3月29日 木曽合同庁舎講堂にて「木曽の地域遺産と保全」シンポジウムが開催されました。13:00~
基調講演は『町並みまちづくり物語』『地域づくり読本』の著者である西村幸夫氏(東大工学部教授)。
各地の世界遺産とその選定理由を中心とした事例報告が主でしたが、その選定理由が常に地域の歴史の生い立ちにある事、さらに文化の背景を知る事で、地域の遺産の価値をどう(地元の人が)とらえるべきかという重要なテーマを突きつけられる内容でした。それは見方を変えれば、地域の人自身の文化に対する造詣と表現する能力、いわばそこで生活する人の文化的な視点が問われるといっても過言ではありません。
次の菅原聡氏(信大名誉教授)の講演「森林の保護・再生」は、木曽地域の特徴的な文化として「木の文化」「森林文化」についての提唱でした。
森林を利用する文化に関しては、私はむしろ木曽だけではなく日常雑器から建築物に至るまで、先史時代以来の日本の文化を特徴づけるものとの理解です。国内の都市部はアスファルトやコンクリート建築で形作られた近代文化でその空間が占められますが、むしろ森林圏である木曽こそ積極的に「木の文化」を保全していく地域だと考えています。
菅原氏の講演では「日本の自然保護の手法は『調和』を基本とし・・・木曽の場合は人間が自然との調和をうまくコントロールしてきた森林」という言葉が印象的で、昔から木曽の人は、森林や自然とうまく共存して森林文化を保全してきたという認識を強くするものでした。
木曽の地域遺産保全については、まずはそこに住む人が木曽全体の歴史と良さを深く理解する事が前提です。
地域遺産、文化遺産などと聞くと学術的でお堅いイメージがありますが、私達の周辺にあるものはすべて生活文化といえるもの。まずは身近な生活:生活をとりまく衣食住、習慣、信仰、風俗、風景などに、もう一度目を向けてゆくのから始めるのが良いと思います。
具体的なシンポジウム内容は私個人が期待していたものとは違いましたが、「木曽の地域遺産」というテーマに惹かれて集まった人達の顔ぶれは、商工会や林業関係、NPOなど色々な顔ぶれでした。その数を思うと、様々な立場で地域の宝を模索しようとする姿勢が強くにじんでいるように感じました。
基調講演は『町並みまちづくり物語』『地域づくり読本』の著者である西村幸夫氏(東大工学部教授)。
各地の世界遺産とその選定理由を中心とした事例報告が主でしたが、その選定理由が常に地域の歴史の生い立ちにある事、さらに文化の背景を知る事で、地域の遺産の価値をどう(地元の人が)とらえるべきかという重要なテーマを突きつけられる内容でした。それは見方を変えれば、地域の人自身の文化に対する造詣と表現する能力、いわばそこで生活する人の文化的な視点が問われるといっても過言ではありません。
次の菅原聡氏(信大名誉教授)の講演「森林の保護・再生」は、木曽地域の特徴的な文化として「木の文化」「森林文化」についての提唱でした。
森林を利用する文化に関しては、私はむしろ木曽だけではなく日常雑器から建築物に至るまで、先史時代以来の日本の文化を特徴づけるものとの理解です。国内の都市部はアスファルトやコンクリート建築で形作られた近代文化でその空間が占められますが、むしろ森林圏である木曽こそ積極的に「木の文化」を保全していく地域だと考えています。
菅原氏の講演では「日本の自然保護の手法は『調和』を基本とし・・・木曽の場合は人間が自然との調和をうまくコントロールしてきた森林」という言葉が印象的で、昔から木曽の人は、森林や自然とうまく共存して森林文化を保全してきたという認識を強くするものでした。
木曽の地域遺産保全については、まずはそこに住む人が木曽全体の歴史と良さを深く理解する事が前提です。
地域遺産、文化遺産などと聞くと学術的でお堅いイメージがありますが、私達の周辺にあるものはすべて生活文化といえるもの。まずは身近な生活:生活をとりまく衣食住、習慣、信仰、風俗、風景などに、もう一度目を向けてゆくのから始めるのが良いと思います。
具体的なシンポジウム内容は私個人が期待していたものとは違いましたが、「木曽の地域遺産」というテーマに惹かれて集まった人達の顔ぶれは、商工会や林業関係、NPOなど色々な顔ぶれでした。その数を思うと、様々な立場で地域の宝を模索しようとする姿勢が強くにじんでいるように感じました。