昨日撮った最悪な証明写真を携え、所用を済ませるために北浜の大証ビルへ。
写真も手元を離れてしまえば気にならず。少し待たされた事を除けば概ね順調でした。
今日は寒の戻りで随分と冷え込んでいますが、今更ながら引っ張りだしてきたウールの
コートが北風から守ってくれます。北浜から淀屋橋、そこから梅田に向かって歩く事に
しました。
地下鉄に乗れば五分で辿り着くところですが、満月の明かり、そして御堂筋という道が
私を歩かせたのかも知れません。
私はお天気で明るい時に中ノ島あたりを歩いたことがありません。いつも雨だとか、
良くて曇り。そして今日のような宵闇であるとか。でも、夜に沈むこの辺りが私は
好きです。あまりに淋しい場所ですから。汚染されていたって、北風が吹いていたって
川面滑る風はいつだって優しい。その優しさが際立つのはこの場所がなぜだか淋しい
場所だからに違いありません。
スターバックスでコーヒーを買い、更に歩きます。
地下鉄に乗ってしまえば今頃は銀色の高速列車の中だっただろうに。
なぜ、歩いたのでしょう。
昔から散策しながら、考え事をしながら歩く事が好きでした。反して、考えたいから
歩いたのかも知れません。
今は昔。もうわかりもしないけれど。でも、今のことくらいはわかります。考えたい
から歩いているのだと。
今までの人生はたぶん、比較的幸せだったような気がします。ネグレクトに遇うでもなく、
親のヒステリックな干渉を受けることもなく。父のいない思春期は私にとっては
素晴らしいものであったことを私は否定しません。
母と祖母を年長者として敬い、独断的で強権的な大人の男の人がいない、ある程度に
調和のとれた家族。素晴らしい家族。
私はこれ以上何があれば満たされるのだろう。こんな空虚が私を何日も支配しています。
島倉千代子の歌みたいなことも考えました。でも、大切に思う人たちが小なりにも
悲しむのであれば。それはそうしなければいけないよりも遥かに苦しい責め具です。
でも、安易な救いならいらない。土足で入り込むな!でていけ!
とも言えず、とりあえずの安易な救いを食んでいる日々。
嫌。こんな自分を軽蔑する。
最近はよく涙が零れます。目が恥ずかしいくらいに腫れています。
そろそろ梅田が近づきます。スターバックスはとっくにキャラメル風味の泡だけ
残して無くなりました。涙を拭わなければ恥ずかしくて列車にも乗れません。一本横道に
入れば人の気配はぐんと少なくなります。
まさか、まがった先でまた涙を流さねばならないとは。
北風さえ吹く、こんな日に彼らは咲き誇っていたのです。
満開の桜!なんて美しいのでしょう。群立するビルの間で生命を、そして春が来たことを
謳歌しています。
目が腫れて、ひどく醜い私だけれども、この素直に美しさで救われる心は多少なりとも
美しい、そう確信します。
なんだ、ワタシにはこんなものがまだ残っているじゃないか。
いいよ、たとえ過大評価でも。かまわない、いいよ、別に。
あなたがそんな風に思っていても。
ワタシはもう、歩いていけるし、生きていける。
いつまでもリビングデッドみたいに恋を引きずらなくても
いいんじゃない?と言い聞かせてみる。
あの人ではなく、その人について。
私は、この心を守るためまだ生きていかなければなりません。
あの人の記憶とともに。
写真も手元を離れてしまえば気にならず。少し待たされた事を除けば概ね順調でした。
今日は寒の戻りで随分と冷え込んでいますが、今更ながら引っ張りだしてきたウールの
コートが北風から守ってくれます。北浜から淀屋橋、そこから梅田に向かって歩く事に
しました。
地下鉄に乗れば五分で辿り着くところですが、満月の明かり、そして御堂筋という道が
私を歩かせたのかも知れません。
私はお天気で明るい時に中ノ島あたりを歩いたことがありません。いつも雨だとか、
良くて曇り。そして今日のような宵闇であるとか。でも、夜に沈むこの辺りが私は
好きです。あまりに淋しい場所ですから。汚染されていたって、北風が吹いていたって
川面滑る風はいつだって優しい。その優しさが際立つのはこの場所がなぜだか淋しい
場所だからに違いありません。
スターバックスでコーヒーを買い、更に歩きます。
地下鉄に乗ってしまえば今頃は銀色の高速列車の中だっただろうに。
なぜ、歩いたのでしょう。
昔から散策しながら、考え事をしながら歩く事が好きでした。反して、考えたいから
歩いたのかも知れません。
今は昔。もうわかりもしないけれど。でも、今のことくらいはわかります。考えたい
から歩いているのだと。
今までの人生はたぶん、比較的幸せだったような気がします。ネグレクトに遇うでもなく、
親のヒステリックな干渉を受けることもなく。父のいない思春期は私にとっては
素晴らしいものであったことを私は否定しません。
母と祖母を年長者として敬い、独断的で強権的な大人の男の人がいない、ある程度に
調和のとれた家族。素晴らしい家族。
私はこれ以上何があれば満たされるのだろう。こんな空虚が私を何日も支配しています。
島倉千代子の歌みたいなことも考えました。でも、大切に思う人たちが小なりにも
悲しむのであれば。それはそうしなければいけないよりも遥かに苦しい責め具です。
でも、安易な救いならいらない。土足で入り込むな!でていけ!
とも言えず、とりあえずの安易な救いを食んでいる日々。
嫌。こんな自分を軽蔑する。
最近はよく涙が零れます。目が恥ずかしいくらいに腫れています。
そろそろ梅田が近づきます。スターバックスはとっくにキャラメル風味の泡だけ
残して無くなりました。涙を拭わなければ恥ずかしくて列車にも乗れません。一本横道に
入れば人の気配はぐんと少なくなります。
まさか、まがった先でまた涙を流さねばならないとは。
北風さえ吹く、こんな日に彼らは咲き誇っていたのです。
満開の桜!なんて美しいのでしょう。群立するビルの間で生命を、そして春が来たことを
謳歌しています。
目が腫れて、ひどく醜い私だけれども、この素直に美しさで救われる心は多少なりとも
美しい、そう確信します。
なんだ、ワタシにはこんなものがまだ残っているじゃないか。
いいよ、たとえ過大評価でも。かまわない、いいよ、別に。
あなたがそんな風に思っていても。
ワタシはもう、歩いていけるし、生きていける。
いつまでもリビングデッドみたいに恋を引きずらなくても
いいんじゃない?と言い聞かせてみる。
あの人ではなく、その人について。
私は、この心を守るためまだ生きていかなければなりません。
あの人の記憶とともに。