内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

オンライン日仏合同授業今年度第一回目

2023-09-26 15:05:50 | 講義の余白から

 本日午前六時一〇分から七時五〇分まで(日本時間午後一時一〇分から二時五〇分まで)、来年二月のストラスブールでの合同ゼミの準備の一環としてのオンライン日仏合同授業が行われた。
 登録学生は、法政側が一九名で、全員出席。こちらの日本学科も登録者数は同じく一九名なのだが、今朝は病欠と早朝バイトがそれぞれ理由で二名欠席。それでも学生総数三六名、それに私たち教員二人がそれぞれの側に加わるから、いままでにない大人数のオンライン授業であった。
 まず、教員である私たちがそれぞれ今後の予定について学生たちに説明した後、ストラスブール側から、拙論「他性の沈黙の声を聴く 植物哲学序説」(『現代思想』二〇二一年一月号)について一人一人発表していった。先週すでに四つのグループに分けてあったのだが、グループとして話し合う時間はまだなかったので、グループごとに分けて発表はしたものの、実質は個人発表であった。
 先週の授業ではフランス語で全員が個人発表をしており、そのときなかなか面白い論点や批判が出ていたので、今日はそれをごく簡潔に日本語で報告するように予め伝えてあった。それぞれによくまとめてあった。ゆっくりはっきりと話すように注意しておいたが、それも概ね守られていた。法政側のK先生がそれらの発表についてグループごとにコメントしてくださった。
 法政側は今日が今年度後期のこの授業の第一回目で、まだグループもできていないので、自ずと個人発表となったが、個々の発表に私がコメントしていくと時間がかかりすぎるので、四、五人ずつ続けて発表してもらい、それらに対して私が手短にコメントするという形を取った。これはよいアイデアだった。
 学生たちはもう一つの拙論「食べられるものたちから世界の見方を学び直す」(『現代思想』二〇二二年六月号)もすでに合わせて読んでくれていて、両論考にコメントしてくれた学生も、むしろこちらの論考を中心に話してくれた学生もいた。
 筆者の私としては、ちょっと感激してしまうくらい、みんな丁寧に読み込んでくれていた。内容をよく把握し、面白い論点を提示してくれたり、読後に自分で調べたことや自分で考えたことを話してくれたりと、正直、予想をはるかに上回る充実した内容であった。
 というわけで、第一回目の日仏オンライン授業は、学生たちの考察と議論がここから大いに発展することが期待できる上々の滑り出しであった。