6月23日(火)今朝は、富山県にある道の駅「ウエーブパーク滑川=なめりかわ」で、妻と二人車中泊をしていた。 朝早くから目覚める。
それにしても昨夜は上空を低気圧が通過、雷を伴ったすごい豪雨で、見る見るうちに駐車場は水溜りと変わっていく状況であった。
それにひかえ今朝は雨もあがり、どんよりと曇っているが、気象情報によると快方に向かっていくようである。
私たちは朝食を済ました後、隣町のJR魚津駅へ愛車を走らせ、周辺の観光情報を仕入れることにした。
JR魚津駅前通り
JR魚津駅には20分ほどで到着する。
魚津駅は近代的な平屋の駅舎で、駅前には銅像があり、そばには大柱を中心に三角形を形どった幾重もの提灯が吊るし下げられている。
この三角形の提灯掛けの向こう側には、美しく整備された街並みの通りが、山てに向かって真っすぐに伸びている。
また、駅前には富山の名水と書かれた石碑があり、その麓からは滝のように清水が流れおちている。
私も喉をうるおしたくなって、飲んでみると冷たくおいしい水であった。
そばにある石碑には
「うまい水 ほんとうに魚津は水がうまく 空気もうまい 長生きしたけりゃ魚津においで うまい空気に水がある 」
と書かれている。
パンフレットを入手して行先を妻と相談した結果、近くにある「魚津埋没林博物館」に行ってみることにした。
博物館には5分ほどで到着するが、9時00分の開館時間までには少し余裕があった。
私には埋没林についての知識や情報は全くなく、上高地などの所々で見る、根元が水につかり、枯れた樹木の群生を想像するがどうも違う様である。
開館時間がきて入館料510円を支払って入館する。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/d8/f66440a31c2be198a47f5c02b757d3de.jpg)
魚津埋没林博物館の入口
入館すると、すぐに大木の樹根の切株が目についてくる。
これが埋没林の樹根で、館内には埋没林についての説明パネルが数多く展示されている。
それによると埋没林とは、文字どおり“埋もれた林”のことで、日本、あるいは世界の各地で発見されている。
どうして埋没林ができたのか、林が埋もれる原因として
①火山の噴火に伴う火山灰や火砕流、
②河川の氾濫による土砂の堆積、
③地すべり、
④海面上昇などさまざまな原因が考えられている。
埋没した林の年代もさまざまで、数百年前から数万年前のものまで色々とある。
ここ魚津の埋没林は、約2,000年前、片貝川の氾濫によって流れ出た土砂が杉の原生林を埋め尽くした後、海面が上昇、現在の海面より下になってできたと考えられている。
魚津埋没林は、生育した森林の場所全体が地下に埋もれて密閉されたと考えられ、大木に成長した木の株だけでなく、種子や花粉、昆虫なども残って発見されている。
そのために、過去の森林環境などを推定する大きな手がかりとなり、私どもにとっても大きな財産となっている。
また、魚津埋没林は、2007年5月10日、日本の地質百選選定委員会によって「日本の地質百選」に選定されている。
「日本の地質百選」とは…地域固有の自然遺産である地質について、世界的に見ても特殊な地質環境下にある日本列島のさまざまな情報を広く共有するため、全国から公募、選定されたものである。
今回は第1次として、約380箇所の候補の中から83箇所が選ばれている。
「日本の地質百選」について興味のある方は (NPO 地質情報整備・活用機構サイト内)で詳細な情報を知ることができる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/fd/34e4d8278b5da31adb5bd777cd03e52b.jpg)
入り口近くに展示している埋没林
この博物館では「埋没林」の他に「蜃気楼=しんきろう」が富山湾に出現した様子などを映像などで紹介している。
入り口から続いているホールを過ぎると常設展示通路があり、埋没林と同じ洞杉(どうすぎ)の紹介パネルや、蜃気楼のできる仕組み、当地となじみの深いNHK大河ドラマ「天地人=魚津の戦い」などを紹介している。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/ae/5405c2ece7809f06753673cd0dddb021.jpg)
埋没していた同じ樹木の洞杉の大木 複雑な枝形状や岩を抱え込むように生育している。
常設展示ホールを過ぎると通路は左右に分かれ、私どもは左側の水中展示館の方向に進んで行く。
すると大きな水槽の中に埋没林が展示している。
通路からガラス越しに見えるようになっているが、照明が暗く写真撮影はできなかった。
この施設について概要を紹介すると、
縦8m、横16m、深さ2.5mの水槽の中に埋没林が保存・展示されている。
ここに保存されている樹根の最大のものは、端から端まで約10m、幹の部分の直径約2m、樹齢500年以上と推定されている。
この水槽は、昭和27年に発掘された場所をそのまま利用してあり、中の樹根は当時のままの場所にある。
水槽の中の水は、地下水(真水)をポンプで汲み上げたものと、湧いてくる自然の地下水を利用している。
地下通路の窓から見る神秘的な樹根は、私達に古代から受け継いでくる何かを語りかけてくるように感じてくる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/66/8d55995b47ab41c14d02d2e666029cba.jpg)
水中展示館(手前)と乾燥展示館
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/91/8e1b9a5de63f4b053eccbdcfa970aed4.jpg)
水槽の中に展示されている埋没林のパネル写真
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/33/82502ff98259a3201f45348cd4df5c1f.png)
埋没林の写真の上半分は水面に反射して逆さに見えている(博物館写真)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/d2/711386bf5ef2f11a34fb286f773c2dfe.jpg)
すごいパワーを感じさす埋没林の絵 乾燥展示館に展示している埋没林
水中展示館から乾燥展示館に進んでいくと、大きな樹根や幹が展示され、埋没林発見の経過や地層などが書かれたパネルが掲載されている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/23/7f30abd9ffb9bc59725aa05cc6d15b99.jpg)
ハイビジョンホールなどがあるテーマ館(左)とドーム館
乾燥展示館を見学した後、さらに進んで行くとドーム館にやってくる。
この館では、平成元年の発掘現場を再現した樹根や樹幹、地層展示、分析資料などが展示されている。
ドーム館からさらに通路を進んで行くと建物の外部に出る、ここが「蜃気楼の丘」である。季節によってはこの場所から蜃気楼が見られるようである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/df/d5e22799b72cf9262c79d56bb567c821.jpg)
ドーム館の埋没林展示状況
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/32/945779f041d0caaa5ee1d3547e83d649.jpg)
ドーム館に展示されている埋没林
富山湾で見られる蜃気楼については、テーマ館ハイビジョンホールにて映像で詳しく紹介されている。
本物の蜃気楼は、訪れた時期など運がよければ見ることも可能であるが、季節的には春と冬に見られる。
一般的に蜃気楼といえば、春の蜃気楼をさすことが多い。
春の蜃気楼は、風景が上方に伸びたり反転して見える。
これに対して冬の蜃気楼は、下側に投影されるように見える。
蜃気楼の丘からテーマ館二階のハイビジョンホールに行くと、大型映像で埋没林や蜃気楼などを迫力満点の映像で紹介している。大変見ごたえのある映像である。
富山を訪れ、立山や350mの落差を轟音を発しながら流下する滝、自然の恵み一杯の寺院などと、この魚津埋没林などを見ていると、あらためて富山の自然の豊かさや、古代からの大地や自然、それと一体となっている樹木などと人間との関わりのある浪漫を感じさしてくれる。
2000年前から海底で腐朽することなく眠り続けた巨大な樹根の埋没林、その生命力やパワーには驚かされる。
やはり自然界にはすごいものがあり、自然界との調和なくして人類の発展はなく、自然界に存在する全てのものと、うまく調和できる世界、それと共生していく大切さを私たちに教えてくれているようである。
それにしても昨夜は上空を低気圧が通過、雷を伴ったすごい豪雨で、見る見るうちに駐車場は水溜りと変わっていく状況であった。
それにひかえ今朝は雨もあがり、どんよりと曇っているが、気象情報によると快方に向かっていくようである。
私たちは朝食を済ました後、隣町のJR魚津駅へ愛車を走らせ、周辺の観光情報を仕入れることにした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/b1/652b449a755f9bf17b25f953f17a619d.jpg)
JR魚津駅前通り
JR魚津駅には20分ほどで到着する。
魚津駅は近代的な平屋の駅舎で、駅前には銅像があり、そばには大柱を中心に三角形を形どった幾重もの提灯が吊るし下げられている。
この三角形の提灯掛けの向こう側には、美しく整備された街並みの通りが、山てに向かって真っすぐに伸びている。
また、駅前には富山の名水と書かれた石碑があり、その麓からは滝のように清水が流れおちている。
私も喉をうるおしたくなって、飲んでみると冷たくおいしい水であった。
そばにある石碑には
「うまい水 ほんとうに魚津は水がうまく 空気もうまい 長生きしたけりゃ魚津においで うまい空気に水がある 」
と書かれている。
パンフレットを入手して行先を妻と相談した結果、近くにある「魚津埋没林博物館」に行ってみることにした。
博物館には5分ほどで到着するが、9時00分の開館時間までには少し余裕があった。
私には埋没林についての知識や情報は全くなく、上高地などの所々で見る、根元が水につかり、枯れた樹木の群生を想像するがどうも違う様である。
開館時間がきて入館料510円を支払って入館する。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/d8/f66440a31c2be198a47f5c02b757d3de.jpg)
魚津埋没林博物館の入口
入館すると、すぐに大木の樹根の切株が目についてくる。
これが埋没林の樹根で、館内には埋没林についての説明パネルが数多く展示されている。
それによると埋没林とは、文字どおり“埋もれた林”のことで、日本、あるいは世界の各地で発見されている。
どうして埋没林ができたのか、林が埋もれる原因として
①火山の噴火に伴う火山灰や火砕流、
②河川の氾濫による土砂の堆積、
③地すべり、
④海面上昇などさまざまな原因が考えられている。
埋没した林の年代もさまざまで、数百年前から数万年前のものまで色々とある。
ここ魚津の埋没林は、約2,000年前、片貝川の氾濫によって流れ出た土砂が杉の原生林を埋め尽くした後、海面が上昇、現在の海面より下になってできたと考えられている。
魚津埋没林は、生育した森林の場所全体が地下に埋もれて密閉されたと考えられ、大木に成長した木の株だけでなく、種子や花粉、昆虫なども残って発見されている。
そのために、過去の森林環境などを推定する大きな手がかりとなり、私どもにとっても大きな財産となっている。
また、魚津埋没林は、2007年5月10日、日本の地質百選選定委員会によって「日本の地質百選」に選定されている。
「日本の地質百選」とは…地域固有の自然遺産である地質について、世界的に見ても特殊な地質環境下にある日本列島のさまざまな情報を広く共有するため、全国から公募、選定されたものである。
今回は第1次として、約380箇所の候補の中から83箇所が選ばれている。
「日本の地質百選」について興味のある方は (NPO 地質情報整備・活用機構サイト内)で詳細な情報を知ることができる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/fd/34e4d8278b5da31adb5bd777cd03e52b.jpg)
入り口近くに展示している埋没林
この博物館では「埋没林」の他に「蜃気楼=しんきろう」が富山湾に出現した様子などを映像などで紹介している。
入り口から続いているホールを過ぎると常設展示通路があり、埋没林と同じ洞杉(どうすぎ)の紹介パネルや、蜃気楼のできる仕組み、当地となじみの深いNHK大河ドラマ「天地人=魚津の戦い」などを紹介している。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/ae/5405c2ece7809f06753673cd0dddb021.jpg)
埋没していた同じ樹木の洞杉の大木 複雑な枝形状や岩を抱え込むように生育している。
常設展示ホールを過ぎると通路は左右に分かれ、私どもは左側の水中展示館の方向に進んで行く。
すると大きな水槽の中に埋没林が展示している。
通路からガラス越しに見えるようになっているが、照明が暗く写真撮影はできなかった。
この施設について概要を紹介すると、
縦8m、横16m、深さ2.5mの水槽の中に埋没林が保存・展示されている。
ここに保存されている樹根の最大のものは、端から端まで約10m、幹の部分の直径約2m、樹齢500年以上と推定されている。
この水槽は、昭和27年に発掘された場所をそのまま利用してあり、中の樹根は当時のままの場所にある。
水槽の中の水は、地下水(真水)をポンプで汲み上げたものと、湧いてくる自然の地下水を利用している。
地下通路の窓から見る神秘的な樹根は、私達に古代から受け継いでくる何かを語りかけてくるように感じてくる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/66/8d55995b47ab41c14d02d2e666029cba.jpg)
水中展示館(手前)と乾燥展示館
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/91/8e1b9a5de63f4b053eccbdcfa970aed4.jpg)
水槽の中に展示されている埋没林のパネル写真
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/33/82502ff98259a3201f45348cd4df5c1f.png)
埋没林の写真の上半分は水面に反射して逆さに見えている(博物館写真)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/05/6c1e5f671d76a25e75fa14fb99f0ee0b.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/d2/711386bf5ef2f11a34fb286f773c2dfe.jpg)
すごいパワーを感じさす埋没林の絵 乾燥展示館に展示している埋没林
水中展示館から乾燥展示館に進んでいくと、大きな樹根や幹が展示され、埋没林発見の経過や地層などが書かれたパネルが掲載されている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/23/7f30abd9ffb9bc59725aa05cc6d15b99.jpg)
ハイビジョンホールなどがあるテーマ館(左)とドーム館
乾燥展示館を見学した後、さらに進んで行くとドーム館にやってくる。
この館では、平成元年の発掘現場を再現した樹根や樹幹、地層展示、分析資料などが展示されている。
ドーム館からさらに通路を進んで行くと建物の外部に出る、ここが「蜃気楼の丘」である。季節によってはこの場所から蜃気楼が見られるようである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/df/d5e22799b72cf9262c79d56bb567c821.jpg)
ドーム館の埋没林展示状況
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/32/945779f041d0caaa5ee1d3547e83d649.jpg)
ドーム館に展示されている埋没林
富山湾で見られる蜃気楼については、テーマ館ハイビジョンホールにて映像で詳しく紹介されている。
本物の蜃気楼は、訪れた時期など運がよければ見ることも可能であるが、季節的には春と冬に見られる。
一般的に蜃気楼といえば、春の蜃気楼をさすことが多い。
春の蜃気楼は、風景が上方に伸びたり反転して見える。
これに対して冬の蜃気楼は、下側に投影されるように見える。
蜃気楼の丘からテーマ館二階のハイビジョンホールに行くと、大型映像で埋没林や蜃気楼などを迫力満点の映像で紹介している。大変見ごたえのある映像である。
富山を訪れ、立山や350mの落差を轟音を発しながら流下する滝、自然の恵み一杯の寺院などと、この魚津埋没林などを見ていると、あらためて富山の自然の豊かさや、古代からの大地や自然、それと一体となっている樹木などと人間との関わりのある浪漫を感じさしてくれる。
2000年前から海底で腐朽することなく眠り続けた巨大な樹根の埋没林、その生命力やパワーには驚かされる。
やはり自然界にはすごいものがあり、自然界との調和なくして人類の発展はなく、自然界に存在する全てのものと、うまく調和できる世界、それと共生していく大切さを私たちに教えてくれているようである。