黄色い拍子木

たまのをよたえなばたえねながらへば しのぶることのよわりもぞする

研磨

2005-11-18 23:53:36 | Weblog
ここ数日、加速度的に冷え込みが厳しくなり、冬本番へと
確実に向かっているのをヒシヒシと感じます。

寒さが強くなると毎日の行き帰りが多少辛くなるのですが、
頭上に輝く月の明かりが研ぎ澄まされて、体や瞳に降り注ぐ
のを感じると、あながち悪いものでもないと思うのです。

冬の冷え込みは「磨き粉」に似ていると思いました。どんな
ものでも輪郭をはっきりとさせて、透明度を増して、輝かせる
のです。

月光も例外ではなく、研磨されます。その磨かれた光は魔力を
持っています。ただの草むらでさえ、銀糸の茂みに変えて
しまいます。ただの水面でさえ、プラチナの鏡に変えてしまいます。

そんな光を受けながら自転車を漕いでいると、知らず空さえ
飛んでいるような気にすらなるのです。もちろん、そんな事は
ないけれど。でも、夜空を優雅にすべる航空機の気持ちくらいは
解かるのです。孤独で、でも力強い、闇夜の金属の鳥の気持ちが。

日光浴は体の健康のため。
月光浴は心の平穏のため。

なんだかそんな事を思わされます。
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