昔々の話です。
仁徳天皇という方がおりました。
高台にある宮殿から見下ろすと、民家のかまどから煙が立ち昇っていないことに気づきました。
「民のかまどより煙が立ち昇らないのは、貧しくて炊くものがないからではないか?
都でさえこうだから、地方はなおさらひどいであろう」
そう言って天皇は、「向こう3年間、税金を取ることを止めなさい」と側近に告げました。
それから3年、天皇は高台から見える民家のあちこちから炊煙が立ち昇るさまを見て、皇后にこう呟きました。
「見なさい。これで私も富むことができました」
それを聞いた皇后は不思議に思い、天皇に尋ねます。
「不思議なことをおっしゃいますね。
宮殿の塀や垣根は崩れ、屋根さえ破れているというのに、どうして富んだといえるのですか?」
「よく聞きなさい。
政事は民を本としなければなりません。
その民が富んでいるのだから、私も富んだということなのですよ」
そのうち、あまりに荒み果てた宮殿を見た民衆の方から、「税を納めるからどうか宮殿を修理してください」と陳情が出始めました。
しかし天皇は、さらに3年間税を免じ、やっと6年後に税を復活し、宮殿を修理しました。
新古今集に収められた和歌のひとつが意味する話でした。
「高き屋に のぼりて見れば 煙(けぶり)立つ
民のかまどは にぎはひにけり」
民主党の政権下では、こんな政治を目指してもらいたいものですね。
期待しましょう。
いよいよ明日は歴史が塗り変わる日になるか、ならぬか?楽しみですね。