2020年12月24日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[英国EU離脱 通商交渉が大枠合意 漁業分野 英国が譲歩]
EUと離脱後の英国との自由貿易協定(FTA)締結交渉が大枠で合意した。
EUの行政執行機関、欧州委員会の本部で、最終的な協定の文言を調整する詰めの作業が進められている。
Bloombergが伝えた。
懸案の漁業分野については、年間漁獲高(金額ベース)を25%削減し、新たな取り決めの段階的導入期間を5年半とする妥協が成立した。
FTA交渉が最終合意し、離脱移行期間終了後に発効すれば、英国・EU間で関税や輸出入割り当てが復活する混乱が回避され、2016年の国民投票から4年半を経て、英国のEU離脱が正式に完了する。
EUの外交当局者の1人によると、英国が直近の数時間のうちに漁業分野で譲歩し、合意の障害が解消された。
事情に詳しい関係者2人によれば、英国首相Boris Johnsonは、EUによる英国海域での年間漁獲高(金額ベース)を25%削減し、新たな取り決めの段階的導入期間を5年半とする妥協案を受け入れた。
EU漁船の英国海域での漁獲高は、金額ベースで年6億5,000万ユーロ(約820億円)と、英国・EU間の年間の物品貿易額(5120億ユーロ)のごく一部にすぎないが、漁業分野の合意は、将来の関係を巡るより広範な協定の前提条件と位置付けられた。
複数の当局者によれば、EU側は金額ベースで25%を上回る年間漁獲高の削減は、フランスやデンマークにとって受け入れ難いと主張していた。