日本科学研究機関によるスルメイカ韓国西海(黄海)の漁獲情報除外の不具合
2024年03月24日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
日本の科学研究機関は2023年度のスルメイカの資源評価のための情報として、韓国黄海(西海)での漁獲量を除外してしまった。
日本の科学研究機関は韓国のスルメイカの月別漁獲量を4月-10月が秋季発生群、12月-3月を冬季発生群、11月を半々と分類していた。
日本の科学研究機関によると、黄海(西海)での漁獲量を、2022年漁期まで1%未満-20%と推定していた。
しかし、韓国管理機関の情報をもとにすると、最低限に見積もっても、2017年漁期から2022年漁期までの間、黄海(西海)での漁獲量のシェアは34.9%-53.8%で推移している。
韓国黄海(西海)での漁獲量を除外した理由について、秋季発生系群と冬季発生系群の親魚量算定の時のアンバランスの発生等が考えられるが、日本の科学研究機関からは、明確な説明はなく、“考慮回避”とうかがえる状態となっている。
大型トロール、西海トロール、そして西南海区中型トロールが、東経128度以西に限定されている操業海域で、現在、韓国イカ漁業の約6割の生産を西岸沖合漁場が占める実績を示しており、日本の資源評価において、この動向を論議の対象外としていることが、大きな問題点として指摘されるところとなる。
(参考)
*近海網は操業海域規制が不明のため東海(日本海)に現時点で分類。
2018年、西海トロール(二艘引き)試験枠が新設され、翌2019年実績枠となった。
2021年、2020年度漁期枠後半から近海網にTAC規制が導入された。
2023年、西海海区中型トロール(二艘引き)に2,075トンの試験枠が新設された。