2024年10月10日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[ロシア農業省 来年2025年スケトウダラ海域別TAC承認]
資源管理は”合理的利用”と一体でなければならない
ロシア農業省は、2024年10月2日付命令No.567により、来年2025年のスケトウダラの海域別TACを承認した。
極東海域の合計は約246万トンで、前年となる今年2024年より7%増とし、極めて高水準となる。
オホーツク海は、ここ数年、大規模な後続資源の加入が押しなべて確認されておらず、安全性に配慮し10%弱程度の削減を行ってきたが、この期間を完了、前年となる今年2024年に引き続き、2025年も各海域において増加となる。
特に、日本EEZオホーツク海と“またがり資源”と評価されている東サハリン海域については、ついに15万トンに達した。
北海道の道東・道南太平洋と資源分布が重なる南クリール海域は前年同の14万トン超えで、引き続き高水準の評価となっている。
北海道日本海側資源(日本海北部系群)と分布が重なる西サハリン海域のスケトウダラは、4万トンに引き上げることが決定された。
全ロシア海洋漁業研究所は、当該海域のスケトウダラの商業バイオマスを24万6,000トンと算定している。
これは、同研究所がバイオマスに対する開発率(漁獲割合)を16%に設定することを妥当としていることを指し示している。
一方、海域が接続して資源分布が重複する北海道日本海側資源(日本海北部系群)への資源開発率は、理解に苦しむMSY設定等の影響受け、この半分の7%に設定されている。
スケトウダラは国際市場価格によって取引されており、保守的過ぎる日本の資源管理と、合理的運用方針をとっているロシアの漁船団の双方の水揚げベースのラグは2倍となり、これが雪だるま式に加工製品価値ベースで8倍、双方の国内で消費された時の経済効果では20倍に膨らむことになる。