かれたのは、現実には起こりえない“未来”のはずだった。

1997年。
大人になったケンヂの周りで、幼なじみの死をきっかけに次々と不可解な事件が起こり始める。時を同じくして、世界各国では謎の伝染病による大量死が相次ぐ。これらの事件はすべて、かつてケンヂたちが作った「よげんの書」のシナリオ通りに起こっていた。
そして2000年12月31日。「よげんの書」に書かれた人類が滅亡するその日が訪れる……。


~感想~
原作は世紀末救世主伝説になったあたりで投げ出してしまったが(のちに読了はしたが後半の失速ぶりは壮絶なものだった)、この実写第一作は原作の文句なしに面白かった部分までが描かれているので、そうそう外すことはない。
配役も絶妙で、とにかくビジュアル的に似ている人を選んだとしか思えない様子で、原作のイメージを損なわないのだが、なぜか主人公のケンジだけはさっぱり似ていないという片手落ち具合が惜しい。
全体としてはよく2時間にまとめ上げたとは感心するが、ラストシーンが脈絡もなしに第二作へのプロローグにつながってしまい、原作を読んでいないと何がどうなったのか理解できないだろう。
あれは単純に原作の趣向をそのまま踏襲すればよかったと思うのだが。


評価:★★☆ 5
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映画感想―『呪怨 黒い少女』

2010年05月02日 | 映画感想

~あらすじ~
マッハ貫手!


~感想~
怖さも構成もバカ度も『白い老女』に及ばず。
ホラーとしては「黒塗りの少女がたまに出てくるよ」くらいのレベルなので、まず基本的に全く怖くない。
いちおうバラバラにした時系列を最後にまとめ上げてみせた『白い老女』と比べると脚本も適当で、個々のエピソードのつながりも薄く、60分という分量ですら退屈させてしまう始末。
バカ映画としても見所は「マッハ貫手!」くらいしか無いので本当に語るべきことがない。
若いのにやさぐれてうらぶれた雰囲気が漂う加護ちゃんの演技だけは見ものだが、たぶんあれは演技ではなく素で醸し出してる雰囲気だしな。


評価:問題外
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映画感想―『呪怨 白い老女』

2010年04月12日 | 映画感想

~あらすじ~
ディーフェンス! ディーフェンス! しょーほく! しょーほく!


~感想~
「呪いつづけて、10周年」のアホなコピーにふさわしい、呪怨らしいある種、頭の悪いホラーに仕上がっている。
バカ映画なので遠慮なくネタバレしていくと、まずバスケ老女。白塗りムンク顔の老女がバスケットボールを抱えてちょこちょこ走り寄ってくるというキャラで、出てくるたびに爆笑を誘われること請け合い。なぜバスケットボールかという説明は作中に一切ないのだが、これがもし手鞠だったらもうちょっと怖かったろうにと思えてならない。
バラバラになった時系列が最後まで観ると一つにまとまるのを褒める心の広いレビュアーも多いが、冷静に思い返してみると、まさにそのバスケ老女の部分で時系列的に説明の付かない点が出てくるのも(おそらくは意図的にやったのだろうが)マイナス要素。順序立ててきちんとまとめるのならば、むしろ正確にすべきであった。

整合性が無いといえば、呪怨名物の「関わったものは皆殺し」テイストも徹底していなくて、今回は温和になったのか目こぼしが多すぎる。こっくりさんで少女の霊を呼び出した三人のうち、一人は殺して(?)おきながら、同じ立場のもう一人には全くのノータッチ。残る旧友のアッキーナには心温まる恩返しだ。売り出し中のアッキーナを呪い殺させるわけには行かないと事務所の圧力が働いたのかと勘ぐってしまう。
そのくせただ殺人犯が利用しただけのタクシー運転手とか、ケーキの配達員の恋人など関連の薄い人間は殺すのだから、まとまりに欠ける。そりゃ説明がつかないのがホラーだけども。

そして極めつけは連続殺人で、殺人鬼と化した男の叔母(? これも作中で無駄に説明されないのでいまいち関係性がはっきりしない)が床に軽く叩きつけられ、髪をつかんで引きずられただけなのに瀕死のダメージを負っていて、浴槽に放り込まれようが灯油をかけられようが「痛いー痛いー」となぜか無抵抗。それなのに火をつけられると今度は「熱いー熱いー」と苦情を訴えるだけで、主に毛根にしかダメージを受けていないのに全く浴槽から逃げ出そうとしない、異常な熱耐性を披露しながらもそのまま焼け死ぬというコントを見せられ、笑い死にしそうになった。

冒頭の不穏な空気を漂わせた屋敷の描写なんかは非常にすばらしく、引きつけられたのだが、後半になるにつれバカ度が加速していったのが残念。だいたい首を切られた少女はともかく、あの老女は化けて出るほど別に怨んでないと思うんだ。
呪怨シリーズをモンスターパニック映画として観ている僕のような人種はいいが、真面目に怖いもの見たさで鑑賞すべきではないだろう。

あと犬のおもちゃと鳴きまね対決をするためだけに、白塗りでパンツ一丁になった俊雄くんにはいろいろと同情したい。


評価:0 なし
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映画感想―『ゲーム』

2010年04月04日 | 映画感想

~あらすじ~
巨万の冨を持ちながら、満たされない私生活を送る富豪の社長。誕生日を迎えた日、音信不通だった弟が現れ、お祝いにあるゲームに参加できるというカードをプレゼントされる。
半信半疑でゲームに参加した彼だったが、次々と奇妙な事件に見舞われる。やがて現実と虚構の世界の狭間で、彼の精神的なバランスは崩れていくのだった。


~感想~
これは感想を書くべきではなく、興味があるなら観てもらうのが一番。
この映画について事前になにか情報を得ていても、それでも十分に楽しませてくれることは間違いない。
一から十まで無茶なのは確かだが、映画でしか描けない、実に面白い物語である。豪華版世にも奇妙な物語とか言うな。


評価:★★★☆ 7
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