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木村草太の力戦憲法

生命と宇宙と万物と憲法に関する問題を考えます。

ご質問について

これまでに、たくさんのご質問、コメントを頂きました。まことにありがとうございます。 最近忙しく、なかなかお返事ができませんが、頂いたコメントは全て目を通しております。みなさまからいただくお便りのおかげで、楽しくブログライフさせて頂いております。これからもよろしくお願い致します。

一目の一手

2016-02-15 14:25:28 | ちょっと一言
昨日はバレンタインデーということで、
世界はチョコでつつまれていたわけです。

そんな中、昨日、
知人から相談があるとのお話をいただきまして、
どうもその人、
ある人からチョコをもらったのですが、とのこで、
いやはやそれはおめでとうと思ったのではありますが、
そこから妙に深刻な顔になりまして、
いわく

「つきあっている恋人から、

 『一目で義理と分かるチョコ』を

 もらったのですが、これをどう理解すればよいのでしょうか?」

と・・・。

いやはや悩ましい問題です。

外国語の学習方法

2016-02-08 15:11:36 | ちょっと一言
毎週金曜日予定更新の予定が、
出張で遅れてしまった今日この頃。

教養学部のころに、ある先生が、
昔(といってもかなり昔で明治時代)は、面白い本読もうと思ったら
外国語ができんとあかんかったが、
最近は、文学でも論文でも、いいものは片っ端から翻訳されてしまうので、
若者は、翻訳で満足してしまい外国語を勉強しなくなってしまった
と嘆いておりましたのを思い出します。

確かに、外国語を楽しめるまで読めるようになるのは
なかなか大変ですものと思う訳ですが、
そのあと、この先生は、さらに、日本人の英語力を高めるための方法として、
「外国の傑作ミステリを片っ端から訳す」
という提案をしました。

いや、訳したら意味ないだろうとの突っ込みが入りそうですが、
そこで間髪いれずに

「ただし、訳すのは上巻だけ」

と一言。

確かに、すごく面白い本が上巻だけどんどん訳されて行き、
日本国民がもんもん状態で、下巻の原著売ったら売れるかもしれん。

そう考えると、ハリーポッターも3巻あたりで翻訳を止めておけば
日本人の小学生の英語力はものすごいことになっていたやもしれん。

スターウォーズも、字幕・吹き替えは前半だけにしておいたらどうだろう?

好きな駒における法律家(2)

2016-01-21 21:39:03 | ちょっと一言
好きな駒は何ですか?」という質問は奥が深い。


さて、話は本題に入り法律の話である。

法律の世界は、囲碁の世界と将棋の世界、どちらに近いかと言われれば
将棋に近い。

一つ一つの条文には個性があり、それぞれ違った役割がある。

例えば、憲法の9条と21条では、飛車と香車のように役割が違い
一つ一つの石に個性のない囲碁の世界とはちがう。

(もっとも、囲碁に詳しい友人によると
 達人になると、一つ一つの石の個性が見分けられるようになるそうで、
 彼は、二つの黒石を指さしながら、
 法律でいうとこちらが刑法18条、こっちが会社法121条だ
 と説明していた。
 もちろん私は話をきいていてちんぷんかんぷんだったが、
 おそらく、刑法と会社法の勉強不足だろう)

さて、となると法律家たるもの「好きな条文は何ですか?」と
しょっちゅう聞かれているはずだが、
私自身、意外とそんな質問をされた覚えはない。

確か、昨年5月、あるニュース番組の憲法特集の取材を受けた時に
「好きな憲法条文は?」と問われ、
そういえば、そんな質問があるのか、と思った次第である。

それをうけ、法科大学院で、院生たちに
「好きな条文は?」と聞いてみたりしたが
やはり、それをすらすら答える方はいらっしゃらない。

法科大学院生なのだから、それこそたくさん条文を知っているはずで

権力者のロマン、ワイマール憲法48条。

李白が見たら激怒するアメリカ合衆国憲法修正18条。
(すごい条文なのでぜひ調べてみてほしい。
 あの「山中与幽人対酌」は、
 この条文にキレた李白の作品だという)

無茶な契約条項があったときに
実にいやらしい働きをする民法415条と
考えてみればいろいろ思いつくはずであり、
どの条文をあげるかによって性格診断もできそうである。

また、われわれ憲法学者は
「好きな憲法の条文は何ですか?」と問われるわけだが、
憲法は、まあ人権保障など、格調高い条文が多く答えやすいが
刑法学者に「好きな刑法の条文は何ですか?」と問うと、
何を答えても犯罪である。難しい。

ついでに言うと刑法学者が専門をかたると冗談のようになる。

ある大学の教授会で、
新任の刑法学者が「詐欺のプロ」と紹介され、
あやうく採用を取り消されかかったという。

おまけに将棋の駒といっしょで状況というものがかかわってくる。

藤井九段の「駒台の上の金銀三枚」というのを
法律の条文でいうと、何だろうか?

というようなことを考えてみる今日この頃であった。





好きな駒における法律家(1)

2016-01-15 22:48:40 | ちょっと一言
将棋界の定番の質問として、
「好きな駒は何ですか?」というものがある。

将棋は駒に個性があるため、
その一つ一つに愛着がわくのだ。

このため、好きな駒質問は
将棋ファンやプロ棋士への定番の質問であり、
羽生名人のクラスになると、
人生において数千回は質問されてきたことだろう。

この質問だが、傾向としては、
「飛車」と「桂馬」という答えが多いことで知られる。

飛車は最強の駒であり、
桂馬はその動き方が特殊だから、
そう答える人が多いのはよく分かる。

もっとも、藤井九段クラスになると、
より創造的な回答になり
「駒台の金銀三枚」ということになる。

私は、これを聞いて、
自分の「好きな駒」の概念がいかに浅薄だったか反省をした。

私の好きな駒は「玉将」、
理由は「絶対取られたくないから」という単純なものだったが、
考えてみれば、駒が好きかどうかは状況に依存する。

(なお、玉将については、
 「こいつのせいで負けたから」という理由で
 むしろ嫌いな駒に挙げる人も多い。
 いわれてみればなるほどで
 私も将棋の敗因のほぼ100%が玉のせいである) 


歩切れをつかれて香車を撃たれたときに
「好きな駒は何ですか?」と聞かれれば
(なぜ、そんな切羽詰まった状況で、そんなのんきな質問をされるのか
 という問題はあるが))
誰でも「歩だよ、歩!きまってんだろ」というだろう。

あるいは、いくら飛車が好きでも
△1九銀成、▲同飛車の結果、飛車が
香車並みの働きしかできなくなり、
それでもその飛車が好きだという人はいないだろう。

こう考えると、「好きな駒は何ですか?」という質問は奥が深い。


さて、話は本題に入り法律の話である。・・・・つづく

卒業式と年賀状

2016-01-08 19:35:59 | ちょっと一言
大学最大のイベントは卒業式である。

最大のイベントが
組織からの追い出し式ということで、
大学というのは、なんともせちがらい団体である。

ただ、やはり卒業単位がきちんとそろうか、
ということは、とても心配なことで、
とある老教授も、いまだに、単位不足(体育の単位が1足りない)で
大学を卒業できない悪夢をみるという。

そんな単位不足の夢で心配になっていた今日この頃、
お正月に、とある方から、年賀はがきをいただいた。

とある方と表記するのは、別に個人情報を保護しているわけではなく、
名前が分からないからである。

その年賀状、宛先は、私なのだが、送り主の名前がない。

そして、「あけましておめでとう」のあと

「はやく法学部に帰ってきてください」

と一言、記されていた。


今現在、私は「法学系」というところにいて
法学部に所属しているのとはちょっとちがうのだが
まあ、同じようなものである。

ただ、名称が違うので法学部にいないといえばいないかもしれない。

この年賀状のメッセージをどう読み解けばよいのか。

「いまのところから出てってくれ」

ではなく

「帰ってこい」

と書いてあるから、
恐らく、送り主は、法学部に所属している人物なのだろう。


問題は、なぜ法学部に帰ってきてほしいかだ。

私はかつて法学部に所属したことがあるが、
そこに所属する目的はただ一つ。
単位をとることである。

ということは、私が法学部に帰る理由があるとすれば、
単位をとりわすれているということではないか。

そうなると、送り主は、私が昔、登録していて
誤って単位を認定してしまった恩師ということになる。怖い。

冒頭で紹介した悪夢がまるでカムトゥルーしているようだ。
そして、カムトゥルーに示された私の語学力からして
誤って認定された単位は英語であると考えるのが相当であろう。