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小金沢ライブラリー

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映画感想―『ランボー4 最後の戦場』

2010年07月18日 | 映画感想

~あらすじ~
アメリカを離れ、タイ北部で暮らしていたランボー。ある日、内戦の続く隣国ミャンマーへ向かう支援団を助けた彼だったが……。


~感想~
映画としては最悪の部類に入るだろうが、激しいアクションだけは観ていて爽快。ランボーってこんなシリーズだったっけ?
とにかくストーリーのどうでもよさが芸術の域に達していて、敵は民間人をゲーム感覚で虐殺するわかりやすすぎる悪党。
ヒロインはランボーを戦場に導くための単なる案内役で、なんら行動を起こしやしない。
肝心のアクションはと言えば、ランボーとともに戦う人々は銃弾の中に身をさらして決死の戦いをくり広げるのに、ランボーは巨大な弾除けの付いたガトリングガンをあやつり、安全圏から一方的に敵を撃ち殺すだけのガンシューティングゲーム状態。
その銃弾の威力がハンパなく、貫通するどころか次々と手足を吹っ飛ばし、腹に当たれば風穴を開け、頭に当たれば消し飛ぶほどの、ほとんどレーザー兵器ばり。
大量の兵員を積んだ装甲車や船もあっという間に木っ端微塵にし、このあたりになるとボーナスゲームの雰囲気まで漂ってしまう。
並のスプラッタ映画を上回るグロい死に様と、どう考えても敵味方関係なく、動くものを片っ端から肉塊に変えていくランボーの無敵っぷりにだんだんと笑いが込み上げてくる。
90分足らずの異様に短い上映時間もあり、あっという間に観終わるので、グロ描写が大丈夫な方は観ても損はしないのでは。


評価:★★ 4
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映画感想―『チョコレート・ファイター』

2010年06月21日 | 映画感想

~あらすじ?~
『マッハ!』監督作!この蹴りに世界がひれ伏す!!!史上最強美少女誕生!スタントなし!アドレナリン爆裂のノンストップ生傷アクション!
※コピペ


~感想~
スタントなしワイヤーなしCGなしでトニー・ジャーが演じた「マッハ!!!!!!!」の血を引く作品だが、今回の主人公はか細い少女。ムエタイの達人であるトニー・ジャーでさえ生傷の絶えなかった過酷な映画に、女の子が挑んで無事で済むのか、トニー・ジャーに負けないバトルを見せられるのかと心配してしまうところだが、まったくの杞憂であった。
むしろトニー・ジャーをも上回る暴れっぷりで、ハードヒットする打撃や、一歩間違えば重傷を負う激しいアクションが目白押し。
特にラストは、なにもそんな狭くて高いところでやらなくても……と引いてしまうほどの危険地帯での高速バトルで、女だからとか華奢だからとか、そんなことは戦いとは無関係だとまざまざと思い知らせてくれる。
少女が強い理由を「そういう病気だから」の一言で済ませているのはあんまりだし、他に方法がなかったのかと思うが、「マッハ!!!!!!!」のファンが見逃す手はない。

あとクランクアップから一年半後に「やっぱり阿部ちゃんのチャンバラが欲しい」と言われ喜んでタイに出向いた阿部寛は漢だと思う。


評価:★★★☆ 7
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映画感想―『ダイアナの選択』

2010年06月19日 | 映画感想

~あらすじ~
17歳のダイアナと親友のモーリーンは、ハイスクール銃乱射事件の犯人に「どちらか一人を殺す」と究極の選択を迫られる。
その悲劇から15年。事件の記憶にさいなまれ、罪悪感に苦しみながらも懸命に夢に向かって歩んできたダイアナ。優しい夫。利発的な娘。やり甲斐のある仕事。
ダイアナは理想の人生を手に入れたはずだった。17歳のダイアナと32歳のダイアナ。二人の人生が交差した時、衝撃の事実が明かされる。


~感想~
冒頭の事件から一気に時間が飛び、はたしてダイアナの選択はいかなるものだったのかわからないまま物語は進んでいく。
普通に考えればその選択とは「親友を犠牲にし自分は生き延びた」ものだと思われるが、こういった趣向の映画なのだから、当然そんな単純にはいかないだろうと期待してしまう。
それではどんな選択だったのかと推理しながら見続け、そして終盤ついに明かされた真実の「ダイアナの選択」とは――。

その「選択」の意外さはもちろんのこと、定石通りに冒頭からもう一度ストーリーがくり返されるや、あからさまに張られていた伏線にも驚いた。
予想の一歩前、それも斜め上を行く「ダイアナの選択」は一見の価値あり。これは面白い映画である。


評価:★★★☆ 7
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映画感想―『K-20 怪人二十面相・伝』

2010年06月17日 | 映画感想

~あらすじ~
19世紀から続く華族制度により貧富が二極化する帝都。そんな中、富裕層のみをターゲットとするK-20と呼ばれる≪怪人二十面相≫が世間を騒がせていた。
二十面相の罠にはまった曲芸師の平吉は、二十面相に狙われた令嬢の羽柴葉子と、その婚約者であり探偵の明智小五郎と共に、二十面相との戦いを決意する。


~感想~
これは久々に面白い邦画アクションではなかろうか。
怪人二十面相が暗躍する帝都を舞台に、金城武が派手なワイヤーアクションを見せるのだが、帝都の雰囲気もアクションとしてのテンポの良さも充分で、邦画にありがちなたるむ場面がほとんどない。
金城武の名を聞くと「レッドクリフ」での雰囲気抜群の諸葛孔明を経た今でさえどうしてもゲーム「鬼武者」での棒読みっぷりを思い出してしまうのだが、だいぶ日本語が不自由ではなくなったようで、棒読みっぷりもときどきしか顔をのぞかせないのもいいところ。
娯楽作品として非常に楽しい映画でした。なんだ日本もこういうの作れんじゃんか。


評価:★★★☆ 7
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映画感想―『GOEMON』

2010年06月16日 | 映画感想

~あらすじ~
天下統一を成し遂げた豊臣政権真っ只中の世。平安は訪れたものの庶民は困窮し、それを見かねた大泥棒・石川五右衛門は盗んだ金品を貧しい人に分け与えていた。
しかし五右衛門は豊臣政権を根底から揺るがす秘密を握ってしまい……。


~感想~
脚本は酷いがアクション映画としてはまずまずの作品。
主人公のGOEMONの人物造形がむちゃくちゃで、中盤以降はゴリ扮する猿飛佐助(あれ猿飛佐助だったんだ!?)が言うとおり「GOEMONがなにを考えてるのかわからない」有様。
無数の天守閣がそびえ立ちロングホーンまで生えてる大阪城など、極彩色で破天荒な、日本はもちろん世界各国の意匠を取り入れた、とにかくケレンに富んだ映像と、ほとんど全編CGで埋め尽くされた派手なアクションはいいのに、それ以外の面は残念な結果になってしまっている。
せっかく大泥棒キャラだったGOEMONが中盤から単なる忍に変わり、最終的には世界平和をうたいながら戦国無双するキラ様状態。変に社会風刺だの取り入れず娯楽に徹していればいいのに……。
またCGも背景はともかく人の動きが意外としょぼくて、人間が演じているシーンとCGで描いたシーンのつなぎ目がはっきりわかるレベルで、ところどころに違和感を覚えてしまうのも惜しいところ。
それにしてもゴリは芸人としては本当につまんねえと思いつつあるが、役者の才能はあるんだな。


評価:★☆ 3
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映画感想―『サロゲート』

2010年06月14日 | 映画感想

~あらすじ~
近未来、“サロゲート”と呼ばれる身代わりロボットが開発され、人類は自宅からサロゲートを遠隔操作するだけで、現実世界に生身の肉体をさらす必要はなくなった。
しかし、起こるはずのない殺人事件が暗雲をもたらす。サロゲートへのダメージが使用者に及ぶとなると、この社会システム全体が破滅してしまう。
捜査を開始したFBI捜査官グリアーは、サロゲートを開発したVSI社に事件の謎を解く鍵があると推理する。


~感想~
設定とあらすじから想像する物語から一歩も出ないが、そういう意味での安定感があるのも確かで、気軽に観ることができる。
とはいえ起伏に乏しいのは致命的で、他の映画と比較して優れた面はほぼ皆無であり、興行的にコケたことも大いにうなずける。
まあ髪がフサフサで肌も妙に若々しく、違和感がすさまじいブルース・ウィリスが観られただけでもよしとすべきか。


評価:★★ 4
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映画感想―『20世紀少年 最終章 ぼくらの旗』

2010年06月13日 | 映画感想

~あらすじ~
2017年。「世界大統領」として君臨する“ともだち”は「8月20日、人類は宇宙人に滅ぼされる。私を信じるものだけが救われる」と説いていた。
一方、“ともだち”の追手から逃れ、身を潜めているかつての仲間たちはそれぞれのやり方で、闘いを続けていた。


~感想~
世紀末救世主伝説なストーリーはおいといて、実際に聞くととても人類に希望を与えられるとは思えないほど相当にアレなケンジの曲や、その曲を口ずさみながら万博会場に集う民衆がともだち教よりよっぽど宗教してるところなんかもおいといて、「俺はこれ以上、人が死ぬところを見たくない!」と叫んだ2分後に目の前で人死にが出たりするあんまりな展開もおいといて、せっかく前作であれだけ活躍したカンナがまるっきり空気なこともおいとくと、もう触れることといえば「劇場版独自のラスト」しかなくなってしまう。

しかしこれが「独自のラスト」などと胸を張って言えるほどの代物ではなく、単に原作24冊分の内容を映画三本に縮めるならこうするだろう、という程度の「工夫」に留まっており、原作よりはだいぶすっきりした形のラストではあるものの、驚くことは一切ないので、期待はしないほうが吉。
やはり原作自体がアレだと実写化しても自ずと限界はあるものである。

原作の文句なしに面白かった部分までの実写化に留め、しかも衝撃のラストをぶち込んだ「デスノート」はやはりすごい作品だったのだなあ。


評価:★★ 4
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映画感想―『20世紀少年 第2章 最後の希望』

2010年06月12日 | 映画感想

~あらすじ~
“血の大みそか”から15年後の西暦2015年。
“ともだち”は世界の救世主と崇められていた。一方、高校生に成長したケンヂの姪・カンナは、“ともだち”の真相に近づいていくが、新たに現れた“しんよげんの書”の存在に、再び翻弄されていく。
「2015ねん、しんじゅくのきょうかいで、きゅうせいしゅは、せいぎのためにたちあがるが、あんさつされてしまうだろう」
救世主とは誰なのか。そして世界の行末は。


~感想~
マンガで読んでても無茶だと思ったことを、実写でやればなおさら無茶だと感じるのは当然。
いくら宗教でも死んだ覆面がよみがえったら中の人が変わったと思うってば。
ストーリーはこの先、落下の一途をたどるので触れないこととして、主役を務めるカンナ役の平愛梨は非常にいい雰囲気を出している。
なんでもオーディションに彼女が現れた途端「カンナが来た!」と騒ぎになったそうで、目力のあるいい女優である。
あれ、見どころはひょっとしてそのくらいかな……。


評価:★★ 4
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映画感想―『バタフライ・エフェクト』

2010年05月21日 | 映画感想

~あらすじ~
7歳のエヴァン少年は、記憶の一部が飛ぶ現象に悩まされていた。
やがて大学生になった彼は治療の一環としてつけていた日記を読み返すうちに時空を越えて、少年の頃の自分に立ち戻ってしまう。
抜け落ちた記憶を埋め直す取り組みを始めた途端、エヴァンとその周囲の人生が大きく狂い始めた……。


~感想~
これは時間SFとしては『バックトゥザフューチャー』に匹敵する大傑作ではなかろうか。
タイトルは「北半球で蝶が羽ばたくと南半球で竜巻が起きる」という、小さなきっかけが思いもよらない大きな現象を引き起こすというバタフライ理論からとられたもので、そのタイトルに恥じないストーリー展開が実に面白い。
主人公は現在の苦境を変えるべく、過去の一場面へと記憶をそのままに舞い戻り、未来を変える細工を施すのだが、その細工がほんの些細な一言であったり、小さな行動・選択であるにも関わらず、現在への大きな変化をもたらすのだ。
(以下あらすじとネタバレ)
そして今作が優れているのが「悲劇的な純愛映画」という側面であり、そもそものタイムスリップをする動機からして、初恋相手のトラウマを自分の不用意な一言で呼び起こし、自殺に追い込んでしまった――というそれ自体が「バタフライ・エフェクト」である。
主人公は見事に彼女のトラウマを退け、彼女と恋人になるという最高の現在を手に入れるのだが、そのトラウマをはねのけた行動が、別の破滅的な未来を招いてしまう。その後も試行錯誤を重ね、ついに「自分が両手足を失っている」以外は全てに破綻がない現在へとたどりつき、とうとう気づいてしまう。自分さえいなければ全てがうまくいっていたのだと。
ラストシーン、恋人を思うが故に、彼女と他人であることを選んだ彼は、街中で偶然彼女とすれ違う。彼女は振り向いて彼の後ろ姿を追うが、それに気づき彼もまた振り返ったとき、彼女は既に背を向け歩き出していた。もしほんの一瞬、振り返るのが早ければ、二人の目は合い、また別の未来が生まれていたのでは……と最後まで「バタフライ・エフェクト」に支配された展開、まさにSF映画でしかなしえない悲劇である。

僕の好みにど真ん中ストライクの、長く心に残る名作であった。


評価:★★★★★ 10
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映画感想―『ファイナルデッドコースター』

2010年05月17日 | 映画感想

~あらすじ~
ハイスクールの卒業イベントが行われる遊園地で、ウェンディはジェットコースターに乗ったとき、コースターが大クラッシュして死者が出るという予知夢を見た。
彼女は錯乱し、友人数人と降りたが、予知夢は現実となり、事故が起きて多勢の人間が死んだ。
友人たちは生き残ったが、ウェンディは遊園地で友人と撮影した写真に不吉な死の影を見てしまう。


~感想~
ファイナルデスティネーションシリーズ第三弾。
三作目ともなるとどうしても予想通りな部分が出てきてしまうが、今回は写真に死に様が暗示されるという新要素を加えて、もはやお家芸の仕掛けのタイミングのずらし方、画面中に這い回る仕掛けの影、写真に隠された手がかりと、シリーズに期待するものを十分に用意できてはいる。
個人的には、SAWシリーズのように延々と続いて欲しいのだが。


評価:★★★ 6
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