イエス、サタディ

前回までのあらすじ

大した症状でなければいいなぁと思いつつ、病院に向かいます。
胃が痛むのは今に始まったことじゃないけれど、こう長く続く
のは初めてのことです。身内の多くをガンで亡くしてきた事を
思うと、やはり心配なのです。そう、心配。自分に対して、
家族に対して、友人に対して。こういうとき、恋人がいないと、
心配が一つ減るからいいかもななんて暢気な事を思ったり。

受付はいまだに暗いままです。どうもおかしい。調度、傍に
病院の事務員がいたので聞いてみたところ、「土曜日は休みです」
との事。ふーん・・・そうか休みなのか。

（゜Д゜）ハァ？

私は神戸市の市民税を払わない事にしました。以前は土曜日も
やっていたのに・・・平日働いている人はどうやってこの病院を
利用すればいいのでしょうか？　他先進国に比べて、医療費が
安いといわれていても、充分に機能していないのなら、多少
高くても充分に機能している医療システムの方がいいに決まってます。
病気にも病人にも休日はないのにねぇ・・・。

バスの運賃を支払って、私はここまで何をしにきたのでしょうか。
はぁ、全く馬鹿馬鹿しい。時間はまだ9時47分。百貨店の開店は10時
丁度。

特別のセールでもない限り、百貨店の開店を待つ事は、とても寂しい
事の一つに思えました。まるで店員や医者と会話する事が唯一（本人は
気づかないし、肯定もしないだろうけど）の幸せとなっている老人
みたいな、暗くて乾いているもののように思うのです。・・・それを
自分がやることになろうとは。ええ、私は暗くて乾いてますよ。
けっけっけ。

本屋に行って、食料品売り場に行って、半ば義務的に粛々とそう言った
事を済ませて、パンだけ買って出ました。パンだけ。チョコレート
コルネとクリームを挟んだ胡桃入りのパン。

義務的とはいえ、本はしっかり見て回りましたので、思った以上に
時間が経っていました。もうすぐ時計は12時。イタリアン系のファミリー
レストランでデキャンタ250mlの赤ワインとぺペロンチーノを食べました。
昼間に飲むお酒は最高です。背徳の味。本当、車で来なくて良かったです。

ぺペロンチーノは大盛りで頼みましたので、食べ終わる頃にはぐったり、
でも心地よく疲れていました。すきっ腹にワインを流し込んだ事も影響
しているかもしれません。胃が痛いのに暴飲暴食、

本当、今日は何をしにきたのかを忘れてしまいそう。病院は月曜日、
仕事場近くの病院に行く事にします。ああ、他にしたい事があったのに。
掃除とか掃除とか掃除とか。一人身の休日は気楽でどこか寂しいです。
百貨店の開店に並ぶ事の如く。