南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

地球46億年全史

2009-05-02 19:22:03 | 読書
人間なんて目一杯生きてもせいぜい100年。
その100年には、良いときもあれば、悪いときもあります。
みんな毎日毎日一喜一憂しながら生きているんですね。

山本周五郎は「天地静大」の主人公杉浦透に「たとえ時世がどう変わろうとも、この山河は動かない」と語らせました。
なるほどいい言葉だと感銘しますが、この見方・考え方は100年しか生きられない人間のものでしかありません。

地球は何年前にできたのでしょうか?
単純な疑問からこの本を手にとって読んでみました。
古来から地球の年齢は諸説あり謎とされてきましたが、20世紀になって物理学の進歩により放射性同位体(?)という時間を測るものさしが開発されました。
ウラン、炭素、カリウムといった元素が自然崩壊する速度解析から生まれたそうです。
このものさしを使った地質学者たちによって地球の起源が46億年前という答えが導き出されました。

著者リチャード・フォーティは地質学者であり、古生物学者でもあります。
地質があらゆるものの下に存在しており、目に見えるものが目に見えないものに支配されていることを、地上が地下世界に命じられるままに動いていることを、46億年の地球の歴史を通して教えてくれます。

46億年に比べれば、新型インフルもクライスラーの破産も総選挙も県知事選挙もどうってことはないですね。
目に見えない大いなる力を感じなさい、という貴重な示唆を与えてくれた難解な1冊でした。


地球46億年全史
リチャード・フォーティ
草思社

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