2020年12月31日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[2021年 ロシア漁業はどう変わるか 法令改正]
ロシア漁業は、2019年に漁獲割当の更新をむかえるにあたり、①漁獲割当の更なる長期化(10年間→15年間)、②沿岸漁業の規制明確化(領海線内外の漁獲枠一本化とロシアへの陸揚義務化)、③漁獲割当のノルマ消化義務引上(50%→70%)、④投資漁獲枠設定(許容漁獲枠の20%)”ロシアで漁船建造と水産加工場建設義務化”、そして⑤カニ漁獲割当オークション導入のため、2017年から関連漁業法の改正を続けてきた。
2020年、ロシア漁業は、①スポーツ・フィッシングの規制、漁具の使用規制、②衛生獣医監視の一元化、③小型漁船の規制緩和(ISMコードの要件検査から12m未満の小型漁船除外)、④オーガニック製品の新たな規制、そして⑤養殖漁業区画の使用契約手続き等に関する法令を発効させた。
来年2021年、ロシア漁業はどう変化するのか。
法改正は次のとおりで、一部は1月1日に施行されることになる。
①カニ漁獲割当オークション落札者義務付け漁船建造補助金規則
2020年7月、ロシア政府は、カニ漁獲割当オークション落札者に義務付けされている漁船建造を、極東連邦地区の造船所で行う者に補助金を与える規則を承認、これが2021年1月1日、発効する。
一方、確認された情報によると、連邦予算にこの目的予算は配分されていない。
②規制ギロチンによる規制緩和・合理化
2020年、ロシアは国家管理システムの改革を続け、”国家の義務””中央と地方自治体の管理”という新たで大規模な変化をもたらす法律を発効させた。効果がなく時代に遅れた規則を排除する”規制ギロチン”のメカニズムにより、規制緩和、合理化が続けられている。
漁業分野では、2021年1月1日、以下が発効する。
-2020年7月24日付農業省命令No.417 「外国人市民や無国籍者をロシア漁船(ロシア旗)の下で乗組員の一部とすることができることの承認について」
-2020年7月27日付農業省命令No.419 「洋上・河川のロシア漁船乗組員に食糧を提供するための規則」
-2020年7月27日付農業省命令No.421 「ロシア漁船団の職務憲章」
③環境専門知識を利用するための規則
2021年1月1日、環境専門知識を実施するための規則が発効され、漁業分野にも影響を与えることになる。