たびびとの写真帳

*小さな旅の思い出写真集*

旅先・散歩中の心に残る写真が中心です。
旅の思い出・滝・風景・花の写真など。

「裏見の滝」(日光市)

2019年05月21日 | 写真

2019.5.15 撮影

 「霧降の滝」と霧降高原のヤマツツジの撮影を楽しんだ後、いつものように同じ日光市内山あいの「裏見の滝」へ向かった。霧降の滝は駐車場からなだらかな山道を15分ほど、「裏見の滝」は上りの山道を20分ほど、周りの景色を楽しみながらゆっくり歩いて滝前に着く。まずはいちばん気にいっているアングルで、「荒沢相生滝」を手前に、奥に「裏見の滝」を配して慎重に撮影した。この場所は足元が不安定で、荒沢相生滝の水しぶきを浴びながら撮影する。


 主瀑の「裏見の滝」を正面から一枚。その昔「奥の細道」の旅路で、芭蕉と弟子の曽良の二人もこの位置から汗をぬぐいながら眺めたことだろう。その頃には「裏見の滝」落ち口はもっと高い位置にあり大迫力だったにちがいない。明治になって大規模な崖崩れが発生し、隣の「荒沢相生滝」とほぼ同じ高さになった。落ち口上部に見える大きな洞穴はその崖の崩落の様子を想像させてくれる。

 「裏見の滝」と同名の滝は全国各地にある。文字通り滝の流れの裏側に入り込んで夏でも涼気満点で外界を水しぶき越しに眺めながらひとときを過ごすことができる。芭蕉と曽良の二人も滝の裏側の道に上がって涼んだことだろう。この写真でも滝裏の断崖にくり貫かれた道のくぼみを見ることができる。もちろん崖崩れの後は危険なため立ち入りはできなくなっている。

 「奥の細道」には芭蕉がここで詠んだ一句が残されている。・・・ しばらくは 滝にこもるや 夏(げ)のはじめ



 すぐ隣の岩壁から裏見の滝に寄り添うように流れ落ちる「荒沢相生滝」。観瀑台からはすぐ目の前の涼しげな二筋の流れを楽しむ。手前の緑は「ヤマアジサイ」で、夏になるとガクアジサイに似たヤマアジサイの花を前景にして撮影する。この一枚は上半分で下の写真が滝の下半分の流れになる。


 「荒沢相生滝」を見る時には自分だけのひそかな楽しみが一つある。(*それは水量がこの日よりもわずかに少ない時にいちばんはっきりするのだが・・・)水の流れをじっと見つめていると、(自分の目には)僧侶が一人最下部の岩の上で手を合わせ、滝に打たれて修行しているように見える。これは何度もここを訪れているうちにたまたま水量がピッタリの時にふとそのように感じたことで、他の人が訪れてすぐにそう見えることはほとんどないだろうと思っている。


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