





高知のこの家は、以前は私の母が一人で住んでいたが、私が大阪の家に引き取ってからは、ずっと空き家になっている。


その母も一昨年に、この家のリニューアル中に、95歳でこの世を去り、今は私が法事やお墓参りなどで、時々帰省しているような状況である。




新婚カップルの家族と妻(大歩危小歩危)

アメリカからやってきた孫娘と妻(大歩危小歩危)

母親は何回か我が家を訪れているが、ブラジルに住む花嫁花婿は、日本を訪れることも初めてであった。

花嫁の母親は日系ブラジル人で父親はイタリア系のブラジル人である。花婿はブラジルの社会保険庁に勤める、ヨーロッパ系のブラジル人で、日本に来るのは、勿論、初めてで今まで、日本との縁は全くなかった。

当初の予定は大阪で数日間過ごす予定であったが、急遽、私の急用の為に、高知へ同行して行くことになった。



母親は栃木県に住んでいて、ブラジルに住む娘が結婚して新婚旅行で来日、母親が日本の主な観光地を案内しているとのことであった。

私の急用の時間の関係で、高知へは夜中の3時に出発することになった。

湾岸線から阪神高速へ入り、淡路鳴門自動車道の明石海峡大橋を経由、して徳島自動車道に入り、井川池田ICから国道32号線に入った。

夜も明け始めた午前6時頃には、大歩危小歩危渓谷の駐車場に到着していた。
新婚カップルはぐっすり眠っている。

母親がブラジルにはない、このV字谷渓谷の景観に驚嘆し、娘夫婦に見せようとして起こす。

娘夫婦は車外に出て初めて見る景観の第一声が

「この景観を見ただけで、ここまで来た甲斐があった、ほんとに良かった」 であった。 暫くこの景観を見とれている姿が印象的であった。


また、50日後にはアメリカフロリダ州から来た二人の孫娘たちも、同じようにここに連れて来る。

同じ景観を見て、はしゃいでいる姿も思い出されてくる。






土佐の里山「佐川町尾川」の長閑な風景

「ふれあいの里尾川」入口にあずまやや花壇などが整備されている

ふれあいの里尾川の建物 手前の下には川が流れている

稚木(わかぎ)の桜 本町出身の牧野富太郎博士が尾川で発見

稚木(わかぎ)の桜、3m程度で小さくて可憐な愛らしい桜

新婚旅行中の仲むつましいブラジルのカップル


JR土讃線で特急も停車する佐川駅から5kmの所に、私の故郷の里山「尾川」がある。


尾川の中央には清水の川が流れ、6月頃には蛍が舞わっている光景も見られる。

地域交流促進の為に造られた施設「ふれあいの里 尾川」も家のすぐ近くにある。



湯の森(中津渓谷)にて 横波スカイラインにて

横波スカイラインにて


湯の泉質も良く、評判の良い温泉である。新婚夫婦や孫達も、この温泉が大変気にいっていた。

特のブラジルの花婿は入浴後「こんな温泉がブラジルにあれば毎日でも入りたい」言うほど気に入っていた。

佐川町から南方面に30分ほど行った所に、海の街、須崎市がある。

須崎市から、さらに南へ行くと風光明媚で太平洋に面した、横波スカイラインがある。

私は彼らをそこに案内した。孫娘たちの時も同じである。

山間部の道を暫く走ると亜熱帯の植物が目に入り始めると、すぐに景観が一変し、青い空の下、岩壁の眼下に広がる太平洋が突然目に入ってくる。

岩壁の岩場には荒々しく押し寄せてくる、太平洋の波が、真っ白な泡となって、新たな景観をつくっている。

この絶景に感嘆の声を出して、見とれているカップルの姿があった。
孫娘たちの時も同じ様に、歓声の声をあげ、はしゃいでいる姿が思い出されてくる。


桂浜を裸足で歩いたり戯れるブラジル夫婦

荒々しく真っ白な泡を立てながら打ち寄せる波を背景に孫たちと妻
横波スカイライン終点の、宇佐大橋手前の公園で、昼食をすませた後は、海岸線の道路を通って桂浜に行った。30分の距離である。

桂浜はよさこい節で月の名所として歌われた大変景色の良い浜辺である。

また。坂本竜馬の像や水族館、土佐犬の闘犬センターなどもある。

ブラジルのカップルもこの浜辺が大変気に入った様子で、すぐに靴を脱ぎ、裸足で波と戯れたり、水際を歩く姿が印象深く残っている。
熱帯のブラジルの人たちは海が好きだなーと改めて思った。

孫達もこの浜辺が気に入って慶んで戯れている姿もあった。

土佐の新鮮なかつおなどの魚や、さわち料理にも大満足であった。

坂本竜馬の像に抱きつく孫立ち(桂浜)

) 五台山(高知市)の南国土佐を後にしての石碑の前で

土佐のさわち料理人数により盛り付け内容が違ってくる

活きの良いかつおを中心とした刺身

その席で、ブラジルの花嫁に着物を着せたいとの話しが持ち上がり、近所の人たちの協力によって20日に着せることになった。

勿論、花嫁は着物を着たことは一度もなく、振袖を着ることに、小さい時から、あこがれていたとのことであった。

翌日の朝、近所から着物が届く、着物の着付けの方も近所にいる、髪に手入れは、妻が元美容師で合ったことから問題なく出来た。

思いがけない娘の振袖姿に、感慨ひとしおの母親の姿があった。
写真のようなきれいな花嫁が見られ、私達も大満足の一日であった。
花婿の和服は私の物だが、身長で17cmの差があり、小さいがやむを得なかった。
それにしても美しい花嫁姿である。

本人も念願かなって「着物が着れて本当に良かった」「一生の思い出になります」と、花嫁の言葉があった。
花婿も自分の花嫁の着物姿に、感動している様子であった。

ブラジルに帰国してからの連絡によると、私が撮影したCDを見て、両親が大喜び、友達も毎晩のように自宅を訪れ、日本でのCDを見て、うらやましく帰るとのことであった。

最近の連絡では、待望の赤ちゃんがお腹の中に出来たとの吉報があった。

当時、カップルは自分達の子供に関して、女の子なら「さくら」、男の子なら「かつお」に命名したいといっていた。



大阪城を背景に和服が良く似合う 映画「ラストサムライ」に似ている 和室での記念撮影

初めての着物で図柄を見せる花嫁
ふれあいの里尾川 http://www.town.sakawa.kochi.jp/silk/fursato.htm