「北の山・じろう」日記

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去年の冬のロシア軍と今年の冬のロシア軍の違い<ウクライナ紛争2023.11.22

2023-11-24 21:07:14 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

ロシア軍の参謀本部は、戦争計画を変更していると思います。今年の春までは、短期的な戦争を考えていたと思います。それはプーチン氏が、そう考えていたと言う意味でもあります。

今年のどの時点かで戦争を長期的に考えるように戦争計画を変更した可能性が強いと思います。短期では上手くいかないから長期に切り替えたのだろうと思います。
押してダメなら引いてみな!の発想です。

ロシア軍の作戦計画は、ハチャメチャで何を考えているのか分からない部分がありました。
あっちを攻めて大損害!
こっちを攻めて大損害!
端から見ても何をやっているんだか意味不明でした。
だから、ウクライナ軍も西側もロシア軍を舐め切っていると思います。
今年の春ごろまでは、そんな調子でした。
短期的な戦果を現地の指揮官が求めた結果だと思います。

しかし、ロシア政府の戦略が長期に変化すると現地の指揮官もそれに合わせて戦術を考えるようになります。目先の戦果に拘らず中期的な戦果を考えます。

去年のロシア軍との大きな違いは、全体の作戦計画に整合性が見られます。どこかの戦場(アウデイイウカ)で大きな損害を重ねています。それは予定された損害です。以前はその後の計画がありませんでした。「大損害=撤退」の繰り返しです。
今年は、「大損害⇒攻撃続行」です。目的が明確だから損害を無視して攻撃を続行します。

同じ大損害でも、「大損害=撤退」と「大損害⇒攻撃続行」では全然意味が違います。

アウデイイウカの戦場を見ると完全に攻略を考えています。大損害は予定の通りで、全然気にしていません。バフムト方式で攻撃続行です。これをやられると守備側(ウクライナ軍)は、攻撃するロシア軍に合わせて増援部隊を送り込まなければなりません。出来なければ、現地部隊は敗北です。
それが今のアウデイイウカの戦場の現状です。
ウクライナ軍を見ていると、そのロシア軍の変化を認識していないようです。春先と同じように考えています。大損失に耐えかねて、やがて撤退すると考えていると思います。春は、実際にそうなりました。

しかし、秋からのロシア軍の攻撃は明らかに春と違います。どれほど損害が出ようと攻撃を更に強めてきます。損失の分だけ部隊を追加で投入しています。

その理由は、全体の作戦計画があるからです。アウデイイウカを攻め落とすのが、全体の作戦の第一歩で犠牲は仕方がないと考えていると思います。むしろウクライナ軍が増援部隊を送り込めば、更に消耗戦を挑むでしょう。つまりバフムト方式でアウデイイウカの制圧を考えていると思います。

ロシア軍の冬の攻撃のベクトルは、コンスタンチノフカに向いていると思います。もうウクライナ軍がアウデイイウカを守り切るのは、難しいと思います。

ウクライナ軍は、冬のロシア軍の作戦計画を認識しそれに合わせて部隊の配置や防御の強化を、今からしておかないとロシア軍の攻勢を支えきれないように思います。

余計な攻撃は止めて、ロシア軍の予想進路に部隊を再配置して迎撃しなければならないと言うことです。

大統領府とウクライナ軍参謀本部の齟齬を見ていると、それは無理かもしれません。冬の対応を間違えると春には、ドネツク州はかなりロシア軍に削られると思います。

今、ロシア軍の作戦計画がそうなっています。少しづつ気長に削って行けば、良いと言う考え方です。やがては、全部削れる・と言うわけです。

3月から半年かけてアウデイイウカの北側の郊外は、西に相当削られました。それが秋の攻勢に生かされています。



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