満面に笑みを浮かべた金正日総書記と、対照的に苦虫を潰したような顔のクリントン元米国大統領。
クリントンが北朝鮮を訪問した翌日に拘束されていた2人の女性記者が釈放されました。
北朝鮮はクリントンを通じてオバマ大統領からのメッセージを(口頭で)受け取ったと発表しましたが、米政府は否定しています。
しかしタフ・ネゴシエーターが、単に大物(クリントン)が訪朝しただけでせっかく捕まえた人質を解放するとは考えられません。
金総書記とクリントン元大統領の間で語られた2時間、これからの日米関係やアジア外交に大きく影響するやもしれません。
最も恐れることは、米国が北朝鮮の核保有国として歩む道をこっそりと許すことです。
そんなことが許されたりしたら隣国に火のついた火薬庫を抱えるようなもので、日本国内にも核武装すべしなどという世論が起きてしまうかも・・・。
(もしかしたらそこまで考えての米国の外交戦術かもしれません)
タフ・ネゴシエーターは、次々と新しいカードを切り出します。
紙幣偽造、ミサイル、核開発、そして今回は人質カードでした。
何が何でも北朝鮮は「核」と「ミサイル」を手放しません。
もしそれ(核放棄)が出来るとしたら中国だけでしょう。
なぜならば中国の食糧・エネルギー供与がなければ北朝鮮は立ち行かないからです。
中国が北朝鮮の国家としての生命線を握っていることは間違いありません。
しかしその中国も北朝鮮が崩壊したら、一気に大量の難民が中国国内へ雪崩れ込んできますから、悩みは深いと思います。
タフ・ネゴシエーターは、米国と中国というふたつの大国をいつまで操り続けることができるでしょうか?
危険な綱渡りに世界中がヒヤヒヤしています。