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北海道機船漁業協同組合連合会
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一般社団法人北洋開発協会

韓国 南北漁業協力 イカ操業の共同管理を求める

2018-06-07 11:31:43 | 日記

2018年06月07日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[韓国 南北漁業協力 イカ操業の共同管理を求める]
韓国漁業は、東海(日本海)のイカの漁獲量が大幅に減少していることから、当該海域の北朝鮮との共同管理、規制を求めている。
韓国一般紙(WEB)が伝えた。
韓国イカ漁業の急激な漁獲量の減少について、地球温暖化に伴う水温上昇により東海のイカ漁場が北朝鮮海域に形成され、中国漁船が当該海域で独占的に操業していることが指摘されている。
イカは、代表的な回遊性魚種で、南海で産卵した後、4月から東海に北上、鬱陵島を経て、北朝鮮とロシア沿岸域まで北上、6月-11月に再び東海岸に南下する。
中国の大型漁船が北朝鮮海域で乱獲しており、南下するイカが減っていると分析されている。
また、韓国のイカ釣り漁船の光力の制限は、10トン未満の漁船81kW、10トン以上20トン未満の漁船102kW、20トン以上50トン未満の漁船120kW、50トン以上70トン未満の漁船132kW、70トン以上の漁船は141kWと定められているが、中国は、これといった基準がなく、国内漁船よりも数十倍明るい集魚灯を使用している。
韓国海洋水産開発院(KMI)によると、2004年当時、西海を含め北朝鮮海域で操業した中国漁船は144隻だったが、昨年2017年は1,709隻まで増加した。
韓国海洋水産部によると、韓国のイカの漁獲量は、2004年21万2,760トン、2015年に15万5,743トン、2016年12万1,691トンと減少、昨年2017年は8万7,024トンまで落ち込んだ。
このような状況から韓国業界は、南北で漁業協定を結び、北朝鮮海域を共同で管理すること等を提案している。
ある関係漁業者は南北経済協力の一環として、北朝鮮海域が開放されれば、南北が共同で操業を行い、中国の違法操業を排除することが可能となり、イカ資源の枯渇も防ぐことができると言及した。
しかし、昨年2017年12月、国連の対北制裁で北朝鮮の水産物と操業権の取引が全面禁止されており、南北経済協力の一環として東海海域の操業権を確保しても、当該制裁が解けなければ、事実上、操業が不可能である。
北米関係が改善するかどうかにより、東海北朝鮮海域で南北共同操業が決定される見通しだ。
海洋水産部関係者は、南北の水産分野の協力は、国際的な制裁解消など慎重なアプローチが必要だとし、中国の違法操業に対する強力な取り締まりと外交力で問題は解決されるだろうと述べた。

 

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