南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

永田町「悪魔の辞典」

2009-05-14 23:42:30 | 政治
昨日のブログ「武士に二言なし」で、政治家にもその心構えが求められるというような文章を書きました。
そうしたら「お前は世間知らずだから、この本を読め」とある人が教えてくれました。
伊藤敦夫著「永田町“悪魔の辞典”」がそれです。
伊藤氏は民主党の事務局長などを務め、永田町の裏舞台を30年も見てきたツワモノです。
まだ全編読んではいませんが、まえがきからもうこんなことが書かれていました。

「かつてこの地に住む人たちは、自らを“言霊の国”と称していた。
“武士に二言は無い”という言葉が生きていた時代もある。
言葉はこの日本という国の重要な構成要素であり、言葉に責任を持つことがそれなりの地位にあるものの最低限の義務でもあった。
なかでも、国の舵取りに直接関与する政治家が発する言葉には、限りない重みと責任が求められていたはずだったが・・・・(中略)

約束を破ること、自分の発言に責任を持たないことは、この世界(政治家)のいわば伝統であり、常識なのかもしれない・・・・(中略)

政治の世界では言葉の重みや、本来の意味が急速に失われつつある。
国民もまた言葉を粗末に扱うことに慣れ、政治言葉の嘘やごまかしを見抜こうとする努力を放棄し、簡単に鵜呑みにすることで、無関心という名の放任状態を作り出している。
嘘やごまかしが通用するとなれば、政治が国民に背を向けた無責任で放埓なものになり、政治家たちが勝手放題をするのは当然だろう。」

永田町「悪魔の辞典」 (文春新書)
伊藤 惇夫
文藝春秋

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