「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

ドネツク州ブフレダールでの戦闘~その2<2023・2・15ウクライナ紛争>

2023-04-01 13:29:45 | ウクライナ紛争

ロシアはウクライナに全陸軍の97%を投入し、激しく損耗している──英国防相
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/02/97-3_3.php

イギリス国防省が、戦場に放棄された戦車その他の数を映像から数えました。
その結果?
「2月上旬、ドネツク州ウフレダールの戦いで劣勢になったロシア軍部隊は、無傷の戦闘車や戦車を少なくとも30両、戦場に放棄して逃げ去ったようだ(英国防省)。動画を見ると、周りには破壊されたり爆破された車両も多く散らばっている」

写真を見ると、旧ソ連製の多連装ロケット砲システムもミサイルを装填したままの状態で、見えるだけで3台あります。
BM-21 グラート
https://ja.wikipedia.org/wiki/BM-21
古い兵器ですが、ウクライナも持っていて器用に活用しています。トラックも見えるでしょう。この補給用のミサイルの運搬用だと思います。
他にも戦車、戦闘歩兵車併せて30台以上。
それを放置して逃げるのも、ロシア軍の特徴です。
乗っていて砲塔部分に直撃砲弾を受ければ、100%アウト!です。
だから、徒歩で逃げだすんです。

まるで「ビックリ箱」、ウクライナで戦うロシア軍の戦車が抱える設計上の欠陥とは
2022.04.29 Fri posted at 20:3
https://www.cnn.co.jp/world/35186993.html

つまり、こうしてロシア軍はウクライナの武装強化に貢献しています。これまで戦車だけで500両以上、分捕っています。正確には、放置されたのを回収しています。
ウクライナ軍も旧式の砲弾やミサイルが不足していますから、こんなのを見つけると喜びます。
「資源の再配分」と、言うのだそうです。
規格の同じ武器が多いから、即転用できるんです。
砲弾やミサイルを見つけたら、ウクライナ兵は「大喜び」します。即座に回収班が来て、必要な部隊に送り届けます。最近、戦線が膠着していてそのような戦利品はありませんでした。ウクライナ軍は、久しぶりにロシア軍から(多めの)プレゼントをもらいました。バレンタインだからかな?

ウフレダールの要塞の武装強化に貢献したことは、間違いありません。

ロシアの稼働可能な戦車は、開戦前の段階で3000両と見積もられています。
保有台数と稼働台数は違います。即、実戦に投入できるのが稼働台数です。

だから、武器の数の比較表は、ほぼ嘘です。
倉庫にある(であろう)数を推測して数えているに過ぎません。それは、保有台数です。実際に、そく稼働できる台数は全然違います。そして、それを運用する兵士も必要です。そう言う具体的な事情は、無視して数だけの戦力比較表が作られます。単なる、在庫表にすぎません。

倉庫にあるのは、在庫です。
これを実戦配備するには、1台ごとに1回全部ばらして部品を点検して組み立てて作動試験をして、正常に作動すれば、部隊に送られます。1台ごとにやるから、膨大な手間暇がかかります。作業に慣れた作業員がいないと、もっと時間がかかります。

だから、西側でも稼働可能な戦車を送り出すために時間がかかっています。しかし、西側の方はそれが強化され作業員の数が増えるとスピードアップされます。
ロシアの方は、それが出来ません。
ロシア兵とウクライナ兵の違いと同じです。
作業員や技術者のレベルが、格段に低いと言うことです。

ウクライナ軍に分捕られたのと破壊されたのを合計すると2000両程度だと思います。
単純計算では、今回の攻勢に動員できるのは、1000両程度と推測できます。
ウクライナも破壊された分(約500両)を差し引いても、ポーランドから供与された旧ソ連製戦車250両+分捕り戦車500両+破壊されずに残っている分=開戦前よりは、旧式ですが今の段階で数が増えています。

西側の新型戦車は、とりあえず供与が決まっているだけで300両を超えます。レオパルト1は、売りたい武器メーカーが多いですから(在庫一掃セール)もっと、数が増えると思います。

今の段階で、なけなしの戦車を破壊されたり分捕られたりしていては、春ごろにはロシアの戦車は、なくなるかもしれません。

何しろ、ロシアの戦車や歩兵戦闘車は、砲塔部分に直撃弾や小型ミサイルが命中すると、乗員全員お陀仏なのをロシア兵自身が、良く知っていると思います。
だからやばそうになると、すぐ放置して逃げ出すのです。
もう、1年近くたちますからね?その情報は、ロシア兵の間で共有されていると思います。
今回、蜘蛛の子を散らすように逃げ出せたのは、地雷を踏んだ戦車や歩兵戦闘車が、多かったからです。
このケースでは、逃げ出す時間があります。
砲塔部分の直撃なら、1秒以内に乗員全員トースト。

このようなロシアの戦車や歩兵戦闘車の致命的な欠点がありますから、ロシア兵は死ぬ前に放置して逃げるのです。

結論、ロシア軍の攻撃は大砲の砲撃やBM-21 グラートによるミサイル攻撃と、人海戦術の歩兵の味方の屍を乗り越えての突撃しかないのです。
犠牲を無視しての作戦ですから、犠牲者は加速度的に増えていきます。ウクライナ軍の方の、弾薬切れが起きればやっと、ウクライナの陣地を突破できます。

それで占領地を増やせるのかどうかは、不明ですが?
作戦自体が、このようなものですから・
30万人投入すれば?
おそらく、20万人は死傷して戦闘不能になると思います。運が悪ければ、もっと多くなります。

ただ、迎え撃つウクライナ軍の方も大変です。
弾丸をよっぽど沢山、用意しておかないと弾丸がなくなります。実際にバフムートの防衛部隊であったそうです。弾丸がなくなった時が、夕暮れでワグネルの突撃部隊に撤退命令が出て、助かったそうです。

向こう1か月は、大体こんな戦闘になります。
ブフレダールの時みたいに、お土産をたくさんもらえるといいんですけれど、そうならないケースの方が圧倒的に多いと思います。
しかしながら?
去年の戦闘では、ウクライナの最大の支援国はロシアです。戦車500両は、ゴツイ!でしょう。
2番目のポーランドの2倍です。

ウクライナ人道危機救援金 - 日本赤十字社
https://www.jrc.or.jp/contribute/help/ukraine/



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