




明日は岐阜県に住むブラジル人夫婦が、大阪の自宅へ訪れてくる予定である。

ところが、この夫婦より緊急の連絡が入り、明日から3日間、店も休業し、広島に行きたく、私達の車で案内してほしいとのことであった。

あまりにも急な話なので、最初は断ろうと思っていたが、どうしても行きたい
とのことで、家内と相談した結果、この夫婦は日本語がほとんど分からず、日本での旅行も、したことがないことや、ビジネスの関係もあることから、今回は同行して行くことに決めた。

5月12日(月)の午前中に、広島市内の広島ユースホステルに、4名2泊の予約をした。


このYH(ユースホステル)は昨年11月の、広島旅行の折に利用した、馴染みのYHである。
昼の12時、愛車エステイマで、大阪の自宅を家内と二人出発する。

岐阜県に住むブラジル人夫婦とは、新神戸駅(新幹線)で落ち合う約束である。
13時20分に新神戸駅に到着し、ほどなくして、ブラジル人夫婦と落ち合った。

この夫婦は、岐阜から名古屋駅経由で、新幹線に乗車して、新神戸駅まで来たとのことであった。 岐阜県美濃加茂市で、ブチックとレストランを経営している。
日本に来て8年ほどになるが、新幹線には初めて乗ったとのことであった、開口一番「そんなに速くなかった」であった。

また、夫婦では始めての国内旅行で、楽しそうなルンルン気分のようであった。
新神戸駅で落ち合ってから、早速、私達は阪神高速道路から第二神明道路へ入り、信号機の少ない国道2号線バイパスを、兵庫県竜野市まで走行して行った。

そこからは、山陽自動車道 竜野ICまでは3km位の距離である。
山陽自動車道は広島ICまで走行する予定である。

途中のSAでの休憩を挟みながら、5時頃には広島ICに到着、広島YHまでも広島ICから20分ほどで到着した。

昨年、11月にも来た、馴染みのYHで、なかなかの美人で愛想の良いフロントの女性が出迎えてくれる。

フロントで2部屋2泊で、4人分の料金(19520円朝食付)を支払った。
やはりYHは2泊で 5000円/人 と極めて安く、何よりも魅力的である。
外人夫婦もこの値段にはびっくり、私達にとっても、YHを利用し始めると、やめられなくなる。
YHは基本的には、洗面用具などはなく、

勿論、バストイレや洗面所は室外に設置されていて、多少の不便さを感じるが、慣れてしまえば、全く気にかからなくなる。

今日は夕食の予約はしていないため、広島市内の中心部で、食事をすることにしていた。

YHに到着してすぐに入浴、全員で公共交通機関「アストラムライン」 を利用して、市内の中心部へ出かけていった。

「アストラムライン=地下鉄」の終点の 本通り駅で下車し、地上の紙屋町商店街アーケードの、入り口付近の居酒屋に決めて入っていった。
ブラジル人夫婦にとって、居酒屋に入るのは、初めてとのことであった。
感じの良い店である。
50人~60人位は入れそうな店で、可愛い制服を身にまとった若い女性が応対に出てくる。
私達を窓側の、眼下にアーケードを通行する人たちが、良く見える席に案内してくれた。
メニューは豊富だ、夫婦も大喜びで、自分達の好きそうな肉料理に目がいっている。

隣の奥さんはダイエットを気にしてか、サラダ料理が目にとまっているようだ。 私達は魚料理が目にとまる。
各々が好きな料理を発注して、ビールで乾杯だ。

居酒屋の良さは、まず第一にメニューが肉や魚、野菜などと豊富で、経済的であることだ。

ほどなくして注文した料理も出揃い、居酒屋のめずらしそうな料理を、おいしそうに食べる姿が印象的である。
しかし よく食べるのには驚く、オーダーも3回をこえていた。

お酒も、ビールから大吟醸の冷酒に変わり、日本のお酒が、こんなにおいしいのは初めてといって、大満足そうであった。

2時間ほど過ごしたあと、近辺の市街を散策してYHへ帰っていった。

居酒屋を初めて訪れたブラジル人夫婦
入店前に、居酒屋玄関にある水槽の中を、泳ぎまわる魚を見て喜ぶ夫婦

干潮の大鳥居
5月13日(火)今日の天気予報は曇り時々雨である。午前8時にYHを出発、広島市中心部を通り、2号線から宮島へのルートである。

YHを出発して中心部を通りかかった時に猛烈な雨が降り始めた。

通勤途中の人たちで、ごったがやしている中を、傘もささず、ずぶ濡れになりながら走って行く若い女性の姿があった。

可愛そうに、風邪でもひかなければと思う光景である。
車は中心部から、2号線バイパスに入り、宮島方面へ走行して行く。
雨も走行していくに従って小降りになっていく。

宮島フェリー乗り場に到着した頃には、雨は完全に上がっていた。

宮島口に到着後に、愛車エステイマを近くの駐車場に止め、宮島に向かうフェリ-に乗って行った。

今回の宮島厳島神社は、干潮で大鳥居の下まで、歩いていくことが出来る。
大鳥居の下では、数人の修学旅行生が記念写真をとったりして戯れている。
ブラジル夫婦も厳島神社をバックに記念の撮影をする。

干潮の砂浜からの厳島神社


宮島ロープウエー 広場からこの階段を登り頂上へ向かう
潮の引いた大鳥居や厳島神社を、砂浜から歩いて見学した私達は、神社の参拝を後にして、弥山(海抜=530m)をロープウエーで昇る事にした。

ロープウェー乗り場は神社から歩いて15分程の所にある。

ロープウェー頂上の獅子岩駅に到着して、眼下に広がる瀬戸内海のすばらしい眼望を満喫した後、弥山頂上を目指して歩いて行った。

山頂への遊歩道は広い道だ。15分程登ると弥山本堂と霊火堂の広場に出る。
広場から石段を登ると三鬼堂があり、つづいて文殊堂。巨岩が次々と現れて、石段を登ると、弥山山頂の広場に到着した。

山頂には展望台があり、瀬戸内海の大パノラマを楽しむことができた。


弥山頂上から獅子岩駅と瀬戸内海の景観

弥山頂上でのブラジル人夫妻

厳島神社の雅かで鮮やかな朱色の東回廊
弥山への観光を終えた私達は、厳島神社を訪れた。
厳島神社のシンボルである大鳥居の周辺は、先ほどの干潮から潮が少しずつ満ちてきており、今は歩いていくことは出来なくなっている。
神社の入り口で拝観料300円を支払って、雅やかで鮮やかな朱色の東回廊に足を踏み入れる。

何回来ても、厳粛なたたずまいの神社回廊の朱色の美しさはあきることがない。
ここから望む大鳥居の構図も見事な美しさである。

私はこうした厳粛な神社の雰囲気から拝殿に進み、本殿で参拝する。
平舞台の周辺では多くの観光客で賑わっている。
平舞台の西側からの、山の上に赤く聳え立つ五重の塔と神社の景色が美しい。なんともいえない構図である。

厳島神社第一の撮影ポイントであると思われる。

多くの方が、記念撮影のシャッターを盛んにきっている。
ほどなくして厳島神社の見学を終えた私達は、近くの水族館を見学して、フェリーに乗船、下船後には愛車をとめてある駐車場に向かって行った。


干潮時の神社回廊

本殿からの大鳥居を望む

神社火焼前(ひたさき)から大鳥居をバックに


五重塔をバックにブラジル夫妻 修学旅行中の女子学生と五重の塔
厳島神社内のこの場所からの撮影が第一ポイントと思われる

五重塔

満ちてくる潮の厳島神社を背景の夫妻

帰りのフェリー内で女子学生と記念撮影の夫妻

このフランス人の方は年齢が61歳で、一人で世界中を旅行しているとのこと、
日本も各地を旅行して明日は九州へ行って、観光した後、韓国に渡り、五月末には帰国するとのことであった。
YHに帰って、入浴を済ました後、私達は市内の中心部で、夕食をすることに決めていた。
このフイランス人にも声をかけたところ、快く快諾してくれた。
今日は5人で出かけ、紙屋町の居酒屋に入った。

フランス人も居酒屋は初めてとのこと、最初に日本酒の冷酒で乾杯する。

お酒は好きそうである。乾杯のお酒をおいしそうに飲む姿が印象的であった。
会話の言葉は、スペイン語、ポルトガル語、英語、日本語など独特の言葉が交じり合った会話になっているが、全員が楽しそうな笑顔を、絶やさない夕食のひと時であった。

5月14日(水)YHで朝食を済ました後、

昭和20年8月6日 原爆ドーム上空600mの空中で投下された原爆が爆発する。

平和記念資料館は、原爆の凄惨さ、平和の尊さを後世の人たちに、伝える為につくられた資料館である。

資料館では原爆直後の広島市内の写真や模型、凄惨な状況などが展示されている。

原爆死没者慰霊碑の前で
原爆投下によって、24万人以上の方々が、生命を奪われたと言われている。
平和公園の中央にある碑には、花束が捧げられ、訪れるて慰霊する人も後を絶たない。

広島平和記念資料館の前で私達に同行していたフランス人旅行者

「原爆の子の像」の前広場で慰霊する子供達
原爆で亡くなった全ての子供の慰霊を慰めようと建てられた慰霊碑である。
多くの小学生が「原爆の子の像」前の広場で慰霊する光景が見られた。

偶然に出会ったブラジル女性とフランス男性と一緒に

原爆ドームの前で

満開のバラと原爆ドーム
午前中で平和公園を訪れた私達は、見学も終え、フランス人も次の予定地、九州福岡へ旅立ち、私共も大阪方面の帰路についた。

来た道の山陽自動車道を走行し、神戸駅までブラジル人夫婦を送り、私どもも大阪の家路に着いた。
