内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

坦々たる一日

2014-09-22 19:56:01 | 雑感

 今日は、いつものように朝の「読書運動」をした後、木曜日の修士合同ゼミの準備として高橋哲哉『靖国問題』第一章読解のためのパワーポイント作りに日中の大半を使った。学生たちには彼ら全員の同意を得た上で同書を購入させることにしたのだが、私の名前で日本のアマゾンに発注した二週間前の時点では在庫切れで、先日ようやく発送準備が出来たとの連絡が入ったところなので、今週の木曜日には当然間に合わない。だから原文からの引用をパワーポイントで見せながら説明することにしたのである。
 このパワーポイント作製には、同書には様々な文献からの引用があり、そのそれぞれの文体の違いを具体例に即して説明するためという意図もある。こればかりはいかに仏訳が優れていたとしても、仏訳を読んだだけではよくわからないところだからである。
 それにこのように注意深く原文を読み直し、仏訳と一文一文比較すると、意図的か単なる不注意かどうかわからないが、訳し落としている文があるし、かなり原文とずれているところもある。高橋哲哉自身仏語は堪能だから、訳文は全部自分でチェックしたのだとは思うし、仏語版のために高橋自身が書いた序文で、自分の同意の上で元の原稿に改変が加えられたところもあると断っているから、原文と仏訳に見られるこれらのずれについても、それが何故なのかという問いを立てることができるだろう。
 パワーポイント作製が一応終わったところで、プールに行く準備。昨日の記事でも書いたことだが、いつも通っている近所のプールは今日から半月閉鎖なので、その閉鎖期間中は別のプールに行かなくてはならない。今日から通うつもりのプールも今住んでいる地区にあるにはあるのだが、歩いて行くにはちょっと遠い。しかし、時間はあるので、行きは歩いて行くことにした。
 いつものプールとは真反対の方向に五分ほど住宅街を歩くと、数ヘクタールはある墓地の角に出る。そこからその墓地を囲んでいる蔦が密生した壁とリル川の支流とに挟まれた樹々に覆われた細長い緑地の中の遊歩道を北上する。ここまでは散歩道としても悪くない景観である。県道を行き交う車の音は遠くから微かに聞こえるだけ。ジョギングしている中年紳士二人組、それぞれバギーを押し、ゆっくりと歩きながらおしゃべりしている婦人たち、学校からの帰り道を急いでいるのか、うつむき加減に小走りしている少年などとすれ違った。墓地を過ぎると、そこからは殺風景で絶えず車が行き交う県道沿いを歩いて行かなくてはならない。しかし、その道のりもそれほどではなく、徒歩二十五分でプールに着いた。
 四コースしかない小さなプールだが、まあまあ清潔。コースロープが張られた二コースは遊泳者用。常時四、五人一つのコースにいた。でも皆おとなしく泳ぐ人たちばかりで、それぞれ自分のペースで泳ぐことができる。残り半分は、泳ぐというよりは漂うか浸かりに来た老人たちでかなり混雑していた。特に、歩行にも支障をきたすほどに肥満した老人が目立った。インストラクターの指導を受けながら水に浮く練習をしているお年寄りも何人かいた。
 帰りはバスを利用。ちょうどいつも買い物をするスーパーの近くを通るバスなので、そのスーパーで買い物を済ませて、さあ帰ろうとしたら夕立。しばらくスーパーの軒先で雨宿りして、雨が上がってから帰路につく。












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