ガクアジサイ(額紫陽花)のガク(額=装飾花)は、内側のたくさんの花が小さすぎて目立たないために周りできれいに開いて虫たちを誘う。つまりその名のとおり「絵を引き立たせる額縁」の役目を持っている。観察していておもしろいのは、内側の花がほとんど咲き終わると役目を終えて揃って下向きに裏返しになり垂れ下がる。
この一枚目の写真では、左奥と手前の花たちはもうほとんど咲き終わって、周りのガクはだんだんと下向きになり垂れ下がってきているのがわかる。木漏れ日が差している右側の花は内側にまだすこし青い色の花が残っていて、ガクも上向きのものが何枚か残って虫を誘う役目を果たし続けている。
二枚目の写真では、右側の花はすべて咲き終わり種子が見え始めていて、周りのガクは完全に役目を終えて垂れ下がり裏返しになっている。左側の花はまだ内側に青い花がきれいに咲いて残っているのに、勘違いしたのかガクは役目を終えたかのように裏返しになり垂れ下がっている。そして真ん中の花はすこし日陰で成長が遅れたせいなのか、まだ若々しい。内側の花はほとんどがまだつぼみで三つくらい咲き始めたところなので、ガクたちはしっかりと上向きにきれいに開いて虫たちにアピールしている。三者三様で見ていてとても楽しい。
(2015/7/10 佐倉市DIC川村記念美術館庭園にて)
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