北島邦彦の「すぎなみ未来BOX」

元杉並区議会議員(2007-2011)北島邦彦の活動日誌 e-mail kjmirai@jcom.home.ne.jp

NHKスペシャル「原発マネー」

2012年03月13日 | 日記
NHKスペシャルで先週放送した「原発マネー」。電源三法交付金や東京電力からの寄付金が最も多く投下されているはずの新潟県柏崎市が、その一般会計予算1年分の借金をかかえている大赤字自治体となっています。交付金・寄付金によって建設された“ハコモノ”の維持管理のためのランニングコストは、すべて自治体の自己負担になっていることに大きな原因があります。…ここらあたりまでは私も知っていましたが、この番組で初めて知ったのは青森県の戦慄すべき事例でした。
電源三法の適用外となっている原発が立地していない自治体に強くある原発反対の声を抑えるために、青森県が地域振興を目的とする外郭団体(財団)をつくり、そこに電気事業連合会から莫大な寄付を行ない、その財団から県内すべての自治体に地域振興という名目の資金が補助されるシステムを構築しました。その結果起こったことは衝撃的でした。六ヶ所村核燃サイクルが高濃度放射能漏れ事故を繰り返したことから開かれた県内全自治体の首長会議で、事業者から事故の経緯の説明を受けた後に質問・意見の表明を再三にわたって司会から促されたにもかかわらず、まったく質問・意見が出ないまま会議が終わったというのです。自治体の首長としての責任のかけらも感じられませんでした。原発マネーがいかに自治体を腐らせるのか、したがってその自治体住民の生活・尊厳をいかに破壊するのかがよく表現されていました。原発マネーによって、地方は確実に“貧しく”なっています。