黒坂黒太郎コカリナブログ

黒坂黒太郎のコカリナコンサート活動、東日本大震災被災地支援活動など

アイルランド報告 最終回  ダブリン、グラフトンストリート

2014-08-07 16:57:47 | 情報
デリーの町でアイルランドの悲しい歴史に触れた私たちは、いよいよ最後の町、首都ダブリンへ入ってきました。この町での最大の目的は、中心部グラフトンストリートでのストリートコンサート。13年前、初めてアイルランドを訪れたときも、ここでコカリナ演奏を行って大喝采浴びたので、今回も何としてもやらせていただこうと計画しました。このストリートは大道芸やストリートコンサートのメッカ。世界中のミュージシャンが集まって様々な演技を披露してくれます。これはバスキングともよばれるもので、通りのあちこちで行われています。日本でも最近、路上で演奏する若者達が増えていますが、同じストリートパフォーマンスでも何かが違うのです。日本の場合は、そこからメジャーになっていこう、という気持ちが見え見えなのに対し、アイルランドのそれは、「ともかく通りすがりの人に楽しんでもらおう」という演者の熱意に満ちているのです。親子5人で楽団を作ってやっていたり、「マネキン」と呼ばれる「静止パフォーマンス」を6人の男達が一緒に行い、そこに犬まで付いていたり(犬は時々動いていましたが)と。またそれを見守るお客さんの眼差しがあたたかい。私たちも現地の音楽家や芸人の皆さんに混ぜていただきやり始めました。どうせやるならグンと日本人らしくと、浴衣での演奏。その出で立ちが功を奏したのか、お客さんはドンドン集まってくる。そして1曲終わるごとに割れるような拍手がわき起こりました。
さらに、私たちは他のパフォーマーのようにお金をもらうつもりはないので、投げ銭を入れる楽器ケースも、箱も用意していなかったのですが、一人の小学生ぐらいの男の子がコインを持って僕に近づいてきて「このお金どこへ入れたらいいの?」聞くのです。そこまで言ってくれているのにお金をもらわないのも失礼かと思い、何かかないか?と思ったところ、メンバーのMさんがかぶっていた帽子を路上に置いてくれました。その途端、帽子に入るわ入るわ、ものの30分ぐらいの演奏で7000円ほど稼いでしまいました。演奏後の拍手も嬉しいのですが、ジャラジャラとお金が入る音はなんとも嬉しいモノです。これがアイルランドの人たちの、演奏への評価と感謝なのでしょう。でもそのお金は宿泊していたホテルを通じてアイルランドの小児癌の子ども達に全額寄付させていただきました。ともかく日本では決して味わうことができないストリートコンサートの楽しさを満喫させていただき、メンバーは最高の気分でした。そして、このバスキングにこそアイルランド音楽の原点、いや全ての音楽の原点があるのだ、と感じさせれれました。いつかまたアイルランドへ行こう、と思います。そしてブレンダンさんに会ったり、バスキングをしようと思います。先日ブレンダン・グラハムさんからメールが届きました。 そこには「私も、あなたや周美、そしてコカリナアンサンブルの皆さんにお会いでき、本当に楽しい時間を過ごすことが出来ました。心から感謝しています。私もいつか日本にも行きたいです。もしできましたら日本で出版されている「ユー・レイズ・ミーアップ」の楽譜を送ってください。近々、私の新しい曲も送ります。」と書いてありました。今、日本でも沢山出版されている「ユー・レイズ・ミーアップ」の楽譜を買い集めています。 (おわり)
グラフトンストリートにて


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