南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

富国有徳論

2009-05-30 22:18:48 | 読書
この半月あまり、川勝平太先生にお会いした人たちの誰しもが先生に惚れこんで帰ってきます。
連合静岡のA事務局長も例外ではありませんでした。
私は初対面の時、先生に武士道を感じ、肉厚の紀州梅(?)を感じました。

静岡石川県政の基本理念は「富国有徳 創知協働」です。
どうやらこの言葉は川勝先生の著書「富国有徳論」からいただいた模様です。
ネットでこの本を購入し、読んでみました。
川勝先生に抱いた私のイメージ、「武士道」と「紀州梅」が合点いきました。

「富国有徳」に似た言葉に「富国強兵」があります。
これは明治の指導者が日本100年の大計として掲げたものです。
この国是をたてたひとりが、熊本の横井小楠です。
しかし小楠のあらわした「国是3論」は、富国・強兵・士道の3論だったといいます。
このうち士道を除いた富国強兵路線で明治政府が突っ走ったところから過ちが生じてしまいます。
戦争をとめるべき「心徳」を磨く道こそが「士道」だったからです。

この本は3部構成となっています。
第1部「富国有徳」、第2部「富国の士民」、第3部「今西錦司と宮沢賢治」です。
次から次へあふれ出てくるような知性と感性に溺れてしまうような1冊でした。
(そこが、あふれだしてくるような肉厚の紀州梅をイメージした所以ですね)


富国有徳論 (中公文庫)
川勝 平太
中央公論新社

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