木村草太の力戦憲法

生命と宇宙と万物と憲法に関する問題を考えます。

重判書きました。

2012-03-26 16:38:47 | お知らせ
さて、シンポジウムも終わり、体調もようやく
36度台の大台にのり(なんとなく39度の方が大台な気がするが)、
月曜日もやってきたので、仕事をしてみたのですが、
思いのほか事務やら、こまごまとした仕事が多く、
ちょっと、まともな記事が書けません。
すいません。

シンポジウムの際にも、ある学生の方から、
ブログの記事、がんばって更新してください!とのお言葉を頂いたのですが・・・。

ほったらかしの連載もあるので、随時がんばっていきます。


いやあ、さすがに4月2日は講義ないだろうと思っていたら、
法科大学院、2日開講のような予感がしてまいりまして、
わっははは。いや、まいったなあ。
情報法の準備を急ピッチっす。


さて、ここで最近の仕事のお知らせです。
4月の冒頭に出版されます平成23年度重要判例解説(有斐閣)。

大阪高裁の民法900条違憲判決の解説、
私が、書きました。

専門分野ということで、気合入れて書きました。
900条問題の決定版を書いてやるぞ、という意気込みです。

これは昨年の棋王戦で渡辺竜王が、5八金急戦の決定版を、という意気込みに
負けないつもりです。ごごごごご。

渡辺竜王は、常々、
「ゴキゲン中飛車気に入らない。終わらせる。」と言っています。
これは、ゴキゲンを指す棋士が気に入らない、と言う以上に
それに引導を渡せない居飛車党の党員たちが気に入らない、という
竜王らしい妙なニュアンスに充ち溢れていますが、
私も
「民法900条4号但書前段は気に入らない。終わらせる。」という気合で、
これは、合憲論者・最高裁はもちろん気に入らないのですが、
それに引導を渡せないぬるい違憲論を展開する違憲論者たちも気に入らんという
やはり妙なニュアンスに充ち溢れて読んでほしい言葉です。

いやあ、ほんとに妙なニュアンスだなあ。


さて、そういうわけで、ここで宣伝するまでもないくらいメジャーな書籍ですが、
平成23年度重要判例解説、よろしくお願いいたします。

予定では4月9日だったかな。

お読みになった方、感想きかせてくれるとうれしいです。
コンパクトに(意外と知られてない、書かれていない)最重要論点を網羅しました。




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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (F)
2012-03-26 20:02:57
今年の重判はいつごろ出るのかなぁ、と
ちょうど気になっていたところにタイムリーな記事でした。
堀越事件など今年は憲法に熱い判例が
勢ぞろいかなと楽しみにしていたところです。
(まだ有斐閣のHPにはタイトルリストはUPされていないみたいですが)

木村先生が執筆担当されていらっしゃるなら
発売日に買いますね。
楽しみにしています。

シンポジウムには行けませんでしたが
体調のすぐれない中、お疲れ様でした。
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先週はお疲れ様でした (トトアルフレード)
2012-03-27 07:20:15
シンポジウム当日は、具合の悪い中サインに応じて頂き、ありがとうございました。

つい、更新楽しみにしています、と催促のようなことを申し上げてしまいましたが、もちろん先生にお時間のあるときに、のんびり更新して頂ければ幸いです。

緻密な憲法論を噛み砕いて記事にしてくださるのは、大変な作業ですよね。

重判の発売も楽しみにしています。
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>みなさま (kimkimlr)
2012-03-27 15:44:49
>Fさま
こんにちは。そういっていただけますと
書いたかいがあります。
是非感想きかせてください。

>トトアルフレードさま
ニュウシネマパラダイス、いいですよねえ。
はい。

それではお言葉に甘え、ちょっと、今週末はのんびりしようと思います。
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Unknown (F)
2012-03-27 23:59:13
木村先生

くしくも明日ぐらいにAmazonで頼んだ「平等なき平等条項論」が届きます。
今回の重判解説とどの程度関連しているかわかりませんが、
4/9まで予習(?)ができそうです。

話は変わりますが、定期購読している法学教室4月号が今日届き
早速「憲法学再入門」拝読させていただきました。
冒頭からツツミ先生登場でブログを読んでるような親近感がわき
ちょっぴり嬉しくなりました(笑)
「代表」概念は今ひとつよくわかってないので
ありがたいスタートです。
これからじっくり読みます。
いまだに
「半代表って何?どう『半』ってどいういうことだろう」
という疑問が払拭できていないので。。。

疑問点が整理でき次第、質問させていただくかもしれません。
よろしくお願い致します。
返信する
やったー! (ララオ)
2012-03-28 01:28:18
ぜひとも先生に解説してほしかった判例だったので、うれしいです。
(むしろ全部解説してほしいですが。笑)

法学教室も早く読みたいー><
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Unknown (korosuke)
2012-03-30 15:33:17
 名著「憲法の急所」以来先生のファンです。

 先生の「国民の意思と人格―帰報:統治機構の、いや法学の基礎知識」(法学教室)拝読いたしました。抽象的で難解なテーマが丁寧かつ明晰な論理で―ユーモアも交えつつー解説されており、大変感動致しました。「国民の意思」を詰めて考えるとここまで深くなるものなのですね。新たな視座が得られました。ありがとうございます。
 ただ、私の理解力不足のせいで、会話文が連続する場面で、いずれの先生の発言かわからなくなることがありましたので、もう何度か読み込みたいと思います。

 お体に気をつけて、がんばってください。応援しています!
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>みなさま (kimkimlr)
2012-04-01 08:19:45
>Fさま
おお!平等論も。
あの本と重要判例解説、あわせてよんでいただければ、
900条については、完璧かと。
どうもありがとうございます。
重判でたら感想きかせてくれるとうれしいです。

>ララオさま
法学教室はご覧いただけましたでしょうか?
私も重判楽しみっす。

>korosukeさま
どもありがとです。

ゆっくり読んで頂ければ幸いです。
大事なところは太字にしてみました。わはは。
返信する
Unknown (F)
2012-04-03 19:01:55
先生の著書は1部を読み終えたところです。
立法目的が事実認定によって画定されるのか
それとも法解釈によって画定されるのか(48頁あたり)といった視点は参考になりました。
てっきり私は、立法過程における議事録等から
認定しているものだと誤解していました。

自治研究80巻4号(御嵩町における~)も注で紹介されていたので図書館でコピーして読みました。
「条例の区別の不合理性審査を拒否した判決」
という分析も興味深いものがあります。

また第1部で判例の問題の所在がコンパクトに
かつクリアにまとまっていたので、理解の助けになりました。
確かに、「差別」とはなんぞや、という点に
判例は態度を明示していないことを
再認識しました。
と、書き出すとキリがなくなってしまうので
本題へ。1点質問させて下さい。

金融・商事判例1382号を図書館でコピーして
大阪高決平23.8.24の事案・判旨を読みました。
(以下、金判に合わせて
B(配偶者)、A(非嫡出子)、CDE(嫡出子)とします。)

1審判では相続分が
B-1/2
A-1/14
CDE-1/7
となり、AがBCDEを相手方として抗告し、
高裁で900条4号但書が違憲無効とされた結果
B-1/2
A-1/8
CDE-1/8
となりました。

このあと、嫡出子CDEには抗告の利益がありますが、
配偶者Bは抗告が可能なのでしょうか?
ACDEの相続分が変化してもBには影響がないので、
決定に不服申し立てる利益がないように思えます。
第三者の主張適格の問題?とふと気になったのでご教授下さい。


引き続き「平等条項論」読みます。
第2部が楽しみです。
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>Fさま (kimkimlr)
2012-04-03 21:59:20
ええと、どこが不満だったのか
という細かいところは忘れてしまいましたが、
遺産分割は、分割割合とは別に、
この証券じゃなくてあの土地がほしかった、
資産価値の評価が低すぎる、高すぎる
みたいな不満が残ることがあるので、
分割割合以外の点で、抗告があったのだと思います。
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Unknown (F)
2012-04-04 21:25:22
木村先生

回答ありがとうございます。
本件ではあまり違憲主張適格は心配しなくて
よさそうですね。

一般論としてはどうなるのか、、、
AがBに比して差別されているときに、Cが
14条1項違反を主張できるのか?
ちょっと考えてみます。
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