2023年05月20日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[2022年ロシア漁業・水産業 売上7%増も利益30%以上減]
ロシア漁業庁が発表した暫定的データによると、昨年2022年の漁業、養殖、加工に従事する企業の売上高は総額8,660億ルーブルで前年比7%増加したものの、税引き前利益は1,580億ルーブルで30%以上減少した。
同庁は、この減益の理由について、船舶修理、舶用機器等の調達のためのコストの増加、西側諸国の制裁を背景に、業界で最も利益を上げていた企業、輸出志向型の典型だったカニ漁業の対象市場への製品供給の縮小を指摘している。
昨年2022年、伝統的にボイル冷凍カニを米国とEUに供給してきたロシアの漁業者は、北米市場への製品の輸出制限に直面しており、これがまだ再開する目途が立っていない。
なお、全ロシア漁業者水産物輸出者協会ヴァルペ会長ゲルマン・ズベレフは、今年2023年のロシアの水産業界の税引き前利益が1,300億-1,400億ルーブル程度になると、更なる減益予測を示している。