南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

政治との対面

2011-03-10 20:32:12 | 政治
4月10日の統一地方選挙投票日まで、あと1ヶ月となりました。
いよいよ静岡県の有権者の見識を試される時です。
名古屋市では「減税日本」公認候補の市会議員がかなりの数で当選しそうな勢いです。
名古屋市民としては“ねじれ”を避けるためにはその選択しかないでしょうが、やるせない思いでいっぱいです。
なにしろ名古屋市の減税のツケを地方交付金という国税から払わされるという愚を犯すわけですから…。

福沢諭吉の「学問のすすめ」では、第4編において次のように論じています。

『近来ひそかに識者の言を聞くに、「今後日本の盛衰は人智をもって明らかに計り難しといえども、つまり、その独立を失うの患いはなかるべしや、方今目撃するところの勢いによりてしだいに進歩せば、必ず文明盛大の域に至るべしや」と言いて、これを問うものあり』

…今後の日本が栄えていくのか衰えていくのかは、人間の知恵では明確に予想することはできないけれども、結局、国の独立を失ってしまうというようにはならないだろうか。
いま見ているような勢いでもって進歩していけば、必ず文明が盛大に発展する状態にまで行けるものなのだろうか。

『はなはだしくこの国を蔑視したる外国人の説に従えば「とても日本の独立は危し」と言いて、これを難ずる者あり』

…日本を非常に蔑視している外国人の説を信じて、「日本が独立してやっていくのはまず無理だろう」と見ている者もいる。

『今わが輩もこの国に生まれて日本人の名あり、すでにその名あればまたおのおのその分を明らかにして尽くすところなかるべからず。
もとより政の字の義に限りたることをなすは政府の任なれども、人間の事務には政府の関わるべからざるものもまた多し。
ゆえに一国の全体を整理するには、人民と政府と両立してはじめてその成功を得べきものなれば、わが輩は国民たるの分限を尽くし、政府は政府たるの分限を尽くし、互いに相助けもって全国の独立を維持せざるべからず』

…今われわれも、この国に生まれて日本人の名を持つ以上は、それぞれの役割をしっかりと見極めて、力を尽くさなくてはいけない。
もちろん、狭い意味での「政治」をなすのは政府だけれども、世間のあれこれの事業の中には、政府が関係しないものも多い。
一国全体を整備し、充実させていくのは、国民と政府が両立して、はじめて成功することである。
われわれは国民としての責任を尽くし、政府は政府としての責任を尽くして、お互いに協力しあい、日本全体の独立を維持しなくてはならない。

国政の混乱はもはや止めようがありません。
名古屋市の混乱ももはや止めようがありません。

せめてこの静岡県だけはこの混乱に巻き込まれてはいけません、それだけは断じてなりません!
民主政治にあってもっとも大切なことは、国民・有権者一人一人の“心がけ”“気構え”です。
「学問のすすめ」で説いていることはまさにそのことですね。