2024.09.8
侵攻927日目、ポクロウシク・クラホヴェ方面でロシア軍の大釜が登場
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/on-the-927th-day-of-the-invasion-the-russian-cauldron-appears-in-the-pokrowsk-krahove-area/
「満を持して」と言う感じでベルヴォマイズケPervomais'keとクラスノホリフカKostyantynivkaのロシア軍が進撃を開始しました。
※関連日記
ポクロウシクPokrovsk戦線>ヴォブチャ川~クラスノホリフカの戦い<ウクライナ紛争2024/09/07
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/7abf2af2292d61e4b8d3467c29ed8c2d
西を攻めておいて、次は東を攻めるという何というか農夫的なロシア軍の作戦です。堅実と言うのか着実と言うのか、ウクライナ軍に反撃の余地を与えない戦い方です。
見ていると鶏を両手で追い込んでいるように見えます。
もちろん鶏はウクライナ軍です。
やるだけ無駄のように見えます。
クラスノホリフカKostyantynivkaの北側にかなり広い空白地帯が生じました。
ほぼ草刈り場(取り放題)と言えるでしょう。
ポツンと離れたネヴェルスケNevel's'keにウクライナ軍の強力な要塞があり、ウクライナ軍が一応防衛していました。しかし今となっては孤軍となり、あとは包囲を待つだけです。
そのため現場指揮官の判断で撤退したのであろうと思います。今なら、まだ西のヒルニクHirnyk方面に撤退できると思います。平原の畑地帯を横切りますから危険ではありますが、包囲されるよりはマシでしょう。
8月から現場指揮官の判断で撤退する部隊が増えてきました。以前は馬鹿正直に現場死守命令を守って包囲されたり壊滅する部隊がありました。
そんな例を見ているうちに現場指揮官は独自に判断で行動するようになったのだろうと思います。
これでポクロウシクPokrovsk北部から西のヴォブチャ川の間の広いエリアには、ウクライナ軍はほとんどいないと思います。強力な要塞や防衛ラインの後方は、そうなっているケースが多いです。
クラスノホリフカKostyantynivkaのロシア軍は、細長い貯水池の南を西のクラヒウカKurakhivkaに向かって進撃しそうです。
ベルヴォマイズケPervomais'keとネタラブNetailoveのロシア軍は、南下して空白地帯を埋めるのだろうと思います。
その後、ヴォブチャ川Vovcha River方面に向かうでしょう。こうなるとヴォブチャ川Vovcha Riverの東側にあるウクライナ軍の小拠点は、飲み込まれると思います。抵抗のしようがないですね。
この流れを見るとヴォブチャ川Vovcha River沿いに南北にあるウクライナ軍の拠点は、それほど時間をかけずにロシア軍が制圧しそうです。
その後、ロシア軍がどっちに行くのか❓
①そのまま西に進撃してセリダブSelydoveの南の広いエリアの制圧に向かうのか❓
②南部ドネツクの補給拠点であるクラホヴェKurakhove制圧に向かうのか❓
セリダブSelydoveの攻撃と連動するなら①でしょうし、面的な進出を優先するなら②です。両方同時もあります。
マリンカMar'inkaの西のヘオリフカHeorhiivkaのロシア軍が、全然動きを見せていません。ヘオリフカHeorhiivkaのロシア軍が動き始めれば、同時作戦かもしれません。
ロシア軍のやりたい放題ですが、クルスク侵攻作戦を実行して、ドネツク州を軽視(放棄)した以上は、ウクライナの参謀本部は予定していることだろうと思います。
とは言え南ドネツクもかなり広いですから刈り取るロシア軍も大変ではあります。
既にドネツク州のウクライナ軍の防御は崩壊していますので、今更守るのは最早不可能です。
ウクライナは、「ルビコン川を渡った」と言えます。
ドネツク州を放棄する以上ウクライナがするべきことは・・・
最低限クルスク州全域を制圧する事。
そしてザポリージャ州とドニプロペトロウシク州を防衛することです。
それが達成できるかどうか❓
※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑥
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27