南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

課題先進県

2011-08-03 17:08:52 | 経済
いつもながら思うことですが、我が静岡県は日本の縮図です。
その静岡県の雇用が危くなっているということは、日本の雇用が危うくなっているということであります。
その原因は日本の課題と重なりますし、静岡経済研究所中嶋専務に言わせれば「静岡県は課題先進県である」となるわけです。

“ものづくり県”静岡を支えてきたのは、製造品出荷額の3割を占める自動車関連産業でした。
もちろん日本にとっても輸出産業の花形であり、外貨を稼ぐ最大の産業です。
その自動車産業がリーマンショックで大打撃を受けました。
そのショックから立ち直ろうとした矢先の東日本大震災、そして追い打ちをかけるような止まることのない円高…。
これまでも何度となく空洞化の危機が訪れ、その都度なんとか乗り切ってきましたが、果たしてどこまで耐えきれるでしょうか。
一部自動車メーカーでは大衆車の海外生産・逆輸入に踏み切りました。
そこまでいかなくとも各社とも、アジア各地につくられた日系部品会社からの部品調達を確実に増やしています。
こうしたことから県内部品会社の国内受注量は今後も減少傾向にあることはほぼ間違いありません。

加えて次世代自動車、自動車の「電動化」による将来不安にも、大きなものがあります。
電動化が進むことによる影響度(EVショック度)を調査したアンケート結果によると、およそ10年後には静岡県は大変な状況に陥ります。
EVショック度とは電動化に伴って失われる可能性のある出荷額割合を予測したものですが、全国平均28.5%に対して、静岡県はなんと48.3%と全国NO1でした。

これでは有効求人倍率もどんどんと低下していくはずですね。
なんとか目標とする有効求人倍率1を実現するためには、今後成長が見込める(自動車以外の)新分野開拓に待った無しで取り組む必要があります。
どうすればそれが実現できるのか、行政や経営陣をも巻き込んで、真剣に取り組んでいきたいと思います。