



朝早くから来ているが、私の顧客も何人か訪れ、慌しい一日であった。

本来の計画では、仕事を終えた後、高山方面に向かって、明日は乗鞍岳(標高=3026m)に登る計画をしていた。
しかし、明日の気象予報は思わしくなかった。

仕事を終えて、20時頃に店の外に出ると雨が降っている。

私は妻に「明日の乗鞍岳登山は延期しょう」と言うと妻もうなずき、今回の登山の中止が決まった。

この日は、近くの道の駅「日本昭和村」で、昨夜に引き続き車中泊をすることにした。

7月9日(水)朝6時過ぎに目覚める。天気は曇り空である。

朝食をすました後、私達は、世界遺産にも登録され、国選定 重要伝統的建造物群保存地区に指定されている、岐阜県白川郷合掌造り荻町集落へ行くことにして出発して行った。

美濃加茂ICから東海環状自動車道で美濃ICまで行って、そこからは長良川沿いで景色の楽しめる、国道156号線を北上するルートを選んだ。

長良川は、最近雨が多く降ったせいか少し増水している。
ダムのない清流、長良川の景観は、どこの場所から見ても、よどみのない透き通った清水が、山間の所々に出来た奇岩の渓谷を這うように流れる様や、ゆったりとした水面を形成して、流れ様などの美しい光景を、眺めているだけでも、あきることがなかった。

曇り空の天候から、途中であいにくの雨模様の天気となったが、長良川の川岸から所々で鮎釣りをしている人を見かける。

かつて、休日になると、両岸が鮎釣りの人達で、埋め尽くされていた光景が思い出されてくる。

車は程なく、徹夜踊りで有名な郡上八幡を通過して、白鳥、長良川鉄道の終点である北濃駅をも通過して行った。

この当たりは、かつての真冬には、道路が雪で白一色に覆われる地域でもある。

標高1000m近いひるがの高原の坂道に取り掛かかり、愛車は高度を上げて行く。
程なくして、道路脇にある夫婦滝駐車場に到着した。

滝は、駐車場から100mぐらいのすぐ近くにある。
流れ落ちる轟音が聞こえてくる。
ブナなどの大樹林に覆われた森の中で、川岸の出来た歩道を少し進むと、二つの滝が寄り添うようにして流れ落ちている夫婦滝が見えてくる。
以前より水量が多く感じる。
岩の上には苔があり、水量がこれ以上増水しないことを意味している。
清流には苔が良く似合うと思う。

この位置からの清流と滝の光景が、すばらしく見えてくる。
上空から水量と共に落ちてくる、空気がしずくを運んで私の肌を湿らし、発生するマイナスイオンが、心地よく感じられてくる。


長良川の清流と寄り添うように流れ落ちる夫婦滝


苔のある岩と夫婦滝 滝つぼに流れ落ちる夫婦滝
夫婦滝から国道156線を5分ほど走ると、そこには、ひるがの高原の平原部で太平洋と日本海を隔てる分水嶺公園がある。

写真のように、太平洋と日本海に、水が分かれて流れていく様子を、見ることが出来る、日本では数少ない光景の場所である。

ひるがの高原は標高900mに広がる高原で、岐阜県の美濃と飛騨地区の境にあり、清流長良川の最源流でもある。
高原の中には、牧場のほか、花と動物のテーマパークの牧歌の里や、湿原植物園、スポーツ施設など多数の見どころや、遊びどころがある。



分水嶺看板、長良川から伊勢湾と荘川から富山湾に流れる

分水嶺 左側が太平洋、右側が日本海へ流れる

分水嶺 右側が太平洋、左側が日本海へ

ウインターリゾートの中心地 ひるがの高原スキー場
ひるがの高原の中心部で、近くには水芭蕉の群生地などがある。


この高原は、別荘なども多く建てられ、夏場にはスポーツトレーニングや避暑・観光などでやってくる人たちで賑わう、人気の高い高原である。


私も若かりし頃、この高原で何日か過ごしたことが思い出されてくる。
冬場はスキーのメッカで、この近辺には大規模なスキー場が幾つかあり、スキー客でも賑わっている。

特に最近は、東海北陸自動車道の開通で、関西方面からこられる方が多いようだ。

ひるがの高原に咲く花
ひるがの高原の散策を終えた、私達は20分ほど行った所の、御母衣ダム湖畔にある、荘川桜を目指して車を走らせて行った。


二本の荘川桜 樹齢400年


ダム建設に伴って水没の境内から移植された荘川桜

荘川桜の公園からの御母衣ダム


マイカーを運転しながら、一人旅を続けているとのことであった。

愛想の良い、しっかりした娘さんで、昨夜、神戸を出発、東海北陸自動車道を利用して、この地域を訪れたとのことで、次は白川郷、五箇山の合掌造り群落を観光して、金沢まで行きたいとのことであった。

途中で妻が、我が家自慢のブラジルコーヒーの準備が出来たとの、呼びかけがあり、娘さんにも勧めたところ、気軽に応じてくれた。

コーヒーの味も一口飲んで「おいしい」と愛らしい表情で言ってくれた事が印象的である。

行先が同じ方向であることから、「また会うかも知れないネ」と言って、私どもは先にマイカーを白川郷方面へ走らせていった。


神戸からこられて知り合った一人旅の女性と妻
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