黄色い拍子木

たまのをよたえなばたえねながらへば しのぶることのよわりもぞする

焼け野原 in 灰燼

2006-12-13 22:01:33 | Weblog
彼が死んで以来、私の心は焼け野原のように野蛮で、寂しいものに
なってしまったように思います。楽しかった日々や嬉しかった出来事、
彼の悪戯に手を焼いたり怒ったり。そういったものがどこまでも
どこまでも広がる、寂しい「廃墟」です。でも、どこかしら暖かく、
いつまでもここに居たいと思う不思議な「廃墟」。

それなりに笑って、仕事をして、ご飯を食べて、友人と過ごしたり
していても、彼のいない寂しさは降り止まない雨、あるいはこれ以上
貯水できないダムから溢れる水のように、私を浸しています。最近、
理解力や記憶力、物事を取り組む意欲が削がれてしまうほどに、
私の心をひたひたにしています。

昨日だって、今日だって。多分、明日だって。

時間が過ぎれば慣れては来るものの、そうなる事でより不在を強く
感じてしまうのです。撫でるしぐさをしてみても柔らかな触感は無く、
ただ空を切るばかり。抱き寄せるしぐさをしてみても、重量はなく
指と指の谷を合わせてしまうだけ。

彼の餌皿も水入れもリードもトイレも何もかも、何もかもそのまま。
いないのは主の彼だけ。いつ帰ってきても困らないのに、もう二度と。

これでもあまり考えないようにしているのですが、車窓を眺めて
いたり、PCの処理待ちの時などにどうしても考えてしまうのです。

現世で会えないのなら、せめて夢見位には出てきて欲しいなぁ・・・。
一度会えれば、この鬱々とした気分も変わるだろうに。
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