4月号より法学教室で連載がはじまりました。
隔月のこととはいえ、雑誌連載は初めてで、ちょっと緊張いたしました。
緊張しているようには、見えない原稿だと言われればそんな気もしますが、
けっこう緊張して書いているのです。
とはいえ、
ツツミ先生のおかげで、たのしく、気楽に書くことが出来ました。
このブログにも、早速コメントをいただきました。
どうもありがとうございます。
読みやすいように工夫しつつ、議論の水準は落とさないという方針でしたので、
面白いと言って頂けるとすごくうれしいです。
今回のテーマは、帰報というやつで、
責任の帰属というのがテーマです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
最近、違憲審査をするときに、
「違憲の帰責点」という概念を使って、
違憲の責任は、行政か、国会か、みたいな議論をする人がいるのですが、
こういう議論は、法学の足腰がなっていないなぁ、と評価されてしまう議論なのです。
というのも、法的責任の帰属は、法人格のみであり、
行政機関や国会は、法人(国家)の機関であり、責任主体たり得ません。
国民との関係では、違憲の帰責点は、いかなる場合も「国家」です。
この原則はすごく大事な原則で、
行政機関や、国会が、違憲の責任を負う、という議論をすると、
「この人は、法人格とか責任帰属という法学の基礎が危ういなあ」
という印象を与えてしまうわけですね。
要注意です。
*なので、いわゆる適用違憲を、
行政機関に帰責される違憲と定義することはできないのです。
もちろん、適用違憲と評価されるような適用をした行政機関の行動は、
内部規律においては、様々に評価されえます。
しかし、(国家法人の)内部規律と、
国家法人と国民との関係で違憲かどうか(外部関係)、という問題は
しっかり区別してくださいね。
そんなわけで、責任帰属・帰報というのは、
憲法、統治機構論を学ぶ際に、まず最初に理解しなくてはならない概念なのです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
私は、助手時代、長尾先生の論文で、こういうことを叩き込まれたのですが、
山口先生の刑法総論で勉強された方なら、帰報の概念、きっとピンとくるはずです。
いわゆる客観的帰属論の考え方の根本は、
今回の法学教室原稿に書いたようなところにあるわけですね。
因果関係論は、さしあたり、「自然」と「人間の意思」とどちらの側に
帰属する現象かを振り分ける作業なので、客観説で構成せざるを得ないのです。
「人間の意思」に帰属する現象について
その人間の責任を追及していいか、
という要素を検討するのが、
故意・過失とか違法性の意識といった主観面、責任論なのです。
これは、民事不法行為法についても同じなわけで、
だからこそ、「統治機構のみならず、法学の基礎知識」なんですよ!と
タイトルしてみたわけです。
このあたりのことを「Rockで怠惰な一日」様が、気付いて下さいました。
嬉しい限りです。
執筆を応援する言葉もかけてくださり、ありがとうございました。
いきなり、ド抽象的な話で、どんな反応がくるか、
そもそも反応をいただけるか、心配していたところだったので、
皆様の御言葉をいただけて、うれしかったです。
西村先生の連載分と合わせ、一年間よろしくお願いいたします。
そういえば、西村先生の連載紹介文も面白かったですね。
期待が高まります。ワクワク。
隔月のこととはいえ、雑誌連載は初めてで、ちょっと緊張いたしました。
緊張しているようには、見えない原稿だと言われればそんな気もしますが、
けっこう緊張して書いているのです。
とはいえ、
ツツミ先生のおかげで、たのしく、気楽に書くことが出来ました。
このブログにも、早速コメントをいただきました。
どうもありがとうございます。
読みやすいように工夫しつつ、議論の水準は落とさないという方針でしたので、
面白いと言って頂けるとすごくうれしいです。
今回のテーマは、帰報というやつで、
責任の帰属というのがテーマです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
最近、違憲審査をするときに、
「違憲の帰責点」という概念を使って、
違憲の責任は、行政か、国会か、みたいな議論をする人がいるのですが、
こういう議論は、法学の足腰がなっていないなぁ、と評価されてしまう議論なのです。
というのも、法的責任の帰属は、法人格のみであり、
行政機関や国会は、法人(国家)の機関であり、責任主体たり得ません。
国民との関係では、違憲の帰責点は、いかなる場合も「国家」です。
この原則はすごく大事な原則で、
行政機関や、国会が、違憲の責任を負う、という議論をすると、
「この人は、法人格とか責任帰属という法学の基礎が危ういなあ」
という印象を与えてしまうわけですね。
要注意です。
*なので、いわゆる適用違憲を、
行政機関に帰責される違憲と定義することはできないのです。
もちろん、適用違憲と評価されるような適用をした行政機関の行動は、
内部規律においては、様々に評価されえます。
しかし、(国家法人の)内部規律と、
国家法人と国民との関係で違憲かどうか(外部関係)、という問題は
しっかり区別してくださいね。
そんなわけで、責任帰属・帰報というのは、
憲法、統治機構論を学ぶ際に、まず最初に理解しなくてはならない概念なのです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
私は、助手時代、長尾先生の論文で、こういうことを叩き込まれたのですが、
山口先生の刑法総論で勉強された方なら、帰報の概念、きっとピンとくるはずです。
いわゆる客観的帰属論の考え方の根本は、
今回の法学教室原稿に書いたようなところにあるわけですね。
因果関係論は、さしあたり、「自然」と「人間の意思」とどちらの側に
帰属する現象かを振り分ける作業なので、客観説で構成せざるを得ないのです。
「人間の意思」に帰属する現象について
その人間の責任を追及していいか、
という要素を検討するのが、
故意・過失とか違法性の意識といった主観面、責任論なのです。
これは、民事不法行為法についても同じなわけで、
だからこそ、「統治機構のみならず、法学の基礎知識」なんですよ!と
タイトルしてみたわけです。
このあたりのことを「Rockで怠惰な一日」様が、気付いて下さいました。
嬉しい限りです。
執筆を応援する言葉もかけてくださり、ありがとうございました。
いきなり、ド抽象的な話で、どんな反応がくるか、
そもそも反応をいただけるか、心配していたところだったので、
皆様の御言葉をいただけて、うれしかったです。
西村先生の連載分と合わせ、一年間よろしくお願いいたします。
そういえば、西村先生の連載紹介文も面白かったですね。
期待が高まります。ワクワク。
お願いというのは、ツツミ先生とメタスコ星人てなに?とういうことです。
なんとなく分かるけど、すっきりしない。ツツミ先生は良き同僚でしょう。メタスコ星人は…
いまさらだし、あえて説明も野暮かもしれませんが。整理ついでに新規読者と新入生にご紹介をば、又は「おいおい分かるほうが楽しいよ」などと教えてくだされば楽しいです
草々
どういうことをききたいのですか?
ブログを引用いただきありがとうございます。
酔っぱらっていたときに書いた拙い文章で、すみません。
法学教室を購入して、真っ先に先生の記事を読んで(お酒を飲みながら読むというのも失礼ですネ。次からは正座して読みたいと思います)、
どうしても山口先生の遡及禁止論のことを書いておきたかったので・・・。
酔っぱらいながらも、えぃっと、あんな文章を書いてしまいました。
記事はほんの少し訂正しました。
ジセダイのインタビューも面白く読ませていただきました。
先日のシンポジウムも法学セミナーに掲載されるとのことで楽しみにしています。
先生の法教の連載が楽しみです!ますますのご活躍を、そして体系書・基本書の執筆を、心待ちにしています。
お昼の後、満開の桜の木の下で読んで、買って良かったと思いました。
ツツミ先生とのやり取りがおもしろくて、気持ち悪い顔になっていたかもしれません。
特に、「寝坊は布団のせい」のくだりで、
「お前はどうしてそんなにあったかいんだ!!」
という光景を思い浮かべたときは、
通報されても仕方がない顔になっていたと思います。
今回のテーマは、これまでに勉強した様々なことを思い出しました。
文中で挙げられたもの以外でも、刑法の行為論や民法の私的自治の原則など。
憲法では、先生の
「〈国民〉と〈住民〉:〈基礎的自治体〉の憲法論」や
「平等権―誰の何に関する何のための平等か」
などの基礎にもなっているんだな、という気がいたしました。
内容的には「Ⅴ.国民とナショナリズム」くらいから少し難しく感じましたが、
1つ1つ論理を確認しながらゆっくり読めば、カタカナが苦手な自分にも理解できました。
この後は、国民主権などにつながるのですね。
予定表を見ると、第6回のサブタイトルが気になって仕方ないです。
「いや、そもそもかぶらないのですが」と(笑)
今年の試験には……ですが、
試験後も楽しく勉強させていただきます。
よろしくお願いいたします。
<国民>と<住民>―<基礎的自治体>の憲法論
を読みました。
今まで全然意識できていなかったことが書かれており、概念に対する理解の甘さに気づかされます。
深い理解を得るために次回以降の連載でも、
関連文献・論文をぜひ紹介して下さい。
時間の許す限り読んでみようと思っています。
余談ですが、
<国民>と<住民>―<基礎的自治体>の憲法論
にも堤准教授(の肉体)が登場していて、
ここで吹いてしまいました(笑)
ご連絡ありがとうございます。
いつもありがとうございます。
ジセダイのインタビュー、楽しかったので
そういっていただけますと、うれしい限りです。
法学セミナーも早く記事になるとうれしいですね。
頑張りたいと思います。
西村先生の連載も、どうぞお楽しみください。
かなり面白いものになっているはずです。
>ララオさま
どうもありがとうございます。
目次に反応して下さりうれしいです。
実は、だいたいアウトラインはできあがっていて
第6回の話の進め方や、ツツミ先生とお話しをする場所も
決まっております。天候は大雪の予定です。
法学教室、購入いただきありがとうございます。
他にもいろいろ興味深い連載がございますので、
私と西村先生が登場する一年間だけでも
定期購読、ご検討いただけるとうれしいです。
>Fさま
マニアックな原稿、お読みいただきありがとうございます。
参考文献には掲げておりませんでしたね。
どうしよう。
はい。きちんといろいろ文献引用しようと思いますが、
読んで面白いと太鼓判を押せるものにしぼって
やっていこうという方針なので、
引用文献は、ぜひぜひ参照していただけるとうれしいです。
しかし、基礎的自治体論文にも
堤先生が出ていましたか。
4番に頼り切るのもよくないですね。
わはは。