第15章 プチッ!。さて、キーホーは??。 ↓こっちよ!。 キーホーは、 『列車に乗って涼しい風を受けているうちに刻々と、林檎を囓り、子供を憎み、足を痺れさせ、隣人を殺したく思い、頭を抱え、皿を叩き割る映像を思い浮かべ、大きな口を開いて身体中の空気を吐き出し、外の世界を全部、自分から追放しようとしたけど涼しい風が吹き付けてきて、思わず、爽やかになってしまい、外を見ると大っきな山と畑が、延々とあって、何だか気抜けして、それチャンスだとばかり、煙草に火を点け煙を力無く吹き出し、自分対世界の人々を考えると再び皿が浮かび、涼しい風を発する窓に向かって飛び込んだら、引っ張られる様に列車から身体は引き離され、川原の尖った石にあたって粉微塵に砕けてしまいまして、その時、走り去る列車の窓に、ライターの火を凝視しているリリカルな少女の情景が映し出されまして、少女のまわりは薄闇でしたので、ランプが下がってるといいナ、と思いましたけど、自分の破片には早くも、さわ蟹が群がってまいりました。』 のを、どこだかわからない木造りの校舎の四階の窓から眺めていたのです。 ほら、蟹→
キーホーは、ミシリミシリと教室の床板を踏みしめながら戸口に向かって歩き出しました。
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