「北の山・じろう」日記

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1938年ミュンヘン会談から第二次世界大戦への歴史に見る逆リスク(NATOと帝国主義)<ウクライナ紛争2024.3.13

2024-03-13 20:13:10 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

ミュンヘン会談(1938年9月29日~30日)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%B3%E3%83%98%E3%83%B3%E4%BC%9A%E8%AB%87
第二次世界大戦
1939年9月1日~1945年8月15日
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC%E4%BA%8C%E6%AC%A1%E4%B8%96%E7%95%8C%E5%A4%A7%E6%88%A6

ロシアが2022年2月24日ウクライナに軍事侵攻した後、西側でロシアとの妥協策が言われた時、ロシアとの強硬論の根拠にされたのが1938年のミュンヘン会談でイギリスとフランスがナチスドイツと一定の合意をして融和政策をとったのが、その後の第二次世界大戦につながったと言う事です。
もしナチスドイツと融和せず、逆に叩き潰せば第二次世界大戦を防ぐことが出来た・と言う主張はウインストン・チャーチルの言うところです。

だからロシアとは妥協してはならないし叩き潰さなければならないと言うのが、対ロ強硬論の主張の根拠です。

今、振り返ると最も強硬にロシア潰しを主張してNATOをリードしたのは、イギリスのボリス・ジョンソンのように見えます。
2022年4月にロシアとウクライナの間でほぼ停戦交渉が合意に達していた段階で、キーウを電撃訪問してゼレンスキーに何かを働きかけます。その後、ゼレンスキーは停戦に合意せずロシアとの交戦を決意して現在に至っています。

つまり❓
対ロ強硬論者の根拠は、第2次大戦前のナチス・ドイツと現在のロシアを同一視しています。
「だから、芽のうちに叩き潰す」
と言う主張です。

これに主にバルト3国、ポーランド、チェコなどが賛成して一気にNATOの対ロ強硬政策が合意されました。

※しかし、第2次世界大戦の流れを考えると当時のナチス・ドイツは東方拡大を明確に政策として持っていましたし、それを隠そうともしませんでした。タイミングを見てそれを実行しただけです。
最初から対外戦争と領土拡張を計画していました。だからそれに合わせて戦争準備もしていますし武器の開発と大量生産体制、戦時体制を整えています。
当時見ていれば、ナチス・ドイツの意図は明白であったと思います。
更には、他の識者が指摘するようにミュンヘン会談の合意があろうとなかろうとナチス・ドイツは、やがて対外戦争を始めたであろうという指摘です。
何故なら当時、フランスにもイギリスにも戦争準備も軍備の増強もなかったからです。チャーチルの言い分は勝った者の自慢であり、嘘だと言っています。

※こうして見てくると、現在のロシアに第2次大戦前のナチス・ドイツのような戦争計画があって軍備増強があり戦時体制への事前の移行があったかと言うと全然、無いですね❓
ピクニックに行くつもりでウクライナに侵攻と言うより進駐したら、全然話が違っていたという実にお粗末な話です。
だからロシアには、第2次大戦前のドイツのような意図は無かったと推測できます。

※そして対外膨張主義を志向するグループは、別にいます。
それは、何❓
NATOです。
NATOは旧ソ連の鉄のカーテンの内側にいた国を吸収しつつ東方に勢力圏を拡大しました。
当然、ロシアと摩擦が生じます。
そこで出来た暗黙の合意が、ポーランドから東にはNATOは拡大しないと言うことです。
旧ソ連の元々の共和国であったウクライナ、ベラルーシ、ジョージアには、平たく言うと「手を出さない」と言うことです。
この段階でウクライナは中立国であり、NATO加盟は志向していません。

※その後、更にNATOの東方拡大を宣言した者がいました。(ジョージ・ブッシュ米大統領)当時、ドイツやフランスが反対する中で強引に決定しました。その後、アメリカの東方拡大(=ジョージアとウクライナへの介入や工作)が始まります。
BBC
【解説】 NATO首脳会議、ウクライナの将来の加盟めぐりさまざまな思惑
2023年7月11日
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-66161834

この記事を見るとNATOのプロパガンダが良く分かります。
2008年のブカレストNATO首脳会議の合意事項をあたかも既成事実として書いています。単にNATO内部の合意であり他の国がそれを認めたわけでもありませんし、NATOの範囲を超えた合意でもありません。NATO村だけの話です。
ロシアとの暗黙の合意を破棄してロシアとの対立を生みだしたことなど一言も触れていません。

当時のロシアの意見
AFP
ロシア大統領、NATO首脳と会談 「冷戦回帰」否定でも成果なし
2008年4月5日 4:38 発信地:ブカレスト/ルーマニア [ ヨーロッパ ルーマニア ]
https://www.afpbb.com/articles/-/2374030

読んで分かる通りロシアの主張は、当時から同じです。
『会議後緊急記者会見を開いたプーチン大統領は「強力な国際機構が国境を接するということはわが国の安全保障への直接的な脅威とみなされる」と語った。』

その後、すぐにジョージアに対して軍事介入しました。
南オセチア紛争 (2008年)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E3%82%AA%E3%82%BB%E3%83%81%E3%82%A2%E7%B4%9B%E4%BA%89_(2008%E5%B9%B4)
これは、ジョージアが不利を悟りすぐ停戦になりました。その後、ロシアとジョージアの軍事衝突は起きていません。この当時のジョージアの親NATO反ロシア政策の陰には当然アメリカの関与があります。
その後、ジョージアは独裁的傾向の強かった親NATO反ロシア勢力を追放して、「民族派=ジョージアの国益優先」勢力が政権を握り今に至っています。

ジョージアで失敗したアメリカが次に工作したのがウクライナです。ウクライナの過激民族主義者や極右勢力を組織して2014年ウクライナ・クーデターを起こしました。こちらは成功して親アメリカ反ロシア勢力が政権の奪取に成功しました。その後2人目の大統領がゼレンスキーです。
ゼレンスキーはアメリカの期待通り対ロ強硬政策を進めてロシアの軍事侵攻を引き寄せました。
最初からアメリカは、ロシアにウクライナへの軍事侵攻をさせることを意図していたと思います。
目的は、ロシアを叩き潰すためです。

※こうして見てくると不思議に思いませんか❓
第2次世界大戦前のナチス・ドイツと瓜二つのことをしているのは、アメリカが主導するNATOです。
NATOの東方拡大が行きついた先が、現在のウクライナ紛争です。
ロシアを叩き潰せば、更に東方に拡大しロシアの資源を強奪する心算なのでしょうね❓

キレイ事を言いながら、やっていることはナチス・ドイツと同じです。
「ナチス・ドイツと同じだが、仲間が多いから正義だ!」

ウクライナ紛争で「ウクライナ=NATO」の側に加担するのは、このような事です。

歴史の誤った側に立っているのは、「ウクライナ=NATO」であると評価せざるを得ません。
日本政府は、よくよく考えるべきでしょうね❓

※自由主義や民主主義が善でも正義でもない証明があります。第1次世界大戦後、自由主義的で民主主義的な国際連盟が設立されました。植民地を手放した国がありましたか❓
ないですね。
今、ロシアを叩き潰しロシアの資産や資源を強奪するならそれは21世紀の帝国主義であり植民地主義の変形です。ナチス・ドイツと何ら変わりはないように見えますが❓


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次③
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27



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