「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

忘れられた戦場、南部ザポリージャ戦線ロボテイネと南ドネツク戦線<ウクライナ紛争2024.05.16

2024-05-16 20:53:33 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

ハルキウ北部戦線が、急にクローズアップされて今や話題にすら上らない戦場があります。
南部ザポリージャ戦線と南ドネツク戦線です。
ウクライナ軍(とゼレンスキー)の特徴に都合の悪いことは全部隠してしまう部分があります。
ここが何故都合が悪いかと言うと、去年ウクライナ軍が反撃作戦を行った戦場だからです。去年の戦果を残しておきたい。
(今年になり両方、負け戦になり表に出したくない)

南ドネツク戦線は、去年の8月前に攻撃が頓挫してしまいウクライナがここに触れたことは記憶にありません。無かったことにしてしまいました。
軍事ブロガーは、たまに取り上げていましたが小規模な戦場ですし受けないので軍事ブロガーすら無視しています。
要は、ウクライナ軍の反撃作戦が頓挫してしまえば、双方にとりどっちでもいい戦場なわけです。

(1)南ドネツク戦線
航空万能論
2024.05.8
ロシア軍は東部戦線のほぼ全てで前進、南ドネツク方面でも攻勢を開始
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/russian-forces-advance-on-almost-all-of-the-eastern-front-and-begin-offensives-in-south-donetsk/
『スタロマイオルケを失っても南ドネツク方面の状況に大きな変化はないものの、昨年夏に解放した拠点を失うというのは政治的によろしくなく、この方面に限られた予備戦力を投入してスタロマイオルケを守ろうとすればロシア軍が笑うだけだ。』
スタロマイオルケとウロジャインはウクライナ軍が激戦の末奪還した第1次防衛ラインの拠点です。
その後ウクライナ軍は、この南4km位に位置する第2次防衛ラインで進撃を止められて押し戻され始めました。
それが去年の8月頃だと思います。
以後、他の戦場で激戦が続いていたので、ここは双方とも現地部隊がもみ合う程度で放置されてきました。
ロシア軍が、大分押し戻してスタロマイオルケとウロジャイン付近のウクライナ軍が大分怪しくなってきたという話です。
ほぼ、ゼレンスキーの見栄のために残っている戦場です。
「反撃作戦は成功した!奪還した土地がそれを証明している!」
と言うわけです。
進撃作戦が失敗した土地には、三文の値打ちもありません。
ゼレンスキーの広告宣伝のために残っています。
ロシア側は、どっちでもいいので放置されてきました。

(2)南部ザポリージャ戦線
ここはウクライナ軍の主力が攻めた反撃作戦の主要な戦場です。8月に第1次防衛ラインのロボテイネ付近を、やっとウクライナ軍が突破に成功しました。

その南4~5km位にある第2次防衛ラインでウクライナ軍は進撃を阻止され、ここでも反撃作戦は頓挫(=失敗)しました。その後、ウクライナ軍がやや押し戻され激戦が続きました。
ここを突破されるとウクライナの反撃作戦が成功するのでロシア軍も頑強に戦いました。

今年の1月ごろからロシア軍がややウクライナ軍を押し戻して、スタート地点の第1次防衛ライン=ロボテイネ付近でかなりの激戦が戦われました。
これは、時々ニュースになっていました。

2月ごろのロシア軍は、ウクライナ側の推計で4万人以上の大部隊を投入して攻勢に出ました。
ウクライナ軍もあちこちから増援部隊を送り込み必死の防衛戦を続けました。
その後、ニュースが消えました。
ウクライナ軍が不利になったからだと思います。

『クリンキーのセルゲイ国防相の大本営発表とザポリージャ戦線でのロシア軍の攻勢から見えてくることとは❓<ウクライナ紛争2024.2.25』
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/9c9c2a2cf3c62a3611c08066d44a58b1

このころがロシア軍が、大部隊を投入して攻撃していた時期です。
その後、ニュースがないままうやむやでした。
4月の終わりごろだったと思いますが、一部ロシアの軍事ブロガーが勝利宣言を出しましたが、他の軍事ブロガーが打ち消しました。
「待て待て!早まっては、イカン!」
その後、どうでもよい戦場になっていたので誰も気にしていませんでした。
どうでもよいとは、この戦場の勝ち負けは全く大勢に影響がないからです。

ロシア軍の大軍の投入は、ウクライナ軍の予備戦力をここに引き寄せるためです。
ゼレンスキーのメンツのかかった戦場ですからウクライナ軍は負けるわけにはいきません。
それを読んでロシア軍は、陽動作戦をしていたわけです。
その後、東部戦線でのロシア軍の優勢が確認され、ここに投入されたロシア軍の4万人かそれ以上の大部隊は、ハルキウ州北部と国境を接するベルゴロド州に移動しました。

今、ハルキウ州北部を攻撃しているのは主にこの部隊です。ロシア軍のやることは手が込んでいるでしょう❓
愚かで無能なロシア軍のやることです。
それに毎回、だまされるウクライナ軍は何といえばいいのでしょうね❓

『国境都市周辺から撤退 ロシア、南部集落も制圧―ウクライナ軍』
2024年05月15日21時01分配信
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024051500331&g=int
『ロシア国防省は15日、ハリコフ州と南部ザポロジエ州で計3集落を新たに掌握したと発表。ザポロジエ州では、ウクライナ軍が反転攻勢で昨年8月に奪還したロボティネを再び制圧した』
ロシア国防省の発表が正しければ、第2次ロボティネ戦闘を制したのは、ロシア軍のようです。

多分ですが、ハルキウ北部戦線を持ちこたえるのが難しくなったウクライナ軍が、ゼレンスキーの見栄には付き合いきれなくなり、ロボティネ付近の戦闘に投入していた部隊の多くを引き抜いて、ハルキウ北部戦線に移動させているのではないか❓と思います。

南部ザポリージャ戦線はウクライナ軍の攻撃が失敗した段階で意味のない戦場になっており、去年の10月にはウクライナ軍は、元のスタート地点まで撤退するべきでした。
そう出来なかったのは、2023年のウクライナ軍の唯一の戦果がこの戦場だからだと思います。
その後、ゼレンスキーの見栄でズルズルと戦闘が続いてきました。
ここからウクライナ軍が撤退すると数万の兵士と武器が予備に回せるはずです。
東部戦線で負け続けているのに、ゼレンスキーの見栄の方が優先されて来ました。

しかしハルキウ北部戦線で敗北必死の決定的な兵力不足が発生しては、ゼレンスキーも見栄を張っているわけには行かなくなったんでしょうネ❓
もっと早くそうしていれば、苦戦の東部戦線でウクライナ軍は、もう少しマシな戦いが出来たと思います。

私が、「ゼレンスキーがウクライナの最大のガンだ!」と言う理由がわかりましたか❓
こんな愚かな自分の保身しか考えない人間が大統領では、ウクライナ軍は勝ちようがありませんし、やがて現在のウクライナ政府は滅亡すると思います。

※ロシア側の戦果報告
Hara Blog
2024年05月16日05:17
Russian Today「ラボチノ解放の意味と重要性」
http://hara.livedoor.biz/archives/52339134.html

この記事の中でRussianToday が報道したロシア国防省発表と思われる戦果報告が報道されています。
(2023年12月末、ロシア国防省は6か月間のウクライナ軍の損失を16万人、戦車766両を含む装甲車両3,000両以上、航空機121機、ヘリコプター23機と推定した)
(ウクライナ軍の最も戦闘準備の整った編隊が50%以上破壊された:第82独立空挺攻撃旅団、第47、第116、第117、第118独立機械化旅団)

これは主にザポリージャ戦線で発生したウクライナ軍の損失だと思われます。過大戦果報告はどちらもします。
しかし水増し部分を除いたとしてもウクライナ軍は、反撃作戦で甚大な損失を出したのは間違いないと思います。
去年の9月ごろから、東部戦線では急にロシア軍の攻勢が目立つようになりました。これは、今も続いていて更に酷くなっています。
その理由が何処にあったのか❓の一端を説明しているように思います。

おそらく戦後、ウクライナ軍の敗因に挙げられるのは2023年の無理な反撃作戦の甚大な人員と武器装備の喪失になると思います。

※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑤
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27


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