7月29日ブログ「貿易統計に思うこと」でも述べたが、この10年間だけを見ても日本の輸出は好調に伸ばしてきました。
およそ50兆円から80兆円に増えていますので160%の伸び率です。
世界中に日本でつくられた品々が輸出され、世界各国で喜ばれていたはずです。
当然日本国民はその恩恵を受けて、少なくとも半分くらい(30%)の分け前があっても不思議ではありませんね。
ところが恩恵どころか、“豊かさ”とはほど遠い“貧困”が日本国内に蔓延してしまいました。
今日の朝刊で「生活保護166万人受給」の見出しが目に留まりました。
今年4月時点の集計です。
生活保護世帯もこの10年間で倍増しています。
97年の63万世帯から、2007年には110万世帯に、そしてこの4月はいよいよ120万世帯を超えていました。
生活保護を受給する人たちも、旧来の障害者世帯や傷病者世帯に加え、高齢者世帯が増加し、そして現在は雇用環境の悪化による生活困窮者がどんどんと増加しつつあります。
生活保護費は、国が4分の三、地方自治体が4分の一を負担していますが、もう既に予算を大きくオーバーしている自治体も出てきました。
これから先、財政的にも大きな問題となるでしょう。
一人当たりGDPを見てもこの10年間がよく分かります。
OECD諸国との比較において、世界第3位(96年)から19位(07年)にまで急激に落ち込んでいます。
当然の如く、一世帯当たりの平均所得も、この10年間で約100万円の減収です。
(98年は650万円、07年が550万円でした)
ところが収入は減りましたが、残業は減りませんでした。
確かに年間実労働時間の統計を見れば減少していますが、これはパートタイマーなどの短時間労働者の増加によるものです。
週50時間以上働いているいわゆる長時間労働者比率の推移を見ると、この10年間で職種によって異なりますが4~5ポイント増加しています。
(95年→05年比較)
この矛盾を読み解いて、新時代の経済政策に繋げることが大事です。
政権交代を果たしたその次に抱える大きなテーマのひとつでもあります。