黒坂黒太郎コカリナブログ

黒坂黒太郎のコカリナコンサート活動、東日本大震災被災地支援活動など

東京コカリナアンサンブル第7回定期演奏会 9月6日 紀尾井ホール

2014-08-18 10:27:32 | 情報
  9月6日(土)東京コカリナアンサンブル第7回の定期演奏会が東京四ッ谷の紀尾井ホールで行われます。今回はNHK交響楽団ハープ奏者の早川りさこさんをゲストにお迎えし、日本一のハープとコカリナのアンサンブルをたっぷり味わっていただきます。 曲目は「ハイドンのセナーデ」「星に願いを」中島みゆきの「時代」「モーツァルトのトルコ行進曲」「トリッチ.トラッチ.ポルカ」スペイン民謡「ナナ」「サリーガーデン」「アルハンブラ宮殿の思い出」そして、この定期演奏会のために新たに創り上げた組曲「母なる川」全5楽章。東京アサンブルメンバーは今追い込み、頑張っています。是非お出かけ下さい

アイルランド報告 最終回  ダブリン、グラフトンストリート

2014-08-07 16:57:47 | 情報
デリーの町でアイルランドの悲しい歴史に触れた私たちは、いよいよ最後の町、首都ダブリンへ入ってきました。この町での最大の目的は、中心部グラフトンストリートでのストリートコンサート。13年前、初めてアイルランドを訪れたときも、ここでコカリナ演奏を行って大喝采浴びたので、今回も何としてもやらせていただこうと計画しました。このストリートは大道芸やストリートコンサートのメッカ。世界中のミュージシャンが集まって様々な演技を披露してくれます。これはバスキングともよばれるもので、通りのあちこちで行われています。日本でも最近、路上で演奏する若者達が増えていますが、同じストリートパフォーマンスでも何かが違うのです。日本の場合は、そこからメジャーになっていこう、という気持ちが見え見えなのに対し、アイルランドのそれは、「ともかく通りすがりの人に楽しんでもらおう」という演者の熱意に満ちているのです。親子5人で楽団を作ってやっていたり、「マネキン」と呼ばれる「静止パフォーマンス」を6人の男達が一緒に行い、そこに犬まで付いていたり(犬は時々動いていましたが)と。またそれを見守るお客さんの眼差しがあたたかい。私たちも現地の音楽家や芸人の皆さんに混ぜていただきやり始めました。どうせやるならグンと日本人らしくと、浴衣での演奏。その出で立ちが功を奏したのか、お客さんはドンドン集まってくる。そして1曲終わるごとに割れるような拍手がわき起こりました。
さらに、私たちは他のパフォーマーのようにお金をもらうつもりはないので、投げ銭を入れる楽器ケースも、箱も用意していなかったのですが、一人の小学生ぐらいの男の子がコインを持って僕に近づいてきて「このお金どこへ入れたらいいの?」聞くのです。そこまで言ってくれているのにお金をもらわないのも失礼かと思い、何かかないか?と思ったところ、メンバーのMさんがかぶっていた帽子を路上に置いてくれました。その途端、帽子に入るわ入るわ、ものの30分ぐらいの演奏で7000円ほど稼いでしまいました。演奏後の拍手も嬉しいのですが、ジャラジャラとお金が入る音はなんとも嬉しいモノです。これがアイルランドの人たちの、演奏への評価と感謝なのでしょう。でもそのお金は宿泊していたホテルを通じてアイルランドの小児癌の子ども達に全額寄付させていただきました。ともかく日本では決して味わうことができないストリートコンサートの楽しさを満喫させていただき、メンバーは最高の気分でした。そして、このバスキングにこそアイルランド音楽の原点、いや全ての音楽の原点があるのだ、と感じさせれれました。いつかまたアイルランドへ行こう、と思います。そしてブレンダンさんに会ったり、バスキングをしようと思います。先日ブレンダン・グラハムさんからメールが届きました。 そこには「私も、あなたや周美、そしてコカリナアンサンブルの皆さんにお会いでき、本当に楽しい時間を過ごすことが出来ました。心から感謝しています。私もいつか日本にも行きたいです。もしできましたら日本で出版されている「ユー・レイズ・ミーアップ」の楽譜を送ってください。近々、私の新しい曲も送ります。」と書いてありました。今、日本でも沢山出版されている「ユー・レイズ・ミーアップ」の楽譜を買い集めています。 (おわり)
グラフトンストリートにて

アイルランド報告  その4 北アイルランド デリーの町

2014-08-03 22:23:48 | 情報
スライゴで詩人イエツの優しさに触れた一行はアイルランド北部に向かい、レタケニー市の近郊で行われたエリガルアートフェスティバルに出演しました。山の中の美術館のような小さな会場で行われたコンサートだったのですが、最後はスタンディングオベーションが出るなど、大変盛り上がりました。コンサートの中で「アメージンググレイス」を演奏したのですが、終了後「アメージンググレイスが生まれたのはこの近くですよ」と言われ驚きました。
 コンサートの後は、日本でもよく知られる歌手の「エンヤ」さんのお姉さんが経営するパブへ。ちょうどそのお姉さんも来店しており、一緒に写真を撮ったりお話しをしてくれました。アイリッシュ音楽が好きな方に言わせると、このお姉さんも「グラナド」というグループのボーカルとして活躍され、かなり知られた方だそうです。
 レタケニーの次はいよいよ北アイルランドに。北アイルランドはイギリス領になります。およそ100年前、アイルランドはイギリスから独立を果たすのですが、イギリスは北アイルランドだけは手放しませんでした。その理由はイギリス系のプロテスタント系住民が多かったことと、経済を潤す工業都市が沢山あったから、と言われています。そのことによりこの地域では紛争が絶えませんでした。IRAという過激派組織がテロを行ったり、デリーの町で平和デモを行う市民へイギリス軍が発砲し多くの死傷者を出した「血の日曜日事件」はよく知られた話です。それはピアニスト、フィル・コーターによって「私の愛した町」という曲になり、それを日本のフォークシンガー横井久美子さんが日本語に直し、今でも多くの人に歌われています。矢口周美も時々歌っているので、デリーに着く前のバスの中で皆さんに聴いてもらいました。矢口は今度10月12日、トッパンホールで行う自分のリサイタルでもこの歌を歌う予定です。デリーの町は、今は紛争は収まっているものの、あちこちに紛争の名残があり、皆沈痛な面もちにさせられました。
「私の愛した町」に出てくるシャツ工場

銃弾に倒れた中学生の壁画