南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
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株価?為替?真なる不安は・・・

2007-08-17 19:34:23 | 経済

日経平均株価が3日連続で下落。
年初来からの安値を更新中だ。
円相場も急伸し対ドル、対ユーロでも大きく値を上げている。
3月14日ブログ記事「米国住宅バブル崩壊?」、4月2日「世界経済不安定の基」で指摘したような状況に酷似してきた。
8月12日「最良の投資先は?」にも書いたように、実体経済を伴った相場展開でないところに先行き予測の困難さがある。
まさかドルの大暴落に繋がるようなことはないと思うが・・・。

株価とともに気になるのは異常気象と資源と食糧事情だ。
一見すると関連性はなさそうだが、そうではない。
世界食糧需給PJの研究資料などを参考にして解きほぐしてみよう。
世界の穀物需要はこれまでも激しく変動してきた。
60年代は食糧過剰時代。
70年代は異常気象による世界的な不作と旧ソ連の大量輸入国への転換で不足。
80年代は「緑の革命」と呼ばれる途上国での収穫量増加で過剰。
90年代は一転して不足時代に逆戻り、米国の不作が大きな原因だった。
次なる年代(現代)からは異常気象と中国とインドの国家戦略が鍵を握る。

研究資料では「負の連鎖」についても述べている。
異常気象は地球温暖化や地球砂漠化によって起こるとされている。
温暖化や砂漠化は人為的要因によって起こる。
対外債務や貿易条件の悪化に悩む貧国は、生きるがための「過耕作」で益々国土を疲弊させる。
貧困は家畜の「過放牧」で緑を失い、人口増加は薪・炭材の「過剰採取」を引き起こす。
世界中の貧しい国々で砂漠化が進む由縁である。

地球的な規模で起こる様々な危機に対して我々ができることはなんだろう。
豊かさの中にある日本、そこにいては感ずることの出来ない「飽食」と「飢餓」が同居する世界、まずはそれを感ずることだろう。
「飽食」の世界では平気で食べ残しを捨て、「飢餓」の世界では慢性的栄養不足で子供たちが死んでいく。

株も為替も成長とともに伸びていく世界である。
安倍首相の求める成長路線では決して地球は救えない。
政治や経済の分配システムが上手く機能しない限り地球は救えない。
『分け合えば余る、奪い合えば足りず。』である。
株や為替の乱高下に一喜一憂している時代ではない。

理想論だと言われるかもしれないがそうしない限り、世界中の大金持ちが富を一手にし、その絶大な力を持って、限りある資源や食糧を再生産できる範囲内まで人類を間引きするという破天荒なドラマが起こるかもしれない。