2023年08月03日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[ロシア ICES脱退の準備を進捗させる]
ロシア政府は国際海洋探検会議(ICES)に関する条約を非難する提案を承認、これに対応した法案が2024年8月1日、上院に提出された。
ICESの活動へのロシアの参加は2022年3月30日から停止されている。
ICESは、1902 年に設立された最も古い科学組織のひとつで、バルチック海を含む北東大西洋のすべての漁場における水棲生物資源に関する研究、調整を行い、毎年、漁獲勧告を承認している。
ICESに関する条約は、1964 年9 月12日にコペンハーゲンで署名され、1968年7月22日に発効した。
現在、ICES のメンバーはロシアを除くと、べルギー、カナダ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、アイスランド、アイルランド、ラトビア、リトアニア、オランダ、ノルウエー、ポーランド、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、英国、そして米国となっている。
ロシア漁業庁長官シェスタコフが、2023年5月、北極域の水棲生物資源の管理と合理的利用等に関する国際会議出席のための出張中のアルハンゲリスクにおいて、国際海洋探求会議ICESがロシアのメンバーシップを完全に回復させない場合、これを脱退する可能性があると言及した経緯がある。
多くのEU諸国がロシアの会員資格を実質剥奪したと語り、このアプローチでは、将来的に当該組織での活動は無意味であり、ロシアはICES事務局に対し、これを回復しなければ、このような疑似科学組織から離脱することになると伝えたとシェスタコフは明らかにした。
シェスタコフは、近年、ICESが政治的に関与するようになり、共通の利益のために機能しなくなって、特定の国々の利益のみを考慮して特定の規制メカニズムを提供していると指摘、北極圏やロシアなどの重要な地域に関わる組織との作業や協議は行われていないと言及し、この分野での協力協定を結んだ国々と行動を共にすると述べ、例えば中国もこれにあたると加えていた。
また、ノルウエーとの協力についても触れた。
2022年以来、ロシアとノルウエーは、ICESの勧告を受けず、バレンツ海/北極北東部海域のタラ、ピクシャ等の両国の漁獲割当のための資源評価と配分を独自で立案する取り組みを行い、相手国への相互入漁交渉に合意している。
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