黒坂黒太郎コカリナブログ

黒坂黒太郎のコカリナコンサート活動、東日本大震災被災地支援活動など

被災地支援コンサートVol.63    長野県茅野市     4月21日

2012-04-24 15:43:35 | 被災地支援
 茅野市(ちのし)は長野県の中央、諏訪湖の西に広がる人口五万人ほどの町。町の中から蓼科山、八ヶ岳連山と美しい山々を望むことができる。それらの山のすそ野には別荘地が広がり、第二の軽井沢とも呼ばれている美しい町。JR茅野駅に隣接した「茅野市民館」のコンサートホールを満席にして被災地支援コンサートがもたれました。このホール、電動可動式の反響調整板まで備えた本格的なコンサートホール。驚きました。そして、スタッフの皆さんの一緒にステージを作ってくださる様々な配慮にも感銘。とても気持ちよく演奏することができました。そして、コカリナサークルがないこの町で主催してくれたのは、5年前まで新潟に在住しコカリナコンサートを何度も作ってくださっていた川鍋啓子さんが町の様々なボランティアで活動されている皆さんに呼びかけて作り上げくださった実行委員会。そのメンバーの皆さんがお知り合いに丁寧に声をかけてコンサートに誘ってくださったとのこと。ホールも素晴らしいのですが、お客さんがステージに向かう集中度は素晴らしいもので、ピアニストの福澤さんは乗りまくっていました。ゲストとして登場してくれたのは1ヶ月前の軽井沢大賀ホールでも大喝采を浴びた「しなのコカリナアンサンブル」の皆さん。大賀ホールときと同じように被災松コカリナで「浜辺の歌」そして交響詩「ふるさと」を50名のメンバーで奏でてくれました。初めてコカリナの生の音を聴く方も多かったのですが、木の音の合奏もまた素晴らしい、と絶賛していただきました。
実行委員の方から素敵な写真を送っていただきましたので差し替えました。


被災地支援コンサートVol.62    長野県長和町     4月15日

2012-04-20 10:49:47 | 被災地支援
長和町は上田市の隣にある山間の町。7年ほど前に長門町と和田村が合併して長和町となった。上田から諏訪に抜ける街道筋にあり、かつての宿場町の名残がある。この町には「学者村」と呼ばれる地区があり、本来は大学教授達のための保養地として売り出されたのだが、今は都会の喧騒を逃れて永住する人たちも多いようだ。そんな「よそ者」と在の人たちの関係が、とてもウマク行っている町、と言われている。今回のコンサートも、実行員のメンバーの半分が「よそもの」そして半分が古くからの町の住民。みんなで力を合わせて被災地支援コンサートを取り組んでくれました。場所は町民センターホール。この日は、昨日までの悪天候がウソのように晴れ上がった最高の天気。窓のカーテンを全て開けていただき、美しい信州の春の山々を眺めながら演奏させていただきました。コンサートの中で和田小学校のコカリナグループが、自分たちの学校を建て替えるときに出た廃材で作ったと言うコカリナで「ふるさと」を吹いてくれました。町長さんも一番前で最後まで聴いてくださりました。終了後お話することができたのですが、この町長さんが僕の高校の同級生の従兄弟であることが判明、盛り上がりました。終了後は、美味しいそばとワインで打ち上げ。この店にも中学の同級生がいてビックリ。再会を喜び合いました。
 実はこの日、コンサートは午後3時からだったのですが、午前中にどうしても行きたいところがありました。 金曜日、児童文学者で編集者の小宮山量平さんがお亡くなりになりました。小宮山先生は故郷上田に住みながら95歳というご高齢にもかかわらず、旺盛に執筆を続けておられました。多くの方を励まされてきた方ですが、僕らも小宮山先生にはいつもいつも励ましてもらいました。日曜日の午後荼毘に付される、とのことだったのですが、ちょうど長和のコンサートだったので、午前中に会いに行くことができました。あまりにもタイミングが良く、小宮山先生が呼んでくれたようにも感じました。 おだやかに笑いながら迎えてくれました。本当に素晴らしい方でした。


陸前高田一本松の前でその3

2012-04-14 00:00:40 | 被災地支援
陸前高田米崎小学校ミニコンサート
 「陸前高田の奇跡の一本松に石巻の松の音を聴いてもらいたい」の思いで、コカリナ愛好家の皆さん28名と一緒に東京からバスで出かけました。東京から約500キロ。バスだと最低8時間はかかる旅です。石巻コカリナの皆さん6名も乗用車で現地に直行、参加してくれました。その中には家が流されてしまった被災者の方もいます。それでも「一本松を励ましたい」と来てくれました。心配だったのは、天気。雨天決行を宣言したものの、数日前の予報は雨。それも大荒れ。現地の新聞社からも取材の申し込みと同時に「普段でももの凄く風の強いところですから気をつけて演奏してください」とご注進。メンバーには「譜面台なんか立てられませんから暗譜してください」とハッパをかけました。そして迎えた当日、現地に着くと薄曇りの穏やかな天気。風は全くない、と言っていいほどの無風状態。現地の方も「こんな日は滅多にない」と、驚かれている。陸前高田に着くとまず市役所に。と言っても町中の市役所は壊滅したため高台に作られたプレハブ2階建ての建物。そこの会議室で迎えてくださったのは企画部の部長さん。メンバー全員を招いてくださり、お話しをしてくださいました。そこで義援金をお渡しし、私たちの質問にも答えてくださいました。それからいざ一本松へ。通行止めになっている道を特別に入れていただきすぐ横まで行くことができました。一本松は風もない穏やかな空に「スクッ」と立ってまるで「良く来たね」と言っているかのように私たちも迎えてくれました。ビックリしたのは木の上に鳥が巣を作っていることでした。その鳥と木に向かい、「石巻被災松コカリナ」で「浜辺の歌」「ふるさと」「一本の樹」「アメージンググレイス」を高らかに響かせました。一本松の演奏の後、近くの米崎小学校でコンサートを行いました。
それにしても素晴らしい子ども達でした。「一緒に歌おう」と呼びかけるとすぐに歌ってくれ、「この曲は聴いて欲しいな」と思いながら演奏すると耳を澄ませて聴いてくれ、そして楽しい演奏には笑ってくれ、私たちもよく学校コンサートを行うのですが、こんなにコンサートに集中でき、楽しめる子ども達はあまりいないように感じました。それは何よりも先生方の子どもを見る目が温かいことに起因するのでは、と帰りのバスの中で語りあいました。この子達が陸前高田の松の木でできたコカリナを吹いたらどんなに素敵だろうと思います。