黄色い拍子木

たまのをよたえなばたえねながらへば しのぶることのよわりもぞする

2枚目、3枚中

2007-05-23 10:38:36 | Weblog
先週の土曜日の事。

友人と連れ立って、王立ベルギー美術館の企画展へ
行ってまいりました。

目的はマグリットを見るためです。今回は三枚、
しかも内一枚は「光の帝国」なのです。

私には、見たいマグリットの絵が三枚あります。
「大家族」、「光の帝国」、そして「ピレネーの城」です。

「大家族」は昨年の冬に見て参りましたので、残すは
あと一枚となったのです。ただ、収蔵されているのが
イスラエルのイスラエル美術館(エルサレム)
ですので、生涯見る機会は無いでしょう。場所柄、
絵画自体がロストしてしまうかもしれませんし。

お目当てはマグリットでしたが、フランドルの豊かな
財力や、それを背景にした気風に影響された絵画は
どれも素晴らしさに溢れていました。また、ドイツ
(ハプスブルク)とフランス、オランダなどの強国に
挟まれていたためか、風刺やユーモアに富んだ
絵画も多く見られました。思わず笑ってしまうくらいに。

マグリットの「光の帝国」は展示最後部、特別な
意匠と共に展示されていました。

私はフランドル地方へ行ったことはありませんが、
描かれた青空のような空が広がっているのでしょう。
温もりよりも涼やかさ、活気よりも冷静。それで
いて陰気さは全くない、空。夜の部分にも、いつか
話で聞いた「ヨーロッパの石畳は冷たい」という
ような事を思い出させる様相でありました。

空と夜、それだけであれば氷のように冷たい絵に
なっていたはずです。そして陰鬱さを感じさせる
「つまらない絵」に。

点る灯り。中央に描かれたガス灯には灯りが点り、
僅かに夜を明るく照らしているのです。夜は昼に
対抗する「帝国」です。昼為されぬ事を為し、昼許されぬ
事を許すのです。それは必要な事ですが、全てが
そうであれば人はヒトを続ける事ができません。
その為に火を焚き、夜を照らして人たる要素を
守ってきたのです。

暗澹に灯る火は、「特別な感情」を表している
ように感じました。

暗澹とする事が多い昨今、心に「ガス灯」は灯って
いるのでしょうか。

私も、私以外も。
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新幹線の珈琲

2007-05-23 09:52:07 | Weblog
只今、東京への日帰り旅行のため、新幹線で移動中です。

新幹線で移動するとき、車内で欠かさず珈琲を買い
求めます。私には少し熱くて、更に言えば揺れる
から飲みにくいのですが、欠かさず。

無ければ手が震える程の珈琲中毒なんて事は無く、
無ければ無いで構わないのですが、既に「儀式」の
ようなものになっているのです。私は大人である、
とかたった一人でも気丈に居られる、とか。私の
屈折した「大人感」を顕示するための儀式、多分。

カートに貼られた広告曰わく、改良されて美味しく
なったのだとか。

まだまだ熱いので、飲むのは名古屋を過ぎてからに
なりそうです。
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