老犬の様子がおかしい。
ソファの上で、息を荒げてぐったりをしている。餌にも
全く手をつけていない。
妹が言うには、壁と玄関に置いてある姿見の間に挟まり、
身動きできなくなっていたというのだ。別に袋小路でも
なんでもない場所に。そんな場所に閉じ込められて、妹が
仕事から帰ってくるまで声をあげて助けを求めていた
ようだ。
もう、だめかもしれない。そんな予感はいままでもあった
けれど、今回は本当にだめかもしれない。ここ最近、驚く
ほどに加速している老化が、心に溢れる不安に輪をかける。
明日の朝、彼は息をしていないかもしれない。
明日の朝、彼はもう生きていないのかもしれない。
明日の朝、彼は死んでいるのかもしれない。
明日、また子供が自殺するかもしれない。
死に行く子供よ。その命、不要ならば私のかわいい
プードル犬に分けてくれないか。不要なんだろう?もう生きる
事をアボートで停止するのだろう?
ならそう長くない彼に、まだまだ生きてソファーの上での
シアワセな眠りを味わいたい彼に、チョコレートを食べてると
何も言わずとも傍に現れる彼に、私が帰ると気だるそうでも
きちんと出迎えてくれる彼に、家族のように暮らしてきた彼に
命を分けてはくれないか。
私が眠りに付き、目覚めると同じくして、彼も目覚めて
くれますように。私にできるのはただ、それだけだ。
ソファの上で、息を荒げてぐったりをしている。餌にも
全く手をつけていない。
妹が言うには、壁と玄関に置いてある姿見の間に挟まり、
身動きできなくなっていたというのだ。別に袋小路でも
なんでもない場所に。そんな場所に閉じ込められて、妹が
仕事から帰ってくるまで声をあげて助けを求めていた
ようだ。
もう、だめかもしれない。そんな予感はいままでもあった
けれど、今回は本当にだめかもしれない。ここ最近、驚く
ほどに加速している老化が、心に溢れる不安に輪をかける。
明日の朝、彼は息をしていないかもしれない。
明日の朝、彼はもう生きていないのかもしれない。
明日の朝、彼は死んでいるのかもしれない。
明日、また子供が自殺するかもしれない。
死に行く子供よ。その命、不要ならば私のかわいい
プードル犬に分けてくれないか。不要なんだろう?もう生きる
事をアボートで停止するのだろう?
ならそう長くない彼に、まだまだ生きてソファーの上での
シアワセな眠りを味わいたい彼に、チョコレートを食べてると
何も言わずとも傍に現れる彼に、私が帰ると気だるそうでも
きちんと出迎えてくれる彼に、家族のように暮らしてきた彼に
命を分けてはくれないか。
私が眠りに付き、目覚めると同じくして、彼も目覚めて
くれますように。私にできるのはただ、それだけだ。