南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

労働委員会の役割

2011-11-10 14:30:00 | ユニオン
今日から二日間、全国労働委員会総会で東京に来ています。
今年の4月に労働委員会の懸案事件であった委託労働者の裁判が決着しました。それは委託労働者が労働組合法上の労働者であることを認める判決です。
雇用形態が多様化した結果、会社側は次々と新たな人事戦略を練ってきます。
この委託労働者もそのひとつで、労働者一人ひとりを個人事業者とみなして委託契約を結ぶものです。
会社側の理屈は事業契約だから労働法の範疇には入らないというものです。
そんな馬鹿な話はないと思いますが、一審では負けてしまい、上告したうえでの最高裁勝利です。

今後、公務員問題も労働委員会の範疇に入ってきます。
ますます荷は重くなりますね。

コーポレートガバナンスを担え

2011-11-09 22:48:26 | ユニオン
横文字はあまり好きではありませんが、“コーポレートガバナンス”という言葉があります。
適当な日本語がないから使われているようですが、日本語で表すならば「いかにしっかりと経営をやらせるか」という意味です。

労働組合にも“コーポレートガバナンス”という概念はあります。

「私たちは労働組合だから経営は会社に任せておけばいい」では済まされません。
組合員の賃金管理さえもできていない労働組合もありますから、案外経営のことには無頓着な労働組合は多いのかもしれません。
そんなことを思うと、寂しい限りです。
しかし労働組合は、経営がしっかりしないと自分たち(従業員)の雇用と生活が失われるという立場にあります。
だからこそ労働組合が“コーポレートガバナンス”の一翼を担っていくということは非常に重要です。
そのためには日頃から社会経済の動きやら経営指標の見方やらを勉強しておかなくてはなりません。

大企業で立て続けに不祥事が起きています。
エリエールで有名な「大王製紙」では、創業者直系の前会長が連結子会社から106億円ものお金を電話1本で借り、うち59億円は未返済で訴えられました。
ギャンブル好きでマカオのカジノ口座に10億円を送金したとか、株式投資に失敗したとかの話ですが、真相はまだ藪の中です。

オリンパスではわずか2週間で2度の社長交代劇がありました。
10月中旬に解任されたイギリス人社長がその後メディアに687億円もの不正支出があったことを告発しました。
さらにこの事件は急展開し、過去の有価証券投資の損失の隠ぺいや損失補てんのためであったことが露見し、粉飾決算の恐れが出てきました。

いずれの企業にも労働組合はありますが、上部団体には参加しておりませんでした。
ただそこに労働組合があればよいということではなく、きちんとした労働組合、ものが言える労働組合、学び続ける労働組合が必要だということですね。

TPP問題を考える

2011-11-08 17:04:39 | 経済
毎日新聞の世論調査では、TPPへの交渉について「参加すべき」が34%、「参加すべきでない」が25%でした。
連合としての見解は、2010年10月の第13回中央執行委員会において「ルール策定段階から積極的に交渉に参加すべきである」と明らかになっています。

現在最も参加に反対している団体はJA(農協)ですが、貿易自由化にかかわらず、農業再生は待った無しの状況にあります。
1990年と2008年の比較ですが、人も土地も収入もあきらかに脆弱化しています。
農業従事者数:293万人→197万人
耕地面積:524万ha→463万ha
農業所得:6.1兆円→3.0兆円
しかも農業従事者の平均年齢は年々高齢化しており2010年には66歳を超えてしまいました。
これだけを見ても、従来の農業政策では立ち入っていかないことが分かります。
だからといって農業を見捨てていいとは思いません。
農業は、将来にわたる食料の安定供給を支えるだけでなく、生産活動を通じて国土の保全、水源のかん養、自然環境の保全などの多面的機能を要しています。
国民財産としての価値を認識するとともに、川勝知事がよく話される「六次産業化」や、民主党が提唱した「戸別所得補償制度」を充実させることも必要です。

TPP問題を通して、私たちは自らの国のあり方を、真剣に考えていかねばなりません。
明治維新が第一の開国、戦後復興が第二の開国とすれば、国民自らの選択をもって臨む今回が第三の開国になるはずです。
当然に大きなリスクも伴いますが、だからこそ自らが考えて、自らが決定し、自らが実行することを求められます。
もはや“お国任せ、あなた任せ”では生きていけないことはみなさんも承知だと思います。
座して死を待つことなかれ。

現場で起きている“なにもの”か

2011-11-07 17:12:00 | ユニオン
連合東海ブロックの構成は、愛知県、三重県、岐阜県、長野県と静岡県です。
この5県の地方連合会長と事務局長が一堂に会する会議は年間4回持たれます。
毎回それぞれの地方連合から活動報告やら地域のトピックスが報告されますので、それが私にとっては一番ためになります。
なぜかといえばみなさんが知恵を絞って工夫された活動やら、あるいは地方政治で蠢いている“なにもの”かを知ることが、私たちの活動の参考になるからです。
昨日行われた会議ではこんな話題がありました。

連合愛知では組織拡大に力を入れており、「組織拡大実践研修会」では参加メンバーでいくつかのチームをつくり、企業への飛び込み訪問を実施しているそうです。
即効的な効果は期待できませんが、最近とみに新組合が立ち上がっていると言います。
論より実行ですね。

連合三重は静岡と同様に大震災の支援ボランティアに力を注いでいます。
連合救援ボランティア以外に、「みえ災害ボランティア支援センター」と協働して岩手県へ一般組合員のボランティアを派遣しています。
私たちが「静岡県ボランティア協会」と協働していることを参考にしてつくられたと聞きました。
静岡からでも岩手は遠いのに素晴らしいことです。

連合岐阜では、県内の首長選挙に異変が起きています。
関市長選では、民主・自民推薦の現職市長(65)を無所属新人(39)が破って当選したそうです。
また中津川市では現市長(62)のリコール(解職請求)を求めて署名活動が行われ、3万余の署名簿を添えて住民投票の請求を行ったとのこと。
住民投票でリコールが成立すれば市長は失職し、出直し市長選挙が行われるとのことでした。
リコール運動の原因は新図書館建設事業をめぐってのことだそうですが、真相は分かりません。

連合長野では、1万人規模の大労組が産別組織を脱退し大騒ぎになっています。
信濃毎日新聞によれば、この労組では労働組合が全額出資して投資信託会社を設立しており、こうした単組独自の取り組みの方が組合員にとってプラスになるという理由のようです。
労働組合の連帯の精神や社会的責任はと考えると釈然としませんが、現実問題としてそんな大事件も起きています。
そのうちに同調した大労組の連合体ができて、金融機能(第2労金)やら共済機能(第2労済)をつくるかもしれません。
そうなったらまさに労働運動の終焉ですね。

やはり政界再編が正解?

2011-11-06 09:26:01 | 政治
沖縄普天間問題、TPP問題、原発問題、財政問題、日本の国のあり方を決めるこれらの問題についての意見が二分されています。
しかも政党内部でも割れていますから、回答がなかなか示されません。
久しぶりに見た「報道2001」では、普天間問題とTPP問題について討論されていましたが、最後にコメンテーターが「政界再編が一番いいのでは…」とまとめていました。
イデオロギーの違いはそうありませんから、やはり国のあり方をめぐるテーマに基づいた政界再編が望ましいでしょうね。
私もそう思いますし、日本国民にとっても良いことだと思います。

今日は連合東海ブロック会議です。
時間があったらみなさんの意見も聞いてみたいと思います。


“知ること”“知らせること”の大切さ・難しさ

2011-11-05 20:09:38 | ユニオン
自動車総連主催の「ナイスハート ふれあいのスポーツ広場」が菊川市体育館で開催されました。
このイベントは今回で19回目になるということですが、毎回県内各地を巡回し、その地域の障がいを持つ方々を招待して、一般組合員と交流をさせるというものです。
現実問題として「障がい」のある人々に対する偏見や差別の意識は残念ながら存在しています。
そういった偏見などは彼ら(彼女ら)と出会い、ふれあうことでしか解消されません。
そんな観点からもこういったイベントが継続されている意義は大変大きいと思います。

午後は藤枝駅前で県教組主催の「教育キャンペーン街頭演説」がありました。
このイベントも毎年このシーズンになると行われるものですが、現地の教職員のみなさんが自ら街頭署名を呼び掛けるものです。
署名の目的は子どもたちに豊かな教育環境を与えるというものですが、さらに具体的にいえば少人数学級の実現です。
教育現場でなにが起こっているのか、教師たちは行政に対して何を求めているのかを、街頭で市民に向かって訴えます。
署名活動は組織にもお願いをしていますが、こうして街頭に立って訴える意義も大きいものがあります。

どちらも参加された方々は得るものも大きいが、残念ながらこういった活動を広く知ってもらうことはなかなか難しいですね。
組織内の組合員にすら知られていないかもしれません。
私自身も連合静岡会長でなければ参加することもなかったし、知ることもできなかったかもしれません。
こうしてブログで紹介するくらいしか今の私にはできませんが、このイベントに限らずなにか工夫ができるのではないでしょうか?
今年度の行動指針の第1番目はまさしくこの「“知る活動”“知らせる活動”を積極展開」です。
難しいけれど大切なことです。がんばりましょう。

こころの耳

2011-11-04 17:26:43 | ユニオン
「ライフサポートセンターしずおか」がまとめた5年間の活動記録を見ますと、2009年度より毎年“心の悩み”相談が2番手に入っています。
1番手の法律相談とともに以降毎年指定席になっています。
職場のなかにもこの“心の悩み”を抱えた仲間が確かに増えています。

厚生労働省の委託を受けて日本産業カウンセラー協会が立ち上げている「こころの耳」というメンタルヘルス・ポータルサイトをみなさんはご存知でしょうか?
この「こころの耳」では心の健康に関する情報をインターネットで提供しています。
ぜひこのサイトを活用することをお勧めします。
このサイトの上手な利用方法も紹介されていますから、まずは「実践メンタルヘルス対策の進め方」という“e‐ランニング”を見てください。
企業は「まず何をすべきか」「すぐにできることは何か」もアニメーションで説いています。
ぜひあなたの会社にも勧めてください。

ご苦労に感謝

2011-11-03 18:09:27 | Weblog
昨日今日と続けて“お客さん”で楽をさせてもらっています。

昨夜は東京・品川で「静岡県人会」の総会でした。
この会は、東京の労働界・福祉事業団体で活躍されている静岡県内出身者の方々が集う会です。
私も準会員としてお誘いを受けますので、都合がつけば参加させていただいております。
もう発足してから5年も経ったとのことですが、会員数は49名と年々増えています。
あの東京砂漠でこういった心を通い合わせることのできる仲間が増えていくことは素晴らしいことですね。
様々な組織の方々ですから連絡を取るのも大変ですし、名簿の整理から会場の準備などなど、ほんとうに頭が下がります。
忙しい仕事の合間を縫って事務局を担当してくださっている幹事さんたちに感謝申し上げます。

今日午前中は「ライフサポートセンターしずおか」の5周年記念イベントでした。
5周年記念とはいってもちょっと工夫されたイベントでした。
シンプルな挨拶の後は、弦楽五重奏コンサートで一息入れて、それから後は各種NPOの展示ブースを歩きます。
LSCのスタッフもそうですが、どのNPOのスタッフも一生懸命イベントを盛り上げてくれていました。

午後は女房にかねてから頼まれていた「静岡太鼓フェスティバル」を見に行きました。
東日本大震災の支援もかねた有料のイベントでもあり、なんとか成功させたいと連盟のスタッフのみなさんは大張り切りです。
でも今日から市内では大道芸がはじまりましたので、集客するのにずいぶんと苦労されたようです。
しかし苦労のせいあってか、会場は満員でした。
みなさんの熱気を受けて私も元気をもらいました。

会場を後にして駿府公園から繁華街にかけて歩いてみました。
大道芸を見に来た客で一杯で、昨夜の品川駅の混雑振りに匹敵するような賑わいです。
このイベントでも多くのボランティアが活躍していました。
天使の羽をつけたゴミ拾いのボランティア、子どもたちに無料で顔ペイントしてあげるボランティア、迷子を保護するボランティアなどなど、この大道芸にはなぜかボランティアの参加者が目立ちます。
ゴミ拾いのボランティアに「ご苦労様、ありがとう」と声をかけたら、ステキな笑顔を返してくれました。

なにか心が温まった2日間でした。

今度はバリバ・ショックか

2011-11-02 13:25:44 | 経済
お昼のニュースで「来年1月にギリシャ国民投票」が流れました。
ギリシャ財政破たんを避けるためにユーロ圏各国がまとめた支援策を受け入れるか否かの国民投票です。
支援策を受け入れるためにはギリシャもこれまで以上の財政削減を迫られるわけですが、現在でも緊縮策で不況が深刻化しているうえに、抗議デモやストライキが頻発している現状を考えてのことだと思います。
しかしこの国民投票の決定は非常にリスキーであると心配します。

先月中旬にフランスの銀行最大手BNPパリバの格付けが1段階下がりました。
これは欧州全体の金融危機が高まっていることを反映してのことですが、ギリシャ問題はその最大要因でもあります。
来年1月に国民投票で支援受け入れを拒否となればもちろんギリシャ国家の破たんになりますが、そうならないとしても国民投票が抱えるリスクは金融市場に大きな影響を与えます。

米国発のリーマンショックは不動産バブル崩壊によって起こりましたが、国債デフォルトによる仏発のバリバショックが起こらないように祈るばかりです。

師走まえ

2011-11-01 21:24:48 | ユニオン
年賀はがきが全国一斉に売りだされました。
デパートではお歳暮商戦に向けて出陣式です。
もうそんな季節になったんですね、あらためて思いました。

それにしてもなぜか充実しきった(?)毎日を過ごしています。
少々詰めすぎた感じもしますが、いまさら反省しても後の祭りですね。
いろいろな情報が毎日毎日飛び交いますし、整理しているつもりのスケジュールもいよいよパンク寸前です。
断るよりも先に依頼ごとが矢のように降ってくる感じです。

“迷ったら難しい道を行け”の大先輩の言葉に背を押されている感じですが、この調子で果たして師走まで持つかな?…ちょっぴり不安です。
我ながらチャレンジする意欲は良しとしますが、なにせ頭は悪いし、歳も歳だし…ちょっぴり不安です。
それ以外にもどうやら私の内側にいくつもの“なにか”がある模様です。
さてさてその“なにか”やら“不安”やらを、今夜は丸めて固めて、しっかりと見つめてみたいと思います。
さあ、うまく成功するでしょうか?果たして何が飛び出してくるのでしょうか?乞うご期待です。